ふたりで終わらせる IT ENDS WITH USのレビュー・感想・評価
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痛みの連鎖を断ち切る勇気が、ラストで静かに胸に刺さる。
原題「IT ENDS WITH US」は直訳で「私たちで終わらせる」。
邦題の「ふたりで終わらせる」は一見シンプルですが、“ふたり”が誰を指すのか、物語が進むほどその意味が深くなり、ラストで静かに胸を打ちます。
そこにこそ、本作のテーマである「痛みの連鎖を断ち切る勇気」が込められていると感じました。
そして、ヒロインのリリーが本当に魅力的です。
若い頃から優しく美しい彼女は、苦しい経験を経てもなお、他者を思いやる心を失いません。
そして、ただ“強い”のではなく、痛みを知った人だからこその強さで立ち上がる、この姿に同じ女性として憧れすら抱きました。
恋愛模様は丁寧に描かれており、シンプルなラブストーリーとしても楽しめる一方、複雑な背景を持つ人間同士がもがきながら前に進むドラマとしての深みもあります。
そして本作は、時に“大切なものを守るためには、大切なものを断ち切る決断が必要になる”ことを静かに教えてくれます。それは悲しみではなく、未来を選ぶための強さです。
ラストは静かにあたたかく幕を閉じます。
恋愛映画が好きな方にも、人の再生の物語を味わいたい方にもおすすめしたい作品です。
うす〜い
ブレイク・ライブリーがインタビュアーに失礼な態度とる映像を見て、いけすかない女として見始めたのでまったく共感できず。でも完全ニュートラルでもコイツには無理かも。初対面の人に初体験の相手はホームレスだったって、どんだけ欲求不満おばさんなのよ。その後も訳わかんない焦らし作戦をずっとみせられるし、元カレ出現で夫が疑ってくるのをちゃんと説明すればいいだけなのに、何でもないのよ何でもないのよ!って怪しい言い訳しかしない。話もうっす〜い。DVに苦しむ女性を救いたい?いやいやDVを出しにしたうすうす低質ラブストーリーでした。しかもそれにしては男女に魅力がなさすぎる。元カレとの再会も子供が大きくなって何年も経ちましたよ、だから男のために離婚したわけじゃないですよ、の言い訳がましい演出が不快。
とても大切なテーマだが…
なんとなく大作感に欠けてる感じから劇場はあえてスルーしたが、元来ラブストーリーが好みということと、ましてやブレイク・ライブリー主演ということで無料配信早々に鑑賞。
冒頭から景色がとても美しくてほれぼれ。とてもクリアに撮れていて壁紙にしたいほど。
ただし、良いのはそれだけ。個人的にはストーリーも役者陣の熱演もわざとらしく感じてしまい、どうにも入り込めない。特に、恋愛・友情・親子愛の流れがかなりちぐはぐな印象。なんでそうなるの?そもそも設定に無理があり過ぎやしないかい?というのが正直なところ。どうにも座りが悪い。
せっかくのとても良い景色も、この流れの中では段々白々しく映ってきてしまう…。とても大切なテーマだけにもったいない。
もう少し若い世代であれば、本作にうまく共感できるのかも知れないが、昭和生まれの五十男には手に余ってしまった。
本作に限らず、出演者が監督や製作に関わっている作品はどうも苦手なことが多いと感じるのは自分だけだろうか。
ある意味バッドエンド。
序盤から中盤まで、ヘンな男とヘンな女の恋愛劇という雰囲気で、
イライラしながら見てました。なんか嫌な二人だなと感じて。
で、途中から、二人の過去をクローズアップするストーリーに。
そこから、話としてはおもしろくなっていくんですが、
妻の行動があまりよろしくない。元カレと出会って、気持ちがぐらぐら、
夫に嫉妬されるのはしょうがないような気がしました。
この映画は、勇気を持って終わらせる、ということが
テーマで、そういう生き方に拍手ということなんでしょうが、
夫だって、ものすごい過去を抱えてるわけで、それを3人で
乗り越えていく(いばらの道なんでしょうが)という選択も
ありますよね。甘い甘い、DVがループするだけって言われそうだけど。
まあでも、娘のためと言いながら、結局、自分の幸せを
選択する、というストーリーとも取れるし。
都合よく、最後はまたまた元カレと
出会ったりなんかすることも、なんか違和感。
視点を変えれば、バッドエンドでもあるよなって感じました。
みなさんの高評価にびっくり。
この作品、夫をもっと悪者に描いてくれたら、
もう少し感じ方が違ったんだろうな。
ちょっとおかしな気配
タイトルコールそうきたか!
