ふたりで終わらせる IT ENDS WITH USのレビュー・感想・評価
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愛の美しさと残酷さ、そしてその裏に潜む恐怖。
甘く穏やかなラブストーリーの予感を抱かせながら、その裏側にひそむ恐怖がじわじわと忍び寄る、せつなくも息苦しいサスペンスです。
ヒロインのリリーは、一見すると誰もが抱く普通の愛を求める女性。しかし、彼女の人間関係に潜む複雑さが、物語を危うく引き裂いて行く。
ブレイク・ライヴリーの演技は、リリーという人物の繊細な感情をあますことなく描き出し、彼女の幸福を願わせるほど愛おしく映りますが、その幸福の背後には、いつも暴力性の影が立ちこめている。
誰かを愛することが、ここまで不安定で危ういものなのか。
明暗が絡み合う物語の流れは、まるで甘い夢から悪夢へとシームレスに移行するようで、観客を惑わせ、引き込んでやみません。エンディングに到達したとき、残酷にも物語は完結しますが、リリーのその後の姿を、どうしても想像せずにはいられない。
ある意味ホラー映画
すごい映画😖😖😖
原作未読だけど、トレイラーの時点で『あ、そーゆー系(DV男)のお話なのね』ってのはわかってたこと。だから学生時代の淡い恋の素敵なシーンであっても、カラダ造りもバッチリのイケメン脳外科医とのラブぎ始まっても、な〜んか落ち着かない。“ナニナニ?いつ始まっちゃうの??”的なドキドキがずっと続くから気分はホラー映画鑑賞のよう。
そして、いざソレが始まると、怖くてカラダがギュッと強張って縮こまる感覚。暴力を振るわれた経験のない自分でもあんなに恐怖を感じるんだから、もし経験者の人が見たら……と思うと恐ろしい。ボッコスコにされる直接的なシーンがあるわけではないのに、なんであんなに怖いんだろ。
世の中ではジェンダーレスやジェンダーフリーがニューノーマルになりつつあるけど、こーゆー映画を観ると明らかな男女の性差について再認識させられる。平等がよくないとは思わないけど、平等に扱えないファクターが少なからずあることを考慮したうえでのジェンダー論を展開してもらいたいなー、と改めて思った……
と、ボヤキはこれくらいにして。
原作がいいのかな。
苦手なホラー映画を観ている感覚ではあったものの、最初から最後までめちゃくちゃ引き込まれた。そしてそれでいてただの問題提起作品という位置付けではなく、友情物語だったり、トラウマの自認と克服だったり、慈愛の心を持つことだったり、素晴らしいテーマが盛りだくさん。
原作“It ends with us.”には続編の“It starts with us.”もあるみたいだから続きが読んでみたい!
(余談)
アリッサ役の女優さん(ジェニー・スレイト)、めっちゃいい味出してた💕気になって調べてみたらマルセルの中の人だったのね☺
山あり谷あり
172本目。
ストーリー、キャラに山あり谷ありで、ちょっと疲れそうになると言うか、もういいよとは思いもした。
タイトルの意味も納得いったし、幸せになる権利を得ての終わりだから、良かったかなと。
それって臭い屁と同じ?
