「同伴下山」てっぺんの向こうにあなたがいる uzさんの映画レビュー(感想・評価)
同伴下山
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情報を入れてなかったので最初は主題を掴みかねたが、メインはやっぱり家族愛•夫婦愛かな。
エベレスト登頂を描く序盤は割と退屈。
頻繁に現代に戻るのでテンポも悪く、そこでの会話も話を前に進めないため、余計に。
バーボンのくだりや歌は最終盤に効くので削る必要はないが、それぞれ纏めて見せてほしかった。
一番気になったのは見た目年齢。
過去と現在の純子に対し、正明や悦子の見た目のバランスが明らかにおかしい。
真太郎の高校時代も、姉との年齢差から考えて老けすぎだし。
主人公の経年に関しては、声や顔立ちは納得のものだったが身長が…(仕方ないけど)
芝居は吉永小百合が大分寄せてはいたが、のんの自由さに対してはまだ上品で微妙に繋がらない。
純子の話から家族の話になり、“下山”への意識が強まる中盤からはよかった。
若葉竜也が特に見事で、関係性や心情の変遷を上手く見せてくれる。
真太郎に“図星”を突かれた際の佐藤浩市も、否定しながらもそれと分かる絶妙な間と台詞回し。
闘病しながらも富士登山へ向けて前向きさを失わない吉永小百合の演技も好感触。
ただ、母の携帯と共に山頂を目指す少年のくだりなどはちょっと狙いすぎで蛇足かな。
ホスピスでのやり取りは地味ながら染みた。
「治療のために生きたくない」と、下りながらも歩みを止めない姿はとても眩しい。
家族愛•夫婦愛がメインと書いたが、人生の下り方の話でもある。
そしてその先にあるものが、あのラストカットの可愛らしいキスなら、それは幸せだろう。
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