ブレイクライブリーは大好きな女優。この映画も観たかったやつでアマプラにきててテンションが上がった。ライルと屋上で出会った時のイスを蹴る姿、あれが彼の全てなのに恋とは盲目だ。事実を認めたくないから怪我も偶然のアクシデントと言って片付ける、逃げる。母親と同じ道を歩いてしまっているリリー。夫もDV、父親もDV、初恋の相手の親もDV…DVに囲まれ負のスパイラルから抜け出せない運命、それをふたりで終わらせる!1人では終わらせなくてもふたりだから決心がついた。邦題に納得させられるとは思わなかった。嫉妬深く独占欲が強いDV男ほんと最低
感じたことメモ
タイトルの意味を理解できるシーンでは涙が出た。
身体的なものであれ、精神的なものであれ暴力は反対。
自分を誤魔化して、理由をつけて、そのままでいる選択もあった。
でも、そうしない。
産まれてきた子と終わらせる。
繋がってきた負の連鎖を断ち切るのって、本当に、本当に難しいと思う。
焦って大切なことを見失わないようにしたいな。
あと、過去を考えると、良いのか分からないけど、できることならライルにも、幸せになれる道がありますようにと願ってしまう。もちろんリリーとは関係のないところで。
ゴシップガールからブレイク・ライブリーはずっと好きだなあ。
改めて「DVとは」を考えさせられる作品
簡単に何が正解、不正解とジャッジすることが難しいテーマにはなるが、こういうストーリーが語られることに大きな意味があるのでは。
今作は、主人公リリーと脳神経外科医のライルの時間軸と過去の初恋の相手アトラスの2つの時間軸が同時に進んでいくので、それぞれの関係性を比べて観ていけるのが分かりやすい。アトラスとのシーンがお互いの関係構築のペースを細かく描写しているのに比べ、ライルとのシーンはもっと本能的で、ライルの人柄が表れるような会話も少なく、まるで早送りしている印象なのもおもしろい。アトラスの時間軸は映画らしいラブストーリー展開で、個人的には少し美化され過ぎている印象を受けたが、ライル(そして忘れてはいけないリリーの父)との日々のすれ違いは、妙に現実的に感じられ観ていて痛々しく、そのコントラストがまたこの映画の魅力に感じる。
映画のキーになる「花」がとにかく美しい。主人公リリー(ユリ)の花言葉を調べてみると「愛」や「再生/転生(rebirth)」の意味がある。女性の3人に1人はDVの被害を経験しているとどこかで聞いたが、原題の「It Ends with Us」はふたりで終わらせるという意味だけでなく、私たち全員がこの問題について向き合っていく意思も表れているのではと感じずにはいられない。今作に関心がある人は、Emotional violence(心理的虐待)をテーマにしているNetflixのミニシリーズ「Maid(邦題:メイドの手帖)」もぜひ観てほしい。
主演のブレイク・ライブリーと監督兼主演のジャスティン・バルドーニの泥沼裁判が大きく取り沙汰され、海外のコメントもネガティブなものが多いが、映画自体は原作を元にうまく作られた予想以上にいい映画だったと思える分、とてももったいない。
タトゥー
5歳児の独占欲
予備知識ゼロで観たので、原作が大ベストセラーということも知りませんでした。益して、ライル役のジャスティン・バルドーニが監督とは!見始めた時点では、「ふたりって誰と誰だろう?」、「何を終わらせるんだろう?」という興味もありましたが、すぐに忘れてドラマの世界に没入してしまいました。テーマは流行りと言ってもよさそうなアレですが、でも「ありそうでない物語」という印象でした。出逢ったばかりのリリー・ブルーム(ブレイク・ライヴリー)とライルの会話に「救えなかった命」の話があったり、無邪気にセックスを求める彼に対して「5歳児みたい」という台詞がありましたが、これが後々効いてきます。イケメンで金持ち、言葉巧みな愛情表現や優しいエスコートは、友達関係を求めていたリリーの心を徐々に溶かしていくわけですが、そこから先が見所でした。相手を誰よりも大切に想う愛と独占欲や束縛したい身勝手な自己愛が混じり合った感情の中に真実を見抜く難しさが丁寧に描かれ、クライマックスの選択が心に刺さりました。アイルの妹・アリッサ(ジェニー・スレイト)の存在が登場人物間の関係性に深みをもたせてくれてよかったと感じました。今作は恋愛がテーマですが、自国民の安全確保を大義名分にして隣国を侵略する行為も根っこにあるのは同じことのように思いました。
暴力反対❗️
リリーの名前と選んだお店の業種、
花💐
です。綺麗ですが、時間が経つと枯れます。
愛情を意味しているのでしょうか。
釈然としなかったのは、ラストにアトラスに再会すること
ライルではなく。
でも、じっと考えてみると最初に出会った頃から、
リリーが父親のDVに怯え嫌悪していた時に
アトラスのことを救世主のようにBFか恋人以上に
この人アトラスなら絶対に暴力を振るわない、と
信じ込ませてくれる存在だと確信していたように思います。
そんな大事な人ならなぜ別れたのでしょうか?
