劇場公開日 2024年11月22日

海の沈黙のレビュー・感想・評価

全138件中、61~80件目を表示

4.0スルメのような味わい深い映画

2024年11月29日
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昔を思わせる世界観に圧倒された2時間だった

冒頭から映画の世界にぐんぐん引き込まれた。
こういう時代あったなと思いながら鑑賞した。

昔風なのにとっても現代的なダウンコートやスマホ、AIという現代を思わせる単語がたまに出て来たりして鑑賞しながら時代を行ったり来たりしている気分になった。

モッくんの渾身の演技が脚本に花を添えた。キョンキョンも陰のある役をしっとりと演じていた。

観終わった後は不思議な世界観だなと思うだけだったのだが、余韻が冷めてしばらくしてから少しずつ繋がりのようなものや脚本家が言いたい事が見えて来たような気がする。
もう一度観たらもっと分かるのだろう。

津山は孤独な芸術家かと思いきや番頭がいたり、漁師やバーのメンツが病院や廃屋に駆けつけるシーンも。
ロシアンバーでバラライカ弾いていた外国人まで駆けつけていて、津山と一体どんな関わりがあるんだろうと想像。

主人公とスイケンや漁師、バーの仲間との繋がりが気になる。

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Rumi

4.0邦画らしい邦画

2024年11月29日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

名優揃いで言葉のいらない演技力で
複雑な感情がひしひしと伝わってきました
重厚感のある素晴らしい作品でした
ただ あざみ役は必要だったのかな??と感じました 女性は安奈(小泉今日子)と牡丹(清水美砂)の2人でよかったのでは津山竜次(モックン)には色系演出無しだと嬉しかったかな~

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たっち

5.0海の沈黙

2024年11月28日
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鑑賞方法:映画館

演技がどの方も素晴らしく、特に本木雅弘さん中井貴一さん清水美砂さんが素敵でした。幼い頃の記憶を思い海から炎を見つめるシーンは圧巻、感動し泣いてしまいました。倉本さんの作品の登場人物は演技を超えた「リアリティ」を持つから、本当に不思議です。描く人間の魂とは何か、それを追求する心こそが清らかな美、その中にも倉本さん作者本人の魂の美しさを感じました。
美は美であり何者でも無い。
表現する事の自由さや素晴らしさを忘れ、評価や価値ばかりを追ってしまう人間の悲しさ、本当とは本来の芸術の価値とは何か、作者が問いたい事はそこではなかったのかとも思いました。私の故郷の日本海が美しく映えまた、ラストに差し掛かるナレーションでのセリフが、一篇の詩に聞こえて言葉すら美しいです。
あざみを演じた菅野恵さんに現代的な魅力を感じました。
本木雅弘さんが最後キャンバスに向かうシーンはコンテンポラリーダンスの様に優雅です。
倉本聰先生、最後の映画等と仰らずに、また期待しています。

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さいゆ

3.0期待度○鑑賞後の満足度△ 令和の世に突然現れた昭和の亡霊みたいな映画。若い子はオジサンオバサンばかり出てくる映画だなと思いながら観てんだろうなと思いながら観てましたオジサンは。

2024年11月28日
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鑑賞方法:映画館

①「今ごろ倉本聰でもないだろう」と最初は全く食指は動かず。
『やすらぎの刻』は配信で全話観ましたよ。でもそれは倉本聰作だからというより、自分の年齢からして、若い子達がひとつ屋根の下でワイワイしているドラマより老人ホームの話の方が最早身近に感じるのと、かつての銀幕のスター達ばかりが入居している老人ホームという設定が面白いと思ったから。
結局は庶民の感覚とは離れたユートピアの話で、かつて実生活で結婚していた浅丘ルリ子と恋人だった加賀まりこの間で右往左往する石坂浩二の姿が面白いだけのドラマでしたわ。

それなのに本作を観る気になったのはひとえに清水美沙が出ていると知ったから。
若い頃からこの子(といっても9歳差ですが)日本映画界の中でもっと大きな存在になるだろうなと期待していたのに、残念ながらそうはなりませんでしたね(アンジェラ・バセットと同じく)。あまり欲がなかったのかしら。
でも本作でも唯一異彩を放っていたし。歳よりも若く見えていたし裸体シーンもおそらくダブルではないと思うんだけど。
でも女性像自体は古くさい。『クライング・フリーマン』か?