花屋を開く夢を持ってボストンに出て来た女性が凄腕の外科医と出会い恋に落ち・・と、ありがちなラブ・ストーリーが進むのかと思いきや、物語は深刻なDVの問題へと踏み込んで行きます。実話に基づく小説が原作なのだとか。
本作はこの問題の複雑さを正面から丹念に描いています。暴力を振るう男は如何にものヤクザ風に限る訳ではなく、社会的地位や年齢・経歴によらないのです。また、その家庭にDVがあるのかどうかは一見して直ぐには分かりません。暴力を受けている本人も「いや、あれはDVではない」と思い込もうとする場合があるし、それと認識しても「でも家を出て行く事は出来ないから」と耐え忍ぶ事もあり得るのです。
それにしても、洋の東西を問わず家庭内の暴力がこれほど話題になると言う事は、そうした事態が珍しくはないと言う事なのでしょうか。周りを見回してもそれらしい家を見た事はありません。いや、それこそがこの問題の難しさなのでしょう。
あまり、話題にはなっていない様ですが、特に男性は観ておくべき作品だと思います。このタイトルの意味が分かる終盤にはズンッと腹に堪えます。
ちなみに、そんな事自慢になりませんが、僕は妻に暴力を振るった事はありません。たまに臭い屁をこぐと「ワッ、DV、DV」と騒がれる程度です。「これは出物腫れ物所嫌わずだから」と言ってるのですが、いやもしかしたら、DV男にとっての暴力って僕の屁と変わらぬ様な気安さなのかなと考えると、ちょっとケツがもぞもぞして来るのでした。
見やすい
どんな愛や絆があってもたった一つの過ちで大きな傷を負い、大切なものを失われてしまうのを丁寧に描いた作品。
どの登場人物の視点に立つかによってその過ちの重さや、大切な物を失う過程の辛さ、今後の展望なんかを異なった考えで見れる。
時間を割いてまで勧めたくなる作品とまでは思わないが時間があれば見るには十分楽しめる作品。
二人になって無敵
エンディングが全ての映画です。
全部の伏線がエンディングで回収されました。
主演のブレイク・ライブリーの、年齢相応の演技がいいですね。
原作がとても良い事を感じさせるストーリーでした。
ただのハーレクイン小説ではないのでしょう。
冷静な話し合いが得意でない私には勉強となりました。
恋愛映画と思いきやその先の...
#ふたりで終わらせる
主演
#ブレイク・ライブリー
夢だった花屋をいて、そこで働いてくれる、後の親友が妊娠出産する事により子供の成長で時間経過がわかるようにしたり、とにかく省略が見事。
恋愛映画かと思って見に行ったら、その先の話だったし、なんなら恋愛結婚に限らず、人生を歩む上での、壁にぶち当たった時にしっかり考えて苦しんで正しい決断をすると言う事を教えてくれて。頭では分かっていてもなかなかその決断が出来ないという事が多いなかで、とても勉強になった。これは、なんにでも言えると思う。
この手のテーマの映画は散々見たが、重さや説得力が違う‼️何気にかなりいい映画。今年ベスト級
女と男、プロデューサーと監督
♪前髪1ミリ切り過ぎた午後、
あなたに会うのがちょっぴりこわい、、、
松本隆の「赤い靴のバレリーナ」
1ミリの繊細さを歌詞にした楽曲。
『ふたりで終わらせる』は、
感情と論理がミリ単位で繊細に交錯する作品であり、
ブレイク・ライブリーがその両方を巧みに表現している。
彼女の芝居は、微細な感情の変化を捉え、
視覚的に伝える力を持っている。
眼差しや一挙手一投足を通じて、
物語の中で絶えず変化する心情を伝えていく。
ライブリーの芝居の凄さは、
ただの感情表現にとどまらず、
その細やかな動きが観客に深い共感を呼び起こす点にある。
眼差しだけでも、
具体例を挙げると冒頭のシーン。
【実家の部屋を見る】
この一瞬に込められた感情の変化、
彼女は過去と現在、思い出と現実を前にして、
まるでその場の空気を飲み込むかのように静かな心の葛藤を見せる。
その視線の先にあるメモ、
5つの空欄、
単なる物理的な空間ではなく、
感情の膨らみであり、
観客はその繊細な変化、