父親が次にはアトラスを殺すかもしれないと思ったから、と考えられますが。
父親が無理矢理別れさせた、ということでしょうか。
それならお互いに想いは残っていますね。
リリーにはライルという夫がいて、
屋上で出会い、リリーの店で雇ったアリッサの兄、
(アリッサが夫と出かけるのはわかるけど兄と出歩くかな?)
という偶然。
ライルの押しが強くリリーも気が合い結婚に。
ライルは脳外科の医師というハイブランドだし、
好みはありますがイケメンだし、
リリーにとって俺以上の男はいない、と
思ってた筈。
こんな男、自分は他の女に目移りしても大丈夫なのに、
妻が他の男を見るのは許せない厄介な男かな?
ましてや幼い頃の出来事。
冒頭の手術して来た、というのは暗にライルの過去。
三人が出くわしたアトラスの店。
二回目にリリーがトイレに立ったところにアトラスが
入って来たのはマズい❗️
ライルも尾行していて怒る💢のは当然。
ただその怒りで過剰な暴力を振るうのはPTSD❓
階段からの突き落とし、
馬乗りになって責める、
最初の出会いの椅子にあたるのも思い出し、
母を見て来て暴力をとことん嫌うリリーには、
ライルは無理な案件となったのでしょう。
何よりリリー本人が言うように、
娘にどう向き合える❓ か。
監督がライル役俳優ジャスティン•バルドーニなので、
ライルに次はない、と突きつけ
暴力への抗議としたのでしょう。
余談:
本作主演二人が大変仲が悪く、また二人それぞれに監督業もこなすようで、今回ラストはリリー役俳優が主導権を握ったよう。
ふたりで...ってそっちの二人だったのか
「誰かをまた愛したくなったら俺がいる」
byアトラス
惚れてまうやろー😍なセリフ
超絶ヤバい
惚れる以外ないでしょ...
これはヤバい
視聴映画史上No. 1に惚れてまうやろなセリフだわ。
「親友として言う。
別れないなら2度と口をきかないからね」
byアリッサ
ベストフレンドすぎるやろー🥹🫶なセリフ
「『別れろ。2度とそいつと会うな』と言うだろう。」
byライル
オイオイオイー、
わかってんじゃんかよアンタ。
アンタ自分がそれをやってたんだよ。
さすがに目が覚めたっしょ。
エミーのおかげで...
これまたキャスティングが良すぎるのよ..
