「ベタな冒頭から、心がチクチクする映画」ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
ベタな冒頭から、心がチクチクする映画
今年のはじめ(2025/01/05頃)に、飛行機内で吹き替え版を英語字幕付きで観ました。
※本作の監督(ジャスティン・バルドーニ)が、主演俳優(ブレイク・ライヴリー)に対して、様々なハラスメントを行ったとの疑惑があり、訴訟問題に発展していますが、本作の評価には反映していません。
序盤から何番煎じかと思わせるラブコメ感。ウンザリしながらも機内ということもあり、他にやる事もないため、とりあえず流していました。
花屋さんを開きたいリリーは、実の父に対して良い印象を持っていません。現時点で理由は分かりません。
リリーがとある建物の屋上へ行くとそこにイケメンがやってきて、なんかいい雰囲気になります。←ここら辺で🙄です。
花屋をオープンし、ハサン・ミンハジ登場で少しテンションが上がりました(笑)が、ミステリアスなイケメンと偶然の再会でまた🙄←状態。
リリーの過去が少しずつ明らかになっていき、幼い頃出会った少年との関係も見えてきます。同時に母やリリー自身に暴力を振るう父の姿も。
ミステリアスなイケメンのライルは、過去にトラウマを持っていて、衝動的に怒りを爆発させることが分かってきます。
学生の頃に付き合っていたアトラス(ブランドン・スクレナー)と再会。嫉妬に燃えるライルと、ライルをよく思わないアトラスは、アトラスのレストラン内で激しい殴り合いの喧嘩をしてしまい、リリーは過去の父の姿をフラッシュバックさせ、ライルの子を妊娠、出産を経ますが、ライルとは結婚したものの、負の連鎖を断ち切る為に、何より生まれてきた娘の為に離婚する事を決断します。
その時の彼女の質問の仕方がまさしく[ソクラテス式問答法]で、ライルに答えを導き出させる訊き方。このシーンで鳥肌が立ちました。この場面こそがこの映画の見どころだと思います。
クライマックスからエンドロールまでの流れは、感極まりそうにもなりましたが、そこまでには至りませんでした🙂↔️
ただ、ダレるほどに尺は長く、加えて冒頭のありがちな展開には減点せざるを得ません。観てよかったですが、もう一度、とはなりませんね。
ともあれカップルで観れば、お互いが相手とどう付き合うか、ヒントが隠れている作品でもあると思うので、機会があればご覧になってはいかがでしょう。