②最後にあんな分かりきった(まあ陳腐な)台詞を聴かされる為に2時間付き合ったと思ったらやや脱力。
あそこは台詞ではなく“画”で観せるべきだろう。
それに鬼才で孤高の画家であれば、あの台詞は彼に言わすべきてはなかったと思う。既に同じ趣旨のことを先に中井貴一が言ってるわけだし、まだ通俗的な世界と関わりのある第三者に言わせるべきであった。
彼はもう既にああいう事を言うレベルは越えている筈だから、逆にああいう事を心の声とは云え言わせると彼をそのレペルまで落とすことになってしまう。

④大学の同級生という無理繰りな設定の為、不自然さ丸出しに若作りした石坂浩二、老けメイクの本木雅弘、年齢不詳の中村トオル、の三人に、フィクサーぶりがあまり板についていない中井貴一、キョンキョンの二重アゴに気を取られて話に身が入らなかった(入るような話でもなかったけど)。

⑤俯瞰と室内シーンばかりでもっと“画”としての映画にして欲しかったけれども(同じ画家が出てくる映画として『燃える女の肖像』みたいに)、大「脚本家」倉本聰の脚本だから忖度して台詞中心にしたのかしら。

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もーさん

4.5邦画はワチャワチャして嫌いだったけど、これは過不足なく美しく落ち着いた大人の映画

2024年11月28日
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鑑賞方法:映画館

一番思ったのは脚本が良いのだろうな!ということ。絵もカット割りも運びも、説明臭くなくきれい。引き込まれる。
そして大袈裟な表現がほとんどない。それぞれの役の内面が言葉にされなくても十分に伝わってきた。石坂浩二を大御所に持ってきたのは大正解。本木雅弘が海にもぐって浜の焚き火を見つめるシーンが印象に残った。
私も美術鑑賞は好きだが、人の評価は気にしないで見る。自分が好きか嫌いかだけ。町のギャラリーにフラリと入って見ることもある。だから倉本聰氏の言わんとすることに賛成。

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たこ姫

3.5美しいものは記憶として心に刻む

2024年11月28日
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鑑賞方法:映画館

難しい

■サマリー

世界的な画家・田村の展覧会で作品のひとつが贋作だと判明する事件が発生。
事件の報道が加熱する中、北海道・小樽で女性の死体が発見される。
このふたつの事件をつなぐ存在として浮かび上がったのが、天才画家と称されながら、
ある事件をきっかけに人びとの前から姿を消した、津山竜次。
かつての竜次の恋人で、現在は田村の妻である安奈は小樽へ向かい、
二度と会うことはないと思っていた竜次と再会を果たすが…

■レビュー

まあ、豪華キャスト。それにつられての鑑賞。

どんなストーリーなのかな、と思ったが、最初はミステリー。
贋作、その作者は?と・・・

主役である竜次、絵を描いているシーンはあれど、顔や姿が見えるのは
半分ぐらい過ぎてから?1時間ほど経過してから登場。
役とはいえ、あまりの痩身にびっくり。でもかっこいいわ~。

そして、その痩身ぶりが、冒頭の安奈に対し占い師が語るシーンとリンク。
なるほど。。。

それにしても画家が女性の身体全身に刺青を彫ったり、ありえんわー笑
さらにはインターポールにマークされちゃっているし。

その竜次を先生とよび、リスペクトする謎のスイケンさん、
意味不明な高飛車態度で、田村氏に圧!!笑

豪華キャストだけに演技はすごいんだけど、
結局のところ、わかったような、わからんような・・・

主人公の竜次はモッくん、いつまでカッコいいんだ、この人
画家として狂気じみた、創作活動の姿、すごいわ

安奈はキョンキョン、今年は碁盤斬りや室井さんで見ていたけど、
やっぱりキョンキョンだな、かわいい

影のMVPはやはりスイケン、中井貴一さん、重厚すぎ

ほかにも田村役の石坂浩二さん、美術鑑定の仲村トオルさん、
刺青カタログとなった清水美沙さんなど、すごかった。
萩原聖人さん、久しぶりで、一瞬誰?となった汗

それにしても、津山竜次という名前、どうしてもロバーツの・・・

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あさやん

3.5何となく違和感

2024年11月28日
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結構面白かったです。
ただ、石坂浩二、中井貴一、モックンの現実の年齢と、役の関係が合ってないような気がして。世代が全然違うこの3人の関係が何となく。中井貴一がモックンのことを先生と呼ぶのが違和感があって、最後まで気になってました。
登場する油絵は印象に残っている。特に、最後のかがり火の絵は赤色が印象的で、家に飾りたいと思いました。