ブレイクライブリー大好きで全て観てるけど一番いいねこれ。
ブレイクライブリーの演技だったから響いたよ。
大人版アトラスも最高にマッチしてるんですけど。
過去に問題があったことを物語る表情、話し方、仕草だったり。過去に色々あったからこそ醸し出せるあの優しい眼差し。リリーを陰から守っている感、、最高なのよアトラス。。かっこ良すぎるよアトラス。。。
連鎖を断ち切る
父親が暴力的だった女子が成長してつきあった男も暴力的だったという話がよくある。女性がもっている暴力へのトラウマが、暴力性向をもった男を引き寄せる「服従のフェロモン」とでもいうべきものに変換され、それを暴力的男たちが嗅ぎつける、というような仕組みがあるように思う。となれば、いったん暴力的男に絡め取られた女性は輪廻のように悪循環から逃れられなくなり、暴力をふるう男も暴力的環境下で暴力的性向をサイクルし続ける。
リリーの母親は夫の暴力に苦しみ、リリーは導入こそロマンチックだったが蓋を開けてみたら暴力的な男ライルに出会ってしまう。しかし賢く強いリリーはそれが輪廻であることを知っていたから「わたしたちで終わりにするのよ」と娘に宣言し、前を向く。
It Ends With UsのUsとはリリー自身と生まれて間もないリリーの娘のことであり、見終えてようやくタイトルの意味を知った映画だった。
恋愛ドラマを基調にしつつ家庭内暴力と精神的虐待をあつかったIt Ends with Usは、もがき苦しむ主人公を力強く描き、彼女の苦悩に寄り添うことができた一方、映画としては乳繰り合い描写がくどいし、魅力たっぷりなライルが豹変するし、元彼との再会からの板挟みになるし、展開によるストレス振幅が激しく、主題はよくわかるが、すげえ疲れる映画だった。
実直な主題とは裏腹にIt Ends with Usは派手な場外乱闘で話題になった。
主人公リリー役のライブリーが旦那のライアンレイノルズとともにライル役兼監督のバルドーニをセクハラでうったえた。バルドーニも否定してうったえ返した。
公開からしばらくこの争いに関する意見・論争がSNSとりわけtiktok上でさかんにおこなわれた。係争は長引いているが、ハリウッドナンバーワンのパワーカップルと気鋭の俳優兼監督の争いで、概してハリウッドサイドはライブリーとレイノルズに味方し、一般民衆はバルドーニ側についているという構図がみられる。
個人的憶測では産後でムラムラしていたライブリーがバルドーニをメイクアップトレーラーで一発やろうと誘ったんだけど乗ってこなかったので自尊心を傷つけられ、共同作業者兼夫兼おしどり夫婦印のライアンレイノルズとともに訴えた──という感じではないかと思う。ライブリーがバルドーニに送ったテキスト「トレーラーで搾乳中なの」も提出されている。アバンチュールしようって誘惑したのに結構ですと言われちゃゴシップガールも黙っちゃいられない。
撮影は2023年5月からはじまったが2023年2月にライブリーはレイノルズとの第4子を出産したばかりだった。この係争はキャリアが軌道に乗ったバルドーニにとって大きな痛手であり、ライブリーは魂胆ある人にちがいないが、とはいえ4人も子供産んでいる人なので責める気にならない。というわけでシンプリーフェイバーの新作が楽しみだ。
しかし連鎖を断ち切るというテーマなのに、なにしろねっとりした乳繰り合いが胃腸にもたれる。ダビデ像のような肉体美、且つ剃っても直ぐじょりじょりしそうな濃いバルドーニの顔立ち。あまりに小杉なので兄弟役にインド系とおぼしき人を充てているが、バルドーニはイタリア系とユダヤ人の両親をもつそうだ。そんなバルドーニもバルドーニで、産後でムラムラしているライブリーを誘惑し過ぎ。初対面からやりたいとか言うし、しつこいのなんの。結果じゅうぶんに一発やりたいという気にさせてしまっているので、セクハラでうったえたくなるライブリーの気持ちはわからない、でもなかった。
imdbは公開当初は7を超えていたと記憶しているが6.3に落ち着いている。RottenTomatoes54%と89%。
