「やっぱり夫婦愛」てっぺんの向こうにあなたがいる ウルスアベイユさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり夫婦愛
見どころはいろいろですが、行き着く所は夫婦愛ですね。「ありがとう」純粋に感動しました。一緒になれて良かったと妻に言いたいですし、妻からも言ってもらえるように、これからも過ごして行きたいです。
キャストは80歳の主演女優吉永小百合さんも立派ですが、わたしはのんさんの凄さを改めて感じました。「さかなのこ」もすげぇーと思いましたが、あの時代に生きていた女性を再現して、ここまでハマるかと感服しました。フィンガー5みたいなサングラスは愛嬌ですね。隊員の皆さんは失礼ながら時代背景から赤軍の戦士みたいにも見えたりして、そしてやっぱりあった隊員同士、女性同士の確執と破綻。しっかり描かれていました。
若葉さんは微妙な立場の息子役、好演でした。なんかアラカワアオに見えてくるのは仕方ないのですが、こんな商業大作映画に出るまでになったんだなぁと、ますますファンです。
佐藤浩市さんは小百合さんより実年齢はかなり下だと思いますが(老けるために白髪にしたのか?)、いい夫役を素晴らしコンビで演じられてました。若い頃のプライドを捨てるのは大変だったことは、案外とサラッと描かれてましたが、温厚で妻思い、わたしも見習いたいです。
阪本監督はさすが大御所です。下手するとベタベタになりそうな物語をしっかりとした作品にまとめてました。いろいろな世界を描いている巨匠だと思いますが、オーソドックスな演出と言っていいのでしょうか(ただわたし的な阪本監督のベストは今作ではないです)。セットとか小道具とか衣装とか、細部までしっかりしてました。昭和と言う時代の社会的な空気感、懐かしくも恥ずかしく思い出しました。
一言で言えば、とても面白かったです。お勧めしたいです。あの4000万、いつの間に? ちょっとだけ不思議でした。
田部井さんもそうですが、今はガンに限らず、しっかりと告知をして、今後の人生を家族含めて向き合って行くことが普通だと思います。わたしの実母は1980年代後半にガンを患い、3年半闘病しました。本人への告知は最後まで行われませんでした。もし、発覚後すぐに本人への告知をしていたら、わたし(家族)はどう向き合えたのか、母にとってはどっちが幸せだったのか、「てっぺんの向こうにあなたがいる」を観ながら改めて考えました。
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