ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
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全てのマンネリ夫婦に捧げる最高のラブストーリー
今一番面白い脚本家・坂元裕二と今をときめく監督・塚原あゆ子が初タッグを組んだオリジナル恋愛映画。これは絶対面白いだろうと、期待して映画館に足を運んでも、決して裏切られることのない安心感。素敵なMOVIX DAYを過ごすことができます☺️
驚くべきは、若い頃の松たか子さんの透明感。松村北斗くんとの年齢差18歳を全く感じさせません。誰がどう観てもお似合いの夫婦に見えるのが素晴らしい。そしてさすがヤマザキ春のパン祭りを四半世紀にわたり請け負ってきた松たか子さん!朝はパンがお似合いなんです♪
元ジャニーズには、二宮和也さんや岡田准一くんなど、俳優として頭角を表すアイドルグループの方が沢山いますが、今を代表するアイドルグループでまさに俳優として頭角を表しているのが、SixTONESの松村北斗くん。昨年の映画「夜明けのすべて」では、数々の賞を受賞しており今後ますますの活躍が期待されています。彼は作品にも、共演者にもいつも恵まれている気がします。
そして何より、作品として完成度が高いのは、松たか子さんと松村北斗くんの圧倒的ナチュラルな演技力によるものでしょう。いい意味で、顔も演技も個が立ちすぎていないので、観る側はすんなり物語に集中できるのです。ストーリーは、これまでの坂元ワールドを打ち破るタイムスリップ系?!これを不快と思う方は、評価は若干低いかもしれませんが、私は素直に面白かったです。
どんな夫婦でも思い返せば、
好きで一緒になったハズ。
「恋愛」は、いいとこ探しで
「結婚」は、嫌なとこ探しなんて
そんな寂しいことは言わないで
もう一度思い出そう!あの頃を🙄
全てのマンネリ夫婦に捧ぐ
最高のラブストーリーの爆誕です♪
鑑賞後久しぶりに旦那と手を繋いで帰った
結婚して⚫︎年、付き合い当初のトキメキや、お互い良いところしか見えなかったあの頃はとっくに終わった。そんな夫婦に特にオススメしたい。刺さると思うし自分ごとのように思って見れると思う。
私は正直恋愛映画が得意ではなく、キュンよりも照れくさいが先にきてしまい、基本ゆるい涙腺も、恋愛シーンになると固く絞まってしまう。
なので『花束みたい〜』はあまり刺さらなかった。
けれど今作は違った。純粋な自分が久しぶりにムクっと起き上がったみたいにキュンとして、感動して、最後は泣いてしまった。素直に2人が素敵だなと思った。そして夫婦生活の初心に戻れた。
これは脚本やカメラワークだけではなく、松たか子さんと松村北斗くんの演技の力も大きいと思う。
見る前は多少歳の差の違和感とか無理感を感じるかなと思ったらとんでもない。もしこれが別の人が演じていたら、カンナは若作りイタいおばさんになっていたかもしれないし、駈は少女漫画実写化歳下男子になっていたかもしれない。
けれど2人のとても自然体で、感情を滲ませるような演技がめちゃくちゃ良かった。
ビジュアル面でも、20代の肌艶編集加わった松たか子さんは、昔のドラマの頃のようでめちゃくちゃ綺麗だったし、40代の松村北斗くんのメイクも自然で驚いた。
台詞回しは坂元節はありつつも『カルテット』や『大豆田とわ子』よりはマイルドで、ロマンチック度が上がった感じ。好きな人はコレコレーってなるやつ。
またもう一度見たくなる、素敵な夫婦再生物語でした。
そいつ、おばちゃんのこと、好きなんだよ
日本映画界のヒットメイカー、といつの間にか言われるようになった塚原あゆ子監督。正直、「わたしの幸せの結婚」(’23)とドラマ「海に眠るダイヤモンド」しか観ていないが、TVドラマの経歴は長い。「わたしの」「海に」を観る限りは、主人公を際立たせる、という最大の要求をきっちりこなしつつ、世界観のバランスを崩さない、という、結構難しいことをこなす方だな、という印象。
だがちょっと悪く言うと、演出の強弱が見る側にあまり感じることがなく、ストーリーの弱い部分は補えず、観る側におっと思わせるストーリー展開であっても、決めどころがさらっとしすぎるため、どこかもやもやが残る、カタルシスを得るところまでには到達せず、キャラと演者の力のおかげで、面白かったね、という作品が続いている印象。力業でねじ伏せる、強弱でインパクトを与える、という点が1本の映画では必要だが、話が途切れ、視聴者側にリセットがかかる「ドラマ」はそれが必要ない。そういうことだ。
もちろん、キャラと演者で映画は成り立つ、を持論とする名監督もいるわけで、そこから先はある意味ないものねだりや、好みの問題だ。
そこにかつて「トレンディ・ドラマ」で名を馳せた坂元裕二の脚本とのタッグ。オレは「花束みたいな恋をした」(’21)はあんまりかってなくて、近年の「怪物」(’23)は観ていない。そもそも塚原監督は今や名脚本家と言われる野木亜希子氏とともにキャリアを築いてきた人だ。
なので、塚原さんと坂元さんの初タッグという話題性には特に惹かれることはないのだが、本作を初日に鑑賞したには訳がある。
タイムリープ。