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koji

3.0倉本聰の世界を期待したが・・・

2024年11月27日
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寝られる

“北の国から”はTVドラマの生涯ベストランキング、“駅STATION”は邦画生涯ベストランキングに入っている俺なので、倉本聰最後の作品になるかも知れない本作は見逃すわけには行かなかった。

【物語】
あるとき田村修三(石坂浩二)ら日本有数の画家の絵を一堂に集めた展覧会が東京で開かれる。オープニングセレモニーには田村修三本人も妻安奈(小泉今日子)と共に招かれるが、展示されている彼の作品のうち一枚が贋作であることに気付き、公表する。

贋作に関わる報道が加熱する中、北海道・小樽で女性の死体が発見される。やがて二つの事件の間に、かつて天才画家ともてはやされるも、ある事件を機に表舞台から姿を消した津山竜次(本木雅弘)が浮上する。かつて恋人だった田村の妻安奈は小樽を訪れ、二度と会うことはないと思っていた竜次と再会する。

【感想】
結構意気込んで観たものの、実はまたしても前半ウトウトしてしまった。 それでも序盤と終盤は観られたのでストーリーは概ね分かった、・・・ つもり。
なのだが、イマイチ面白いとは言えなかった。

演技・映像・音楽・演出、どれも悪くなく作品としての重厚感、別の言い方をすれば雰囲気はあったけれど。倉本聰ならではストーリー不発だったように思う。 見逃した部分があるのは確かなので、やたらなことは言えないが(笑)

随分久しぶりに観た元木はなかなかの熱演で悪くないので、ファンならそれを観る価値はあるけれど。

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泣き虫オヤジ

4.0もっくん

2024年11月27日
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なんとも不思議な作品。静かだが、激しさを感じるストーリー展開。もっくんの鬼気迫る演技は、見もの。歳を重ねても、カッコいい。

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DnaH

4.5数日経っても余韻が残るから良い映画だと思う

2024年11月27日
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悲しい

幸せ

セリフも説明も少なく、俳優の表現力にのみ語らせてあとは観客の理解力と想像力に丸投げする映画です。
若くてわかりやすい文芸作品や娯楽映画を楽しむ人にはまったく面白くないと思います。おそらく若者でこの映画に良い評価をつける人はいないのではないか、そもそもキャスト的に見に行かないだろう。

しかし、ある程度人生経験が深まり、人生の終わりを時折意識するようになった人々にとっては、若き青春の日々を共にした俳優らとともに、忘れかけてた傷となって残る人生の後悔ややり残した詫び、悔い、それでも時を経て美しく塗られかけたその思い出全てそのままを同時に受け入れて映像とどこか重なる自分自身の人生のやり残しに思いを馳せる映画表現になっていて、つまらないと思う人はいないのではないかと思わされます。最後まで見てしまうだけのよい緊張感もあるし。

映画としては十分に完成されてるけど評価は分かれるとも思います。倉本聰ならもっと笑える要素を必ず入れてくるはずなのに、これはそうではない。その点、これは倉本聰に私物化された脚本なのかなと思います。彼にとってもやり残した思い残した何かがここに反映されていることは容易に想像できるし、ライターの書くなにかにそう書いてあるし。だが、その文面通りとは限らないさらに何かがあるんだろうなと思いますね。

役者はよかった。高倉健の晩年の映画のように、ほんのわずかなしわやまぶたや口の動きに、肩や足や腕の動作に言葉ではないもっと直接的な複雑な情緒を感じさせます。熟練でもあり、脚本の結果でもあり視聴者の想像力でもあり、それらの合作としての素晴らしさ。ただ一人若い彼女の肌は5歳で触れたい、25歳で触れたい、55歳でもしも若返るならもう一度触れてみたい肌だった。

若者ウケはしないだろうなと思いながら見て、終わりまで見てやはり若者には受けないなと思いながら、3日たってもどこか余韻が残ります。わかりやすく面白いわけじゃなかった。でも残るのだからこれは本物なんだろう。すでにもう一度みてみたい気持ちになっています。