過去に何か起こったに違いないと感じ取ることができる。
【花屋の候補地を見る】
【完成した花屋を見る】
主人公の感情が次第に膨れ上がり、
彼女の内面の不安や期待がじわじわとにじみ出る。
彼女は1ミリ→1キロ→∞、
それは単なる外面的な変化だけではなく、
心の中で揺れ動く複雑な感情を、
次第にその幅も広げていく。
映画全体を通して、
周りのキャストもまた、
ライブリーの繊細な演技に呼応するかのように細やかな芝居を見せており、
それが作品に一層の深みを与えている。
感情と論理が絡み合い、
最終的に一つの大きなテーマに集約していく過程を、
観客に強く印象づけるものとなっている。
生きる
生きづらい現代社会において、人は、それぞれにさまざまな問題を抱えている。どこまでを許すことができるかは、判断は難しい。紆余曲折はあったが、主人公の判断は正しいと思った。生きることは難しいが、真底、納得すれば、生きやすい。主人公の生きる姿勢に、応援したくなる。考えさせられる良作。
近しい人がDVに精神を磨耗されているすべての人へ
ドキドキワクワクするような!というよりは、日常の生活で一歩を踏み出す勇気をもらえるような、そういう作品であった。
掃除中の母親の言葉が、本当に、本当に「それはそう」となってしまってつらかった。
終始思わせぶりな態度を取り続ける主人公は、そんなやから…とは思うけれど、病室での旦那との会話でグッときました。
個人的には親友ちゃんが好き。親友ちゃん夫婦、良すぎる。
テーマがテーマなので万人受けはあまりしないかもしれませんが、見て損はないです。
1人で終わらせた…
全米大ヒットの本作ですが、日本では大したPRもされずひっそりと公開され10位圏外スタートという…
あのブレイクライブリーがキャンセルカルチャーのトップランカーになるとは想像もしておらず、映画そのものよりそちらばかり追ってしまいました。作品のテーマは非常に重たいものですが、演者は皆丁寧に表現しており素晴らしいです。
ヒロインの好演、イケメンも目の保養。
主人公を演じる女優がとにかく好演。アメリカの中年女優はどうしてもこうも成熟した美しさ、凛々しさと、高校生も演じられる可愛さを併せ持つのか。新旧の恋人も超イケメン。見ているだけで目の保養になる。二つ(三つ?)の家族の不幸を巧く糊代でつなげたストーリーは出来すぎの感もあるが、ベストセラー小説の原作のおかげなのだろうオシャレで気の利いた会話も楽しめる。長く付き合っているカップルのデートに最適の映画。
やっぱだめ?
2024年劇場鑑賞313本目。
勝手に同性愛ものだと思っていましたが全然違ったぜ!
なんかこんな簡単に超セレブのイケメンムキムキ脳神経外科医がたまたま会った普通の女性に恋に落ちるか?と思いながらずっと観ていましたが、だんだん男の方の問題が明らかになっていくところからこの映画の本領かと思います。
最後ヒロインの選択の際にぐうの音も出ない論破をするのですが、そこを理性でなく情でなんとかならんかったんかな、というのが所詮自分が男ということなんですかね。
幸子という名前の女で幸せな人はいない!絶対にだ!
俺が知っている最初の幸子は名前を幸といい、俺が地方劇団の劇団員をやっていた時に、劇団の雑務を無償でやってくれた県立高校に通う女の子。
あの頃の俺のどこにそんな金があったのかは謎だが、手伝ってくれたお礼に、劇団四季の「 エルリックコスモスの24時間」 に招待をした。その子は視力が2.0あるので、主役の役者が別の人に変わったのが分かって驚いちゃった。
後に、その子の生い立ちを聞くと、お父さんは劇団四季の役者だったが自動車事故で亡くなってしまったそうだ。
それから、諸事情で俺が長野に出稼ぎに行っていた時に、唯一の肉親の母親が病気で亡くなったと、手紙が届いた。
とても、良い子なのに何故、こんなに不幸が訪れるのだろうか。やっぱ、神様っていないな?高校を卒業して看護学生になったので、さぞかし立派な看護師になった筈です。元気にしてるかなぁ?