これです。現在の日本の映画界最高峰とされる、スタッフ、キャストでのこの題材。「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(’14)がこの題材の最高峰としているメンドクサイおっさんが本作を鑑賞。
「ファーストキス 1ST KISS 」
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タイムスリップする方法や帰ってくる方法は、まあ、いいです。気にしては本作、その時点で楽しめなくなる。
問題なのは、同じ時間にしか帰れない、そうではない、が結構あやふやで、「何度やっても失敗する」という悲壮感が薄すぎる。「最愛」の旦那を絶対に死なせない、という理由ではないので、危機感はどうでもいいことではあるが、終盤の写真の枚数の積み重ねがただの枚数でしかなくなる。(積み重ねを写真で、というのは上手いんですけどね。)
また、積み重ねはおばちゃんの方であり、若い旦那は「いつだって」初めてなのに、話の展開が積み重ねあっての心情の変化に見えるのも強引。ただし、演者の松村さんはそのことが分かっているかのようで、いつだって「初めて」の演技をしているのは素晴らしい。
しかし、いろいろ欲張っているものの、ストーリーの緩さと演出の強弱がないため、なんだが、「あえて」中途半端な形で終わらせようとしている感がある。完成までに時間がなかったのか、という風には思える。それともタイムスリップものに腰が引けたのかな。
腰が引けた感は、偶然靴下にくっついたポストイットで終わらせにかかるところなんかもそうだね。
なんだか、演者の力と、坂元脚本の「例の」会話のやり取りで作品できました!ってな風にみえすぎちゃって、今回特にセリフに押しつけがましさが目立ち、見どころである会話劇もオレはノれなかった。
ひねくれたおっさんはやっぱり観てはだめだな。
予告では、おばちゃんが、死んだ旦那の若いころの時代にタイムスリップし、死なないように手を打つが、青年旦那におばちゃんのほうを好きになる、という、言うまでもなく「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の例の展開が想起される。
おばちゃんが若いイケメンの子に好かれる、というのはこれはこれで立派なネタだ。そして本作の話の原動力は間違いなくそこである。
だがおばちゃんと若いイケメンの子が結ばれる、という表立って熟年層のおばちゃんが「ムフフ」というような映画にできなかったのは、死んだ旦那の死因がああいったもののため。
松さんと松村さんの「1ST KISS」で満足できればいいが。
死んだ旦那の死因の設定がこの映画の最大の欠点。この死因でなければ、もっと面白くなったかと思うし、日常の尊さのテーマと旦那の決意が飛躍しすぎるので、正直その設定は不快だった。
松さんも、独り言がおおく(もちろん、孤独感、イタイ感もあるが、タイムスリップの説明をさせる言い訳でもある)なに、このおばさん?というウザイ役も素晴らしい。
だが、オレが一番面白かったのは、かき氷の並びのところで、後ろの人に「そいつはおばちゃんのこと、好きなんだよ」と「モブ」に言わせる点。ここ最高だった。
追記
stではなくて、STなんだね。ST(大文字)は「本当の初めて」ではないよ、という意味なのかもしれない。でもターゲット層にはシンプルにアピールしたいから、「本題」「副題」として、「1ST」を入れたのかな。
トータルとしては、ゆるい感はあるが、「ターゲット層へ向けた」という意味では非常に「欲張り」な作品になっており、結果、塚原あゆ子監督らしい「お客さんを呼べる」娯楽作品に仕上がっているのは、いい意味で、演者の力で作品を持たせた、ということできっちり仕事をこなした、という点で素晴らしかった。
追記2
全く余談。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」がいつも同じ時点にタイムリープするが、うまいのは、前任者がいて、理解、協力する存在、その人がうまく機能(美しい女性に主人公を殺させて、タイムリープしなおす)していた点。
そういう意味では、森七菜さんや吉岡里帆さんをそういう存在にしてもよかったんじゃないかな、と思ったが、主人公2人の「セカイ」だから、難しいところだ。
追記3
おっと、忘れていた、ヴィルヌーブの「メッセージ」(’16)。
冒頭に、それらしいナレーションはあり、本人はそれでいいかもしれないが。
タイムトラベルの掘り下げ不足を感じるも「会話劇で魅せる不思議なラブコメ映画」としては十分面白い。
本作は、会話劇が楽しく、ベースの完成度は高いと思います。ただ、会話がリアリティーを醸し出しているぶん、タイムトラベルという非常に「特異」な設定については受け止めが分かれるところ。個人的には以下の2点がマイナス要素に。
1点目は、松たか子が演じる妻は、とても論理的な人物として描かれていて作品の魅力を高めて良いと思います。
その一方で、「タイムトラベル」についての根本的な考察がほぼ抜けていた点は不自然に思えました。高速道路を走り、たまたま「15年前の2人が出会う直前の場所」にタイムトラベル。ただ、どうやって現代に戻るのか? 戻った際の時間はどのくらい過ぎているのか? 再びタイムトラベルできたら、いつのどの世界に移動できるのか?
