「倦怠期の夫婦は特に見てほしい」ファーストキス 1ST KISS きささんの映画レビュー(感想・評価)
倦怠期の夫婦は特に見てほしい
YouTubeで一場面を見て興味が湧いたので映画館に行ってみた。正直、松村北斗さんを知らなかったが。
夫が亡くなる前の倦怠期の結婚生活の描写は胸が痛くなった。カンナが後に2人をボールペンに例えていたがまさにそんな感じ。相手の存在を互いに意識しない。ただただそれぞれにそこに存在しているだけ。
ある日、離婚届を持って玄関を出たカケルは2度と帰らなかった。
離婚しようとしたカンナに愛は残っていないように見えたがそうではなかった。何度も何度も未来が変わるようにタイムスリップして15年前のカケルに会いに行く。一体何回かき氷屋に並ぶの?と思ったけどその緑の爽やかさと心を許した人に喋りまくるカンナがとても素敵なシーンなのだ。カケルは出会ったばかりのカンナと楽しそうにしている。恋ってこうなのよねと久しぶりにこちらもときめいてうれしさをもらった。
自分と結婚しなければ死なずに済んだと思いわざと冷たいセリフを浴びせるシーンでは胸が傷んだ。カケル、かわいそう。それもこれも何もかもカケルに生きていて欲しいからなのだ。
最後の2人がホテルのソファに座って話し合う夕日のシーンもとてもよかった。15年共に生活した夫にこれまでの不平不満をぶちまけるカンナ。カケルもそれを聞いて反省する。(まだやってもいないことを)その思いがカンナを大切にする結婚生活に繋がった。
人生が有限ならば、あの時こうしておけば良かったと死んでから思うだろうか。恋した相手なのに共に一生一緒にいたいと結婚した相手なのにいつしか互いにボールペンになってしまう。
忘れていた大切なことを思い出させてくれる映画だった。結婚している人は見たらとても共感できる映画だと思う。
未来が分かっていても最期に同じ選択をしたカケル。15年間のカンナとの生活を大事にしたカケル。
若かりし頃の松たか子さんのAIはすごかった。不気味なほどに。中年になったカケルも少し太って40代に見えた。技術の進化はすごい。そういう視点で見ても面白かった。
また何度も見る映画になると思う。よかった。