もう一人の幸子はメンヘラで、手首を切りすぎて、もう切る所が無くなったから、肩口まで切っていた。何回かドライブしたりしてたけど、何か怖くて付き合いをやめました。
三人目の幸子は、俺がタイミーで郊外の居酒屋で働いた時の店長で55才くらいの幸子。
とにかく、面倒見の良い人で俺と同じくタイミーでやってきた女の子がどんだけ皿を割っても、グラスを割っても怒らなくて、深夜まで働くのに帰りの足が無いから、タクシーで帰ると言った愚かな女の子を、その店長が車で送ってやるのだ。
俺は個人的に、その店長から電話番号を聞かれて、タイミーを通さないで、バイトできるもんとばかり思っていたら、
「 ご飯奢ってやるから、会わない?一緒にデートしようよ?」
という、誠に気色の悪い電話だったが、タダ飯食えるから会う事にした。何故か、一人ではなく連れ合いがいて、計三人で食事をする事になり、食事が終わった途端に、
「 貴方にいい話しがあるの?聞いて貰える?」
と、言い出し、それから宗教の勧誘が始まったのだ。俺は神なんて信じていないので、断固拒否した。
話の矛先を変えて、タイミーで働いた、あの店長に送ってもらった女の子の話しをしたら、
「 あの子は苦労したけどねぇ、今は入信しているの!」
このカルト宗教キ✖️ガイBBAは、タイミーでバイトを集めて、そのワーカーを入信させている、とんでもない腐れ外道だったのだ。
以上、ぼくの知り合った、幸せじゃない幸子のお話しだYO!
さて、こんなに長すぎる前置きは誰も読まないよ!と突っ込まれても無視するが、
この映画の主人公リリー。日本語に訳すと幸子( 突っ込み禁止) は、
幸せを数えると片手にさえ余り、不幸せを数えると両手でも足りないので、不幸のズンドコ。
映画冒頭で、幸子は亡くなった名士の父の葬儀で、母に弔電で、
「 お父さんの良いところを5個あげて、スピーチして」
と、頼まれる。
そして、弔電を読む時に、メモを見ると、一つも亡くなった父の良い所が無く、無言で壇上から降りてしまう。
実は父親は、外面は良かったが、家では母親に暴力を振るうDV野郎だったのだ。
そして、幸子は恋をする。脳神経外科のイケメンで非の打ち所がないと思っていたのだが、何かにつけて幸子を物理的にではなく縛り、幸子に思いつく限りの罵詈雑言を浴びせるのだ。
そんな幸子にも、純愛の経験があった。同じ高校に通う男子だったが、家なき子の男子は廃家に違法に住み込んでいた。
その男の子を哀れに思った幸子は、廃家の窓の下に衣服や食糧を差し入れていた。それから、何十年も経ったが、見事その男子は立ち直り、カリスマ料理店のオーナーとなっていた。
それを遠赤外線を駆使して獲物を狩る蛇のような、DV脳神経外科の彼氏に発見されて、問い詰められる幸子。激昂したDV脳神経外科に階段から突き落とされる幸子。
カリスマ料理店オーナーになった同級生に助けを求める幸子。幸子はやっと、DVしない男、プラトンでいうところの自分の片割れ半身を見つける事ができる。
DV脳神経外科の子どもを授かった幸子は、三行半叩きつけて、自分を本当に愛してくれる人を見つける事が出来た。
劇中、ずっと張り付いたような作り笑いをしていた幸子はラストシーンで、やっと心の底から笑えて本当の自分を取り戻したのであった。どっとはらい。
※ 今回は、ばんばひろふみの「 SACHIKO」 を聞いた事が無い人にはさっぱり意味が分からない事をお詫びいたします。
濃厚で味わい深いドラマに清々しさすら覚えました