このような初歩的な大前提について、せめて「東京リベンジャーズ」くらいの最低限の考察は劇中で欲しいところでした。
2点目は、妻が15年前の過去に何度も行き、松村北斗が演じる夫の将来に変化を与える設定は面白さを生んでいます。それなのに、終盤での夫は、2つの可能性のうちの「片方だけ」を前提にしていて、論理的に必然性が欠けているように思えました。
以上のような特異な設定に起因する不自然さも見られますが、「会話劇で魅せる不思議なラブコメ映画」と割り切って見れば、十分に面白い映画です。
いいお話
二人の会話劇
好きになったトキメキに還る旅
仕事と夫婦関係の折り合い。坂元裕二の脚本は、「花束みたいな恋をした」でもそうだが、そこを描く。
仕事だからしょうがない。忙しいからしょうがない。しょうがないから笑顔でいられない。
男の論理、すれ違い、そして別れ。
タイムスリップの世界。夫婦の関係を取り戻す話。そう決めつけるのは簡単だろう。
しかし、坂元ワールドは、よくあるストーリー仕立てに深い洞察を与える。
嫌いなところを見つけ合うのが結婚
結婚ってお互いが教習所で教官
あの日出会って好きになったことなれたこと、それが寂しさの正体
坂元ワールドの粋なトッピングで、何度もうなずく自分。
ここでいうタイムスリップとは、好きになったトキメキに還る旅なのかもしれない。
大豆田たか子感
松たか子やっぱり好きだ
いい意味で力感ないあのキャラはどこか大豆田とわ子に似てると思った。
そして大豆田とわ子以上に感情が動き現れるところが見れて、あのドラマファンだった自分には大満足。縁起の緩急にやられる
そして俳優さん存じ上げませんでしたが、恐竜の研究してる人ってこんな感じなんだろなっていうしっくり感。飾らないウブな20代の演技と、終盤のラブレターのナレーションでやられた。
周りぎゅうぎゅうに女性客に囲まれて1人で見てましたが、一番ズルズルと鼻水吸い上げながら涙を拭ってうるさかったであろう。
1日1日をもっと大切にしよう。妻をもっと労り普通の日常を噛み締めなきゃ。と思えた素晴らしい映画でした。
※強いていうと、もっと昔の2人を観たかった。やや無理矢理ですが一点マイナス。
25年11作目
タイムスリップで運命を変えようとする展開はよくある。 本作の場合、...
甘酸っぱい
切なくて泣ける
10月時点で今年1番好きな映画。
キャストがとてもよい、映像も美しい、面白くてかわいくて、切なくて泣ける。
元々ファンタジーは苦手だが、予告でタイムリープでやり直し、と認識したうえで観たのでその部分は気にせずに観た。あとちょいちょいくどめのエピソード詰め込みも感じたが、そこも気にせず。
とにかく松たか子さんがかわいらしく、ずっと手に汗握って応援してしまった。松村北斗さんも静かな演技でよかった。
映画を見終えて、今の家族を大切にしよう!と思いながら帰った。
この気持ちを思い出すために、また少し時間をおいて観たいと思う。
久々に聞かれてもいないのに人(最近お互い家族の愚痴を言い合った)に勧めたところ、号泣したと連絡が来た。やはりね。
15年の時空を超えた初恋を見た
<映画のことば>
「ごめんね。今からあなたと浮気してくる。」
駈(かける)と、15年間の時空の壁を経てファーストキスを交わしたときのカンナの表情を、評論子は忘れることができません。
まさに15年間の時空の隔たりを超えた、二度目の「初恋」というに相応しかった、彼女の、その表情からしても。
離婚を決意し、その戸籍届まで準備はしていても、カンナのどこかしらでは、まだまだ駈のどこかに未練は感じていた―。
そのことは、自らの意思で、過去の駈に会うための過去へのタイルスリップの「旅」に出かけたことからも、自明といえるでしょう。
そう受け取ってみると、彼女のその心根(真意)を言い表しているセリフとして、上掲の映画の言葉は、そのものズバリ、本作を通底するカンナの想いだったのだろうと、評論子は思いました。
前作『グランメゾン・パリ』というシリアス路線(?)に舵を切って、評論子的には残念な結果に終わっていた塚原あゆ子監督としては、得手のファンタジー路線に再び舵を切り直して、本作で本領を発揮(再発揮)したと評すべきと、評論子は思います。