そんなに単純なことではないが、往往にしてパートナーとなる人物が暴力的かどうか解らないことによってDVがおこるので、暴力的性向をもっているか・いないか確認できるアプリを開発したら有用で実益もあるように思う。いくつかの質問などで、自分や相手にそれがわかる仕組みのアプリができないものだろうか。精度を上げ、アプリ使用を拒むことが暴力的性向の持ち主であることの証左になるような。
勇気ある決断
夫ライアン・レイノルズは今ノリにノッてるが、妻ブレイク・ライヴリーもすこぶる順調。本作も全米や世界中でヒット。日本では全く話題にならなかったけど。
間違いなくライヴリーに新たな代表作が一つ加わったが、問題が。
監督兼ライル役のジャスティン・バルドーニとの作品内容や描写を巡っての意見対立や不仲。それがまるで劇中の関係を揶揄してるようで皮肉。
また、ライヴリー自身も本作の全米プレミアでの場違いな宣伝で大批判。
これらかなり波紋を呼び、今も尾を引いてるとか。
作品そのものやヒットよりそちらの方がゴシップ的にクローズアップされたのが不憫。
だって、ただそれだけになるには惜しい作品。
ヒロインが自身の夢を叶え、イケメンと出会って、幸せに…だけだったら中身の無い作品だったであろう。
ラブストーリーではあるが、あるシリアスな題材がドラマに重みを落とし、それがヒロインの決断と新たな一歩として、思ってた以上に見応えあるヒューマンドラマにもなっていた。
開幕、父親が亡くなり帰郷したリリー。
父は娘を愛していた事から、母から弔辞を頼まれる。パパの好きな所を5つ挙げて。
葬儀。弔辞を読む時が来た。
が、父親の好きな所5つを挙げられない。メモも白紙。
リリーは場を去る。
何て薄情な娘!…と最初は思ったが、見ていく内に納得した。
リリーも娘として父を愛してはいただろう。
が、どうしても好きな所を挙げられなかった。
何故なら、父は暴力を振るっていた。
リリーに対しては振るった事無かったが、母はよく殴られ…。
昔付き合ってた彼氏は半殺しに…。
それがリリーの心のトラウマに。
絶対に母と同じにはならない。絶対に暴力を振るう男と恋に落ちたりしない。
…筈だったのに。
リリーの前に現れたのは、トラウマとは真逆。
医師のライル。イケメンで、セクシーマッチョで、お金持ちで、何より性格も情熱的で優しい。
初めて会った時はたまたま偶然。この時から互いに惹かれ合う。
夢だった花屋を開く為に奮闘。空き店舗を片付けていたら、前の店の古い求人広告を勘違いして見て、一人の女性がやって来る。
アリッサ。すぐ仲良くなり、友達兼従業員に。出会ったその日から。
アリッサは既婚者で、店の片付けを手伝わせる為夫を呼ぶ。陽気な夫。
それと、夫と一緒にいた兄も。その兄が何と…!
ライル。
何ともベタでチープな再会だが、これはもう運命では…?
初めて会った時燃えた想いが再燃。正式に付き合うように。
アリッサは当初は反対。親友と兄が付き合うなんて…って訳じゃないようだ。兄の性格を知っているから。
が、二人の情熱的な恋は心配に及ばず。深く深く愛し合う。
晴れて店もオープン。
何もかも順風満帆。幸せの絶頂。
そんな時…。
ライルが料理を。沸騰したお湯に慌て、皿を落として手を切ってしまう。
駆け寄るリリー。
この時ライルは取り乱していたのか、つい手がリリーを殴打…。
これは単なるアクシデント。そう自分に言い聞かせた。
母親が訪ねて来る。ライルの紹介も兼ねて、レストランでディナー。
そこで再会する。
初恋の相手、アトラス。このレストランのオーナー。
立派に成長していた。
だって、アトラスは…。
現在のリリーと並行交錯しながら、10代のリリーのドラマも展開。
母に暴力を振るう父に重圧を感じていたリリー。
そんな時、向かいの空き家でこっそり暮らすアトラスを見掛ける。
家庭の問題で家出中のアトラス。空き家に住み、ホームレスのような暮らしのアトラスを、学校中は変人扱い。
同じく家庭の問題を抱えるリリーはアトラスにシンパシー。
彼にこっそり食べ物を届けたりして、親密になる。
リリーにとっては初恋。鎖骨部分にハートを彫ったりして、その想いを心身に刻む。
が、関係が父にバレ…。
父に半殺しされた彼氏というのが、アトラスだった…。
アトラスとはそれっきりだったが、まさかの再会。
あの時の想いが甦る…。
が、二人だけの秘密と過去。
やがてアリッサが出産。その幸せに突き動かされて、ライルがプロポーズ。
二人は結婚する。