大人のビターなラブストーリーを超えて1人の女の成長を描く。精緻な脚本を基に巧妙に人物を配し、一切無駄のない稀有な傑作と言っても過言ではないのに驚いた。なにより古典的とも言える品格ある画づくりで、正攻法を押し通した展開に重厚感すら漂う。今夏米国で大ヒットを記録し、なにやら評価も二分する沸騰状態の本作、やっと日本公開ですが、まるで日本のSONYの宣伝に力が入っておらず公開規模も小さなもので。たしかにド派手映像のみが欲せられる昨今、味わい深いシリアスなストーリーは厳しい興行環境なのは確かですが、出来の良さを前面にアピールすれば大化けもあるでしょうに、実に勿体ない。
主演に制作まで担ったブレイク・ライブリーの為のブレイク・ライブリーによるブレイク・ライブリーの映画なのは確かです。ちょっぴりチャラい雰囲気が個性の彼女をひたすら美しくゴージャスに捉え、超個性派オシャレなファッションをとっかえひっかえ、ばっちりメイクもあわせて、実にカッコイイのです。その上で他に類を見ない社会問題でもあるDVをしっかり画面に定着させる離れ業をやってのけ、天晴ですね。
実の父親の葬儀で弔辞を任されたものの、誉め言葉が何一つ浮かばずその場を去ってしまうリリー。どうして?をお預けにしたまま、早々に主人公2人の出会いを描くビルの屋上シーン。傷心のリリーの前に突然椅子に当たり散らす男ライルが登場。「いえ、この椅子は丈夫に出来てまして・・」などと誤魔化すが、さりげなくライルの本性を早々に提示。続く初対面なのにいきなりキスシーンってのも驚きですが、男が脳神経外科医と分かった上での計算でしょう。
さらにリリーが家庭内暴力から家出したアトラスを助ける高校時代のエピソードが並行して描くことにより、徐々に見えなかった真実が明らかにされてゆく構成がまた見事。扮する若きリリー役が、ブレイクをCGで若くした?ってレベルの激似の若手さんで、これまた驚異のレベル。リリーの母親、新規開店の花屋のスタッフ(バーキンバッグ持って求人ポスターに応募って違和感ありますが)、その夫と兄が絡み恋の駆け引きがヒートアップ。ほとんど一方的にライルの猛攻に対し、いやよ、いやよ、と言いながら焦らし戦術のリリー、そして案の定の陥落に至る。
で、いよいよそれぞれの抱える過去が、本作の本質であるDVに収斂してゆき、リリーを愛し過ぎた挙句の嫉妬への過剰反応を示すライルに対し、人気のレストランでの手の甲に傷を持つ男アトラスの登場シーンでピークに達する。いいですねぇ、濃厚な男女の愛憎が交差するクラシックな程のドラマが走り出す。昔、淀川長治って映画評論家がテレビの映画番組の口上で、「メニューを差し出した男の手の傷にハッとなるリリー・・・まさかと思いつつ見上ると・・凍り付くリリー・・・」なんてサイレント映画のように詳細を語り出しそうな魅惑の見せ場なのです。
原題が「IT ENDS WITH US」が曲者で、「US」が邦題は「ふたり」となっているのもまた曲者。終わらせるのは当然にDVの連鎖なのですが、どの2人? その答えが本作のクライマックスで、感動ものなのです。ボストンの美しいランド・スケープが幾度となく挿入され、港もあり舞台として美し過ぎるステージでした。おおよそ3年間のストーリーでのリリーの成長を目撃出来、素晴らしい映画体験でしたと言えます。
ただ、リリーとライル、リリーとアトラス、どちらでも2人のシーンは殆ど顔のアップの切り替えしの連続。仔細な表情がありありと描写されるのはいいけれど、ちょっと息苦しい程なのが惜しい。さらに当然のように偶然の出会いのオンパレード、偶然がなければ世のラブストーリーは大方存在し得ないわけですが。そしてボストンの街中にフラワー・ショップを開く困難がまるで描かれず、こんなんで経営が出来るはずないでしょとイライラが募る。にも関わらずボストンのニュー・ショップセレクトに選ばれてしまうなんざ、あり得ない。オシャレなリリーはともかく、男どものファッションセンスの無さは如何なものか。ライルのあのジャージはいったい・・・。
