劇場公開日 2025年10月31日

「【”不撓不屈の女性とその家族の生き様。”今作は女性として初めてエベレストに登頂した女性とその家族が抱える葛藤を描いた前半に対し、時が流れる中でその蟠りを解いていく後半描かれる様が心地良き作品である。】」てっぺんの向こうにあなたがいる NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”不撓不屈の女性とその家族の生き様。”今作は女性として初めてエベレストに登頂した女性とその家族が抱える葛藤を描いた前半に対し、時が流れる中でその蟠りを解いていく後半描かれる様が心地良き作品である。】

2025年11月5日
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鑑賞方法:映画館

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■若き気鋭の女性登山家、多部純子(ノン)は1975年、女性として初のエベレスト登頂に成功し世界を驚かせる。 帰国し注目を一身に集めるが、年代的に極地法(ベースキャンプから、一次、二次、最終とキャンプを設置し、最終キャンプメンバーの中で最も体調が良い人物が頂上を目指す大規模登山の形式。当然、その過程で自己負担金も多く出している隊員間で、今作で描かれるように軋轢、嫉妬、妬みが生ずるケースが多い。)で登ったために、他の隊員を含め”何故、貴方が登ったのですか?”と言う質問が出て、彼女自身も多数の仲間を失う事となる。
 又、”エベレストに登頂した女性の息子”と言うレッテルを貼られた長男(若葉竜也:この役者さんは、ヤッパリ良いね!)は、高校時代にぐれて、頭髪を金髪にし、ピアスをしたために高校を中退し別の高校に編入するのである。
 十数年が流れ、純子(吉永小百合)は腹膜癌である事を告げられ、余命三カ月と宣告までされるが、1975年の登山隊に新聞記者でありながら参加した親友の悦子(天海祐希)や元登山家の夫(若き時:工藤阿須加、後年:佐藤浩市)らの助けもあり、登山への情熱は消えなかったのである。

◆感想<Caution!内容に触れてます。>

・序盤のエベレスト登頂シーンは、難所であるアイスフォールを抜けるシーンも、ヒラリーステップを攀じ登るシーンも無く、あれれ?と思いながら観賞する。
 だが、物語を観ていると、阪本順治監督は”登山映画ではなく、不撓不屈の女性とその家族の生き様を描いたのだ。”と気付き、その後は楽しく鑑賞をする。

・中盤、息子がぐれるシーンでも、純子は気丈に振る舞うが、その姿から家族は再び結束していく過程が、良く描けていると思う。

■特に、東日本大震災で被災した若者達を、自身も福島出身の純子が、病を押して、立ち直った息子や夫の力を借り乍ら、富士登山に何度も連れて行くシーンは良かったと思う。
 そして、彼女は長年自分を支えてくれた夫に、富士登山の途中でお礼のキスをするのである。

<今作は、女性として初めてエベレストに登頂した女性とその家族が抱える葛藤を描いた前半と、時が流れる中でその蟠りを解いていく後半の様が心地良き作品なのである。>

■私は、30代半ばで登山を中断しているが、(登山を中断するあるある。1.就職、2.結婚、3.子供が生まれる。)今作を観ていると”あと20年働いたら、スポーツサイクル+登山を再開するかな、と思ったよ。今は危ないからね。

NOBU
ゆうさんのコメント
2025年11月5日

共感ありがとうございます あの登山形式?ちゃんと名前が有ってその後の反応もあるあるなのですね なる程でした

ゆう
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