これまで以上に君を愛し、大切にするとライル。その想いは激しい。
皆集ってのディナー。偶然にもアトラスのレストラン。
トイレに行くフリしてアトラスと話していた所を…、ライルが目撃してしまう。
アトラスがリリーの初恋の相手だと知っていた。二人の関係を疑い、激昂。
気性が荒いライルをアトラスは警戒する。
会った途端に衝突したかのように、取っ組み合い。
制止に入るリリー。勘違いや誤解。一応夫の肩を持つが…。
店を出たライルが強く迫る。
二度と奴と会わないと約束しろ。
ライルはリリーのほんの少しでも気持ちが自分から別の誰かに行く事が許せない。
初恋の相手の話、その時鎖骨部分に彫ったハートさえも。
ライルとの約束を守って会わないでいたが、ある日アトラスの方から店に会いに来た。謝罪。
しかし、その事もライルにバレてしまう。
ある嬉しい事がきっかけだったが、それを使って強要するライルに戦慄…。
リリーの愛を確かめる為、求める為、執拗に身体を迫る。
リリーは激しく抵抗。逃げ出す。
階段で揉み合い、リリーは足を滑らせて…。
命に別状無かったが、その時の事を思い出す。
足を滑らせたんじゃない。ライルが突き落とした…。
リリーは家を出る。アトラスの元に身を寄せる。
リリーを気遣うアトラス。かつてリリーが自分にそうしてくれたように。
初めて会った時、アトラスは自殺を考えていた。
そこを救ってくれたのがリリー。
今度は自分がリリーを支える番。
そんなリリーのお腹の中に…。ライルとの子供。妊娠していた。
ライルとは距離を置いた。暫く会わないでいた。
働きながら、お腹の中で子供が成長しながら。一人で。
でも、さすがに妊婦一人では困る時がある。
そこで助力として呼んだのは…、まさかのライル。ライルも自分にも否があると認めたのか、おとなしくなっていた。
復縁を切り出す。はっきりとした返答を出来ないままのリリー。
ある時アリッサから言われる。妹として兄を許して欲しいけど、親友としてまたあなたが兄の元に戻ったら絶交する。アリッサ、いい奴!
ある時アトラスから言われる。君がまた人を愛せるようになるまで、俺は待ってる。
やがてリリーは出産。可愛い可愛い愛おしい愛おしい娘。
父ライルにも合わせる。
と同時に、ある決断を…。
ブレイク・ライヴリーが美しさ、強さ、弱さ、複雑な内面と悲しみを体現した好演。
アリッサ役とアトラス役も好助演。ジャスティン・バルドーニもセクシーさと危うさを魅せるが、監督としての才がなかなか。
メロドラマになりそうな題材を、情感と繊細さたっぷりに。ナチュラルに物語に引き込まれた。
それだけに先述のゴシップは何だか残念だな…。
娘の名前は“エミー”に。この命名にライルは涙。
ライルとアリッサの亡き兄エマーソンから取った。
ライルとアリッサには兄がいたのだ。幼い頃に死んだ。その死の原因というのが…
子供の頃、兄エマーソンと西部劇ごっこをして遊んでいたライル。
父の部屋から銃を見つける。おもちゃだと思っていた。詳細は…言うまでもないだろう。
リリーもアトラスも悲しい過去を背負っているが、ライルもまたそうなのだ。
亡き兄の名前を継いだ娘を心から愛すると誓う。絶対に守る。その言葉に偽りは無いだろう。
娘の誕生をきっかけに、ライルも変われるかもしれない。
そんなライルにリリーは切り出す。離婚を。
拒否するライルだが、リリーのある質問がKOパンチ級のぐうの音も出ないほど。
エミーに彼氏が出来て、もしアクシデントで殴られたら…?
エミーが彼氏と揉み合って、もし足を滑らせ…いや、階段から突き落とされたら…?
エミーは拒んでいるのに、もし彼氏が執拗に強要してきたら…?
それでも大丈夫と言うエミーに、あなたは何て言う…?
答えは一つ。決まっている。親なら。
かなり辛辣かもしれない。ライルだって変われるかもしれない。
が、暴力を振るったのは事実。そんな夫の元で、自分はまだしも娘は幸せでいられるか…?
かつて自分がそうだったように。
母が父と別れなかった理由…。
父を愛してた事もあるが、別れを切り出す方が難しいから…。
今もそんな思いを抱く人は多く居よう。
その苦しみを作品は代弁。そしてエール。
タイトルが秀逸。
“ふたり”って誰と誰の事…?
リリーと、直に会って離婚を決めたライル…? ラスト、その後を匂わせるアトラス…?
