嗤う蟲のレビュー・感想・評価
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郷に入っては郷に従え
城定秀夫(監督、脚本)×内藤瑛亮(脚本)、そしてキャストについても好みの座組ということで鑑賞を決め、久しぶりに渋谷へ遠征です。ヒューマントラストシネマ渋谷、11時45分の回は思いのほか寂しい客入り。
憧れだった「#田舎暮らし」を始めた輝道(若葉竜也)と杏奈(深川麻衣)。引っ越して早々に遭う隣人、三橋夫妻(松浦祐也&片岡礼子)の様子はどこかおかしな雰囲気。そしてまた、挨拶回りに出ると空き家が多かったりと少々不安になりかけますが、村の中心人物である田久保(田口トモロヲ)に会ってようやく村の新しい住人と認められる二人。自治会や祭りに積極的に参加するなど、コミュニティに溶け込む努力をしていきますが、ちょいちょい村民たちから食らわされる「思わず唖然とする言動」や「度を越した詮索」に戸惑うことも。それでも「郷に入っては郷に従え」。徐々に信頼を重ね、ようやく田舎暮らしも軌道に乗るかと思いきや、、、
外と「一本の橋」でしか繋がらない閉鎖的な山間の村を舞台に、田舎ならではの「絶対的な権力構造」「その田舎だけの独自ルール」「詮索好きで、すぐに噂が広まる」などのネガティブ要素を極度にデフォルメさせ、さらには一歩間違えたら即ディストピアという環境。村民を演じるのは田口さんを筆頭に癖が強めな方が揃っていて、輪をかけて怪しく仕上がっています。
そんな村民たちに翻弄されつつも、絶対に自分を信じることを諦めない杏奈役の深川麻衣さん。私、この方のアイドル時代は全く存じ上げませんが、俳優転身後はコンスタントに映画に出演されていて、しかも主要キャストを演じられることが多い印象。最近の作品は追いつけていませんでしたが、今作の「壊れていく杏奈」の雰囲気はとても印象に残りました。
テーマや設定は、城定さん・内藤さんそれぞれの過去作『ビリーバーズ』、『ミスミソウ』などにも通じていますが、物語の展開にみるアイディアは斬新さもあり、特に終盤に起こる騒ぎからの作品の終わり方は「巧い」の一言に尽きます。とは言え、怖さや派手さは少々弱く、劇場鑑賞必至かと問われれば「否」かな。。悪くはないのですが、もう少しパンチが欲しかった印象です。惜しい。
キマっちゃう花火。
田舎暮らしに憧れ“麻宮村”へ移住することになったイラストレーターの長浜杏奈と脱サラした夫・上杉耀道の話。
挨拶周りで家からカマを構え出てきた男、後に分かるその村の自治会長・田久保、…“何か困ったことがあったらなんでも言ってください”が口癖の田久保と、子供はまだ?と聞いてくる田久保の妻と村の女性達だが…。
「嗤う蟲」ってタイトルが出る前からの怪しげなBGMとヤバイ村に入った的な雰囲気で掴みはOK!と思うものの、世界観、雰囲気、BGMと常に怪しさは漂っているけど…、何か事が起こらないっすね。
ストーリーが進めば怪しげな雰囲気は残っているものの、男達の三橋イジメ、絶対的リーダー田久保の目を見開いた顔が印象的!…で最終的には栽培と、何か違う方向の怪しさに行ってしまったものの作品としては飽きずに楽しめた。
深川麻衣さんってもっと活躍してもいいと思うし、若葉君さらに男前になりました?!
ホラーとは違う怖さ
予算過多な『LIFE!』
理想の田舎暮らしを求めて地方の村に移住した若い夫婦。ところがその村にはとんでもない秘密が…という、『ウィッカーマン』や『ミッドサマー』を思わせる田舎土着ホラー…というかハッキリ言うとコメディ。
とにかく動作やセリフの間とかが、NHK『LIFE!』で時々あるブラックコントに近いテイスト。予算をかけて撮った『LIFE!』とでも言おうか(といっても『LIFE!』はセットにかかる費用等を鑑みると、バラエティの中でも製作費はかなり高い方)。なんといっても、村の自治会長役の田口トモロヲのやりすぎ演技。近年では見られなくなった若い頃のトンガリぶりを思い出させたものの、本作では悪い意味でノイズに。制作陣はあれでも演技を抑えさせたらしいが、もっと制御すべき。
中盤以降からの、夫婦に対する村民達の冷ややかなリアクションなども杓子定規演技ばかりだったが、芸人の中山功太は俳優業でも十分イケる雰囲気を醸し出していた。もっとも、そういうキャスティングも含めて全体的にコントっぽいんだが…
『LIFE!』のキャストやスタッフでリメイクしたバージョンも観てみたい気がする。そっちの方が面白かったりして。
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