けっきょくは、3年前に注文した人気の餃子をカンナ一人で受け取って、悪戦苦闘しながら焼いて食べたということは、彼女の「作戦」は、最終的には成功しなかったようですけれども。
それでもら一見すると荒唐無稽なファンタジーに見せかけながら、スクリーンからジリジリと伝わってくるようなお互いがお互いを想い会う温かな二人の関係性を鮮やかに浮き彫りにしたという点では、いかにも映画作品の表現法らしい、立派な佳作だったとも思います。
(追記)
駈が事故死する前にカンナが書いたのが「離婚届」。
彼が事故死したあとに書いたのが「死亡届」。
そして、彼と出会ってから最初に書いたのは「婚姻届」だったはず。
カンナと駈との人生の節目には、常に戸籍の届出がありました。
法務省のウェブサイトを見ると「戸籍制度は、日本国民の国籍とその親族的身分関係(夫婦、親子、兄弟姉妹等)を戸籍簿に登録し、これを公証する制度です」と、いかにもお役所らしい、無味乾燥な説明が書かれているのですけれども。
しかし、そういう戸籍簿の記載の、その「裏側」には、人が歩んできた人生の万感が秘められているようにも、評論子には思われます。
(追記)
「結果オーライ」という言葉があるとおり、このニッポンという国では、結果さえ良ければ、多少とも方法(やり方)の不味(まず)さは、多目に見てもらえる国のようです。
駈(かける)に有ること無いことを吹き込むことで、桃山銀座商店街にあるという「たかまつ精肉店」に対してカンナがした営業妨行為(民事的には不法行為、刑事的には偽計業務妨害)は、駈とカンナとの「結果オーライ」ということに免じて、不問になってしまっています。
ハッピーエンドに免じて「うるさいことは言うな」ということであれば、まったく「ニッポンの人」らしい解決法であり、評論子も、この話はここだけにして、「お口にチャック」を決め込みたいと思います。
(追記)
<映画のことば>
「恋愛感情と靴下の片方は、いつかはなくなります。」
「恋愛感情がなくなると、結婚生活に正しさが持ち込まれます。正しさは、離婚につながります。」
自身の結婚生活を振り返ってみても、なんとも、まったくを以て身に詰まされる箴言です。
こういうものも、「脚本の妙」と言えるのでしょうか。
評論子には(にも?)、まったくを以て耳に痛い脚本でもあります。
(追記)
カンナを演じた松たか子の演技。
物怖(お)じしない、さっぱりとしたカンナ性格を、彼女は演じきっていたとも思います。
「適材適所」とは、当(まさ)に、このことなのかも知れません。
松たか子に惚れ直す
坂元裕二ファンです。
ウィットに富んだ会話劇を楽しめたらいいな、くらいのつもりで来たら、ラストの展開に涙させられ、じんわりといい余韻の中で帰ることができました。
●良かった点
-松たか子
カンナが魅力的なキャラクターだ、ということがこの映画に没入できた原動力になったと感じた。
間の抜けた愛くるしさと真っすぐな行動力をあわせ持つカンナの人間性を、松たか子の表情、特に黒目を大きく使う演技がより立体的なものにしていたと思った。犬にまみれるシーンはじめ、随所のコメディエンヌぶりもさえ渡っていた。
15年前のカンナもキレイだったし、若い頃の松たか子のビジュアルを思い出させて感慨深かった。
-最後の展開
この展開は予想がつかなかった。
数あるタイムトラベル映画の中でも見たことのない個性的なプロットで、かつそこにこの映画の最大のメッセージが詰まっていて、脚本を思いついたときは痛快だったろうなと思った。
-吉岡里帆
どちらかいうと王道よりも少しズレた感性の役柄がハマり役になる女優さんだと感じていたが、今回もカルテットに続き坂元裕二の描くズレた吉岡里帆はよかった。
●タイムトラベルの設定
特に気にならなかった。
初回の往復で細かな説明がなかった時点であまり深く考えないでいいんだなと感じたのと、メインプロットに引き込まれたのでそちらに注意がいくヒマがなく見終えられて、ラッキーだったかもしれない。
時を超える餃子と想い
会話劇の楽しさ反面、心が躍らない結末
夫婦で観たい作品
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