ではない。
母、自分。何かの呪いか因果としか思えない暴力の連鎖。
その負を絶ち切る。終わらせる。私と娘で。
自己犠牲もほどほどに。
痛みと癒し。
わかり合える痛みと、慈しめる癒し。
主演監督のジャスティン・バルドーニを初めて観た。
ハンサムで、筋肉も素晴らしく、演出も音楽のセンスも最高である。
人には相性がある。
その人がいると何故か良くないことが起こる。
その逆もある。
僕個人、愛がDV(暴力・暴言)を生むとは思わない。
どちらかのDVがある時点で別れるべきだと考えている。
墓石に最愛の夫で父と刻んだその後にDV夫と付け加えるべきである。
愛がDVを生じるなんて、地獄の発想である。
別れるよりDV夫に耐えたほうが楽。
その被害は娘のトラウマや被害妄想まで発展する。
良いことにはならない、そんなことは愛ではない。
(アメリカ人が好きな自己犠牲は違う方向をみている時がある。)
ブレイク・ライブリーは純粋なキャラクターを、そのまま演じられる、これからも期待したい女優である。
必ずしも爽快ではないかも知れないが希望は感じられる
悲しみの連鎖を断ち切るための勇気‼️
印象に残る映画でした。
美しい映像と背景に流れる心地良い音楽、
そして美しいブレイク・ライブリー。
砂糖菓子のようにお砂糖でコーティングされているのですが、
問いかけるテーマは重く現代的です。
例えば、ロマンティックな女の子の夢を叶える要素。
主人公のリリー・ブルーム(ライブリー)は、
女の子の憧れる職業の一つである。
★お花やさんのオーナー。
そして、結婚相手は、
★高級マンションの高層階に住む
★ペントハウスの住人、でしかも
★リッチな脳神経外科医。
★しかも、セクシー、
しかしリリーは夫のライル(監督兼主演したジャスティン・バルドーニ)
から暴力を振るわれるのです。
この映画は、主人公が過去のトラウマ、そして
現在の配偶者からの暴力を乗り越えて、
新しい生き方を見つける《強い女性》として成長する物語。
私はリリーの母親の生き方と言葉が突き刺さりました。
母親も夫(メイン州の小さなまちの市長をしていたお金も地位も
権力も持つ男性だった)
母親もまた、夫から殴られる生活を続けていた。
母親はリリーから、“どうして離婚しなかったの?“と聞かれ、
“離婚する方が大変だった“
“彼を愛していた“
こう答えます。
リリーもまた、ライルを“愛していた“のです。
暴力の痛みは肉体だけでなく、
精神の痛みを伴うのです。
そしてプライドが傷つく‼️
“夫から暴力を受けてそれに甘んじている情けない自分“
それは知的で自活するな女性には受け入れ難いでしょう。
《リリーのトラウマとなった事例》
①母親への父親の暴力を見て、何も出来なかった自分。
②ハイスクールの時に恋人だったアトラスのこと、
アトラスもまた、暴力を振るう男とばかり付き合う母親の愛人から
虐待を受けて、バラック小屋にホームレス同然で、生きていた。
③父親はアトラスと交際する娘を見て逆上して、半殺しにする。
…………血だらけで救急車に乗るアトラスが痛々しい…………
★母親への暴力そしてアトラスへの暴力のトラウマから、
父親の葬儀の弔辞で、
【父親を好きな事】が、一言もいえずに、退場する・・・リリー。
ファースト・シーンの意味が、徐々に分かる脚本は上手いと思います。
そして《暴力を振るう夫ライル》のトラウマ。
リリーとライルが初めて出会うライルの住むマンションの屋上の会話、
そこでライルは既に自分のこととは言わずに、
過去を告白しているのです。
6歳の弟が兄のエマーソンを拳銃で撃ち殺した。
その弟がライルで、
“その子は一生涯、後悔するだろうな“
と、呟いている。
ライルも哀しい十字架を背負った男です。
そしてラストのリリーがライルに問いかけた言葉、
もしエミー(2人の生まれたばかりの娘・・・エマーソン)が、
大きくなってボーイフレンドから暴力を受けたら、あなたはなんと答える?
“すぐに別れろ‼️“
“2度と会うな‼️”
そう答えたライルは、リリーの離婚の提案を受け入れるしかなかった。
♣︎♣︎♣︎
アメリカは家庭に中で自宅に銃を所有しているのは45%以上で、
銃の事故の半数は自宅で起こり、子供がその殆どの被害者である、
との統計があります。
★★☆
日本でも女性の4人に1人、男性の5人に1人は、配偶者からの暴力を
受けたことがある。
コリーン・フーヴァーの原作は1000万部のベストセラー。
夫からのDVも銃の事故もそれだけ身近に感じられる
タイムリーな映画で、だから大ヒットしたのでしょう。
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