ただ神は細部に宿る。1箇所だけ細部に手抜きがあったから星は削ります。たった1箇所の作り込みの甘さが映像美術への没入を阻害し、現実に引き戻す。あれがなければ緻密に完成された作品として記憶に残せたのに。

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takkong

5.0まさに陰と陽だ。竜次の絵に対する執念が凄かった

2024年11月27日
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泣ける

悲しい

同じ画家でも脚光を浴びる者と日の目を見ない者の人生を描いた話でした。
話としては複雑ではないのですが、お金ではかることのできない竜次の生きざまと絵に魂を感じ、胸が揺さぶられる思いでした。
素直に感動する映画です。
モッくんもキョンキョンも芝居に深みが出てきたように思います。

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ゆきとう

3.0皆んな年とったなぁ…

2024年11月27日
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悲しい

知的

難しい

小説にせよ、映画にせよ、若かりし日々に夢中になった巨匠達が未だお元気で新作を発表されるのは嬉しいのですが、いずれも同窓会的雰囲気以上のものを感じ取れない気がします。
自分の感性が鈍ってしまったのか。
巨匠たちの気迫が衰えてしまったのか。
分かりませんが、膨らんだ期待に肩透かしを喰らって寂しい思いをすることが続いています。

本作も錚々たる俳優陣の熱演にも関わらす、コレだ!という心に響くものが感じられませんでした。
美に生涯を捧げた画家の葛藤と愛憎。
本木雅弘の鬼気迫る熱演は見事でしたが…
う〜ん。
北の国から世代の方には。懐かしさを味わえるという意味ではおすすめです。

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さとうきび

3.5新しい映画

2024年11月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

萌える

に慣れきった身にはオープニングから古臭い感触で、物語が動き出す迄大分かかったな・・エンディング迄は駆け足になっちゃったな・・と思いましたが、全編骨太!の雰囲気で押しきったのは凄かった。
中井貴一とアザミ、イヌも良かった。喪服の小泉今日子もう妖艶そのもの。

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トミー

4.0美しいものは美しい

2024年11月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

朝一番の回を見たもんだから映画館を出たら外はまだまだ明るくて、映画とのギャップにすごく違和感を感じてしまった。暗くて淡々とした間の多い作りだけど、全編昭和らしい雰囲気漂う哀愁深い映画だった。
久々のモッくん。実は映画館でお目にかかるのは初めてでして。8年振りの映画らしい。頬はこけ、髪も白く染った老け姿なのに、やっぱりカッコよくて見入ってしまう。この美しさで58歳。はぁー、すごい。小泉今日子、仲村トオルと同級生なんですね。渋さと色気。見せ方も見事でした。

ほとんどの人はモッくん目当てで見に来てると思うけど、そんな人は自分含めまんまと監督の手のひらの上で転がされてしまう。なかなか登場しない主人公にもどかしさを感じながらも、ようやく顔が映った時はもう惚れ惚れ。観客の心を分かってますね。小泉今日子や中井貴一と比べると出演シーンはかなり少ないが、流石の色気と憑依したような芝地に見とれてしまう。
それぞれこれまでのキャリアでいちばん多く演じてきたと思われるキャラクター像で、安定感が凄まじいし、複数人が絡んでるだけで楽しかった。仲村トオル、石坂浩二、中井貴一が一同に集まって会話を広げる。絵が既に面白くてテンション上がっちゃう。石坂浩二、最近こんな役ばっかりだな笑

「ブルーピリオド」「まる」と言ったように、最近は芸術をテーマに置く邦画がかなり多いけど、その中でも本作はラブストーリーを主軸にしつつ、芸術の価値に疑問符を浮かべるとてもメッセージ性の強い作品だった。展覧会で発覚した有名画家の1枚の贋作から浮き上がる、かつては天才画家と評された男の愛と憎しみの物語。たった1枚の絵から話が膨らんでいくこの構成は、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を彷彿とさせる。意識しなくともグイグイ引き込まれてしまうし、2転3転と雰囲気を変えていきながら話が展開されていくから、シンプルに楽しい映画になっている。

