「(オンライン試写会は常にネタバレ扱い)/数学に興味がないと厳しいか」バーラ先生の特別授業 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(オンライン試写会は常にネタバレ扱い)/数学に興味がないと厳しいか
今年99本目(合計1,641本目/今月(2025年4月度)2本目)。
オンライン試写会に招いてくださったfansvoicejpさまにご感謝を。
一部はインドの教育事情に着想を得て作られた作品ということですが基本的にはフィクション。また、インド映画としては珍しく120分級なのもよかったです。なお、アルコールを飲むシーンはそこそこ存在しますが、例のごとく謎の警告表示はなかったのでそれ好きな方は(私だけか…)は残念ということで。120分と「インド映画としては」短めですが、なぜか(オンライン試写会での時間表示で)最初の2分がずっとCMだったり、突然ブッダ像が出てきたり謎といえば謎の展開ですね。
内容としては、私立高校と公立高校の対立(インドにもその当時、現在でも、日本でいう共通テスト(旧センター試験)があり、その点数を競っていた)を扱う内容で、そのサブ筋にいわゆるカースト制度や児童労働といった論点が入ってきます。「多少は」アクションシーンやダンスシーンはありますが、どちらかというと問題提起の映画かなといった感じです。
個人的に見ててきつかったかなと思ったのが、数学ネタマシマシで来るので(実際には理系ネタが大半か)、そこの好き嫌いがかなり分かれそうかなと思うところです。しかも答えは出てきてもその説明(証明)がないので…。もっとも、映画内でVHSショップに行くだの、(今時)VHSを再生するだのといったマニアックな話や、かと思えば「成人映画館がどうこう」の話(ただ、このネタとしか思えない部分は後半実はポイントになる)とか話が飛び飛びなのが、観ていて判断が分かれるかなと思います(内容的に問題提起型の映画と考えるのが普通なので)。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/最初に出される問題について何の記述もない)
この「宿題」とされる問題は実はこの後にももう一度登場します。問題はというと、
f(x) = (sin^2 x + cos^4 x) / (cos^2x + sin^4x) とするとき、 f(2022)はいくらか?という問題です。三角関数で2022という値を入れているのも気持ち悪いですが(ここだけ度数法?)、これだけ出てきて「答えは1だ」という割に証明がなかったり、「加法定理がどうこう」という話を突然始めたりと、字幕がちょっと丁寧ではないかなと思います。
(証明)
sin^2 x + cos^2 x = 1 であるため、
f(x) = (sin^2 x + (1-sin^2 x)^2 ) / (cos^2 x + sin^4 x )
=(sin^2 x + 1 - 2sin^2x + sin^4x) / (cos^2 x + sin ^4x )
=(1 - sin^2x + sin^4x) / (cos^2x + sin ^4x)
= (cos^2x + sin^4 x) / (cos ^2x + sin^4x) ※ sin^2 x + cos^2x + 1のため
= 1
…であり、「常に」1なので、2022を入れても1であり、そのことを言っているのですが、この式変形をいきなりやれって言われるとちょっと厳しいかなと思います。
ほか、物理についても「スネルの定理」(光の屈折に関する定理)等、マニアックな語句が出てくるのが、ちょっと人を選ぶかなという感じです。
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