「アデライン、100年目の恋」2015年で魅力全開となったブレイク・ライブリー、「シンプル・フェイバー」2018年で露骨に美女ぶり個性を強調し、美しさに磨きがかかる。一方で「ロスト・バケーション」2016年のほぼ全編ひとり芝居もこなす演技力で、本作でも女の毒と女のピュアをさりげなくこなしてました。彼女の実生活の夫ライアン・レイノルズは本年「デッドプール&ウルヴァリン」で特大ヒット、夫婦揃って全米興行1位と2位を独占なんてハリウッドの歴史でもそうそう無いこと。ライル役のジャスティン・バルドーニは本作の監督もこなしたわけですが、「いい男」ってセリフがリリーの母親から発せられるけれど、ちょいとアラブ系の濃さが鼻に尽きますね。むしろアトラス役のブランドン・スクレナーの方が甘く素直にいい男と私には見えましたがね。
それにしてもドメスティク・バイオレンスを主題として扱うところが何より凄い事、背景としてなら映画でも幾度として描かれますが。なのにDVシーンを真正面から描かないのもまた本作のテクニックで、心の傷に重きを置いて描きます。この辺りの匙加減が上手くハマってこその大ヒットなんですね。
仮にもDVのきっかけが妻に拠るものだとしても、夫が暴力に出たらお終いです。暴力は何の解決にもならないどころか、傷を拡げる一方なのですね。こんな女だから男が怒るのは当たり前と書かれる方もいらっしゃいますが、怒ればいいのですよ我慢せずに、ただ暴力の手段には訴えないで。
なるほどのふたり
美しいブレイク・ライブリーを観るためでしたが
想像以上に良い作品でした。ブレイク・ライブリーの代表作品の一角を担う秀作。
少女時代のリリーの雰囲気も似ていて観ていて違和感がありませんでした。憂いを含んだせつなさのあるガールを好演。
原題どおりの邦題にして正解👍
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DV夫はトラウマになる
リリーは、理想のフラワーショップを開こうとボストンにやって来た。リリーが、ビルの屋上で街を眺めてた時に、脳神経外科医のライルと知り合った。そして2人はフラワーショップの定員に雇ったアリッサの兄を紹介され、それがライルで、思わぬ再会を果たした2人は恋に落ち、恋人同士として幸せな日々を過ごしていた。ライルは、リリーの初めての男の話を聞き、その男がボストンで飲食店のオーナーだとわかってから、リリーに対する愛は嫉妬を含み、暴力的になり、それによってリリーは、父親が母親にDVをしていたり、自分の初恋のアトラスを半殺しにした過去、の記憶を思い出した。母とは違う自分の信じる未来を手にするためリリーは・・・さてどうなる、という話。
DV反対をテーマにした作品なんだろう。
弱い人(女性)に絶対暴力を振るってはいけない、それを本作を観て肝に銘じて欲しいとの意思を感じた。
父親の母親に対する暴力、父親の自分の恋人に対する暴力のトラウマを抱える娘(女性)は多いのかもしれない。
リリー・ブロッサム・ブルームって名前だけど、劇中でも言ってたが、ユリの花が咲く、とは笑った。
あのタイミングで別れを切り出す?とは思ったが、逆にあのタイミングでしか、別れろと言う、の言葉は引き出せなかったのだろう。そして、良いラストだった。アトラスと3人で幸せになってほしい。
It ends with us ふたりで終わらせる、って字幕に出たけど、日本語にするの難しいな、と思った。2人で終わらせる・・・赤ちゃんと自分の2人という意味の方が合ってる感じがした。
リリー役のブレイク・ライブリーが魅力的だった。
そして、エンディング曲も優しくて良かった。
全58件中、1~20件目を表示