テーマだけでなく、映画そのものも美を追求された、まるで動く絵画のような1つの"作品"に仕上がっていた。ワンカットワンカット、高貴で上品さを感じさせる。ペラペラの紙ではない。厚く深みのある、ズッシリと重い等身大ぐらいの大きな1枚。海の絵というととても在り来りなものに聞こえるけど、過去や背景を知っていくうちに、その深みと重さは増していく。人も海も同じように、底知れぬ魅力が溢れていく。
個々の人物はよく描けているが、津山とあざみは特に、1体1の関係性で急に描写が雑になる箇所があり、所々で違和感を感じてしまう。ただ、絵に迫っていくと露になる人々のほんとうの姿には色々と考えさせられるものがあり、津山の代わりにスイケンがひょいと田村の元にやってくるあのシーンはそれを象徴するかのようで脳に色濃く刻まれた。

渋くて地味な大人の一本だけど、雰囲気だけでは終わらせず、ちゃんとこの作品にしか出来ない演出の数々を経て、地に足をつけたラストを迎えていたからとても満足度が高かった。美は美であり、それ以上でもそれ以下でもない。美しいの価値なんぞ、値段で表せるほど安易なものなんかじゃないんだよな。

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サプライズ

3.5倉本聰先生

2024年11月27日
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御歳89歳の巨匠、「北の国から」や「大都会」、「川、いつか海へ」等の倉本聰先生の脚本作。
散文的で説明不足ではあるが、しっかり成り立っているのが流石!映画においてどこを削り、どこを残すのかを分かっておられるのだろう。
自作の事を絵画で例えられてるのか、圧倒的な説得力だ。

俳優陣もベテラン揃いの隙のない配役。同級生と言うには無理がある年齢の方たちだけど😅、脚本に書かれてない部分を補う程の流石の説得力。

重いけれど見応えのある作品。

#海の沈黙
#倉本聰 先生

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naichin

3.5美学とは・・・

2024年11月26日
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興奮

知的

萌える

東京大学文学部美学科卒の倉本聰の恐らくスワンソング。「永仁の壺事件」をもとに贋作とは真筆とは‥この問題に迫る。とにかく圧倒的な配役陣。これはチョッとやり過ぎじゃない?とは思ったものの、そこはそこ、倉本の集大成。倉本は主演の本木に乗り移ったかのような演技代行でひぞっこの若手女優を間接愛撫するためのシナリオと言って良いかも。これなどはまさに田山花袋の美学の世界。完璧なまでに配置構築されたファクターが、最後はハンドリングできずにすべてが別々にろうそくのように溶けだして、具象絵画が後半抽象へと瓦解していく様は倉本の晩年ぬふさわしいと言えよう。とにかくこの映画、印象は古い!!である。一切の今風は封印しまるで昭和40年代のドラマを見せられているような感覚に陥る。ターナーやモネの作品が晩年抽象絵画のように瓦解していく様に被せたかったのかもだが、もう少し元気なうちに、もっと個性強めの監督にその脚本を渡してもらいたかった。ちょっと様式化した時代劇の昭和版を見た思いだが、これはこれで堪能で出来たと言えよう。

あと、言い忘れたが本木と小泉の演技は圧巻。特に小泉は下あごのたるみを度アップでスクリーンに曝してなおその表情の美しさ、変幻さでその魅力はまさにミューゼもの。本木も難しい画家のふるまいを演劇的ともいえる高次元なパフォーマンスで圧倒した。

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mark108hello

4.0若干、無理矢理ありだけど…⭐︎

2024年11月26日
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日本で大家と言われている石坂浩二演じる田村の自身の展覧会で一枚の絵が本人から贋作と言われ、
その絵は昔、天才画家と言われた男が描いたものだった…というプロローグから始まる物語。

話しの筋はともかく、倉本聰の映画に出るということからなのか、本木雅弘が渾身の演技。
他にも倉本聰の御意向で素晴らしい役者さんが隅々まで勢ぞろいしている。
でも、自分はやはり中井貴一に一番目がいってしまう。
素性はほとんど最後まで明かされないまま、本木を「先生」と呼んで支える。

TVの「トラベル・ナース」のなかでもそうだが、慇懃無礼な丁寧な物言いがこれほど似合う人は
あまり居ないのではないか。
彼がいなかったら、この作品そのものが無くなってしまうくらい存在感がすごい。

このサイトで美術関係の方から厳しいコメントが上がっているけど、全くの素人の私には
絵画については正直わからない。
ただ、萩原聖人演じる村岡が「魂が震える」と言うほどの感動が絵画から得られる人も
存在するんだろうとは思う。

「徹子の部屋」に番宣で本木雅弘が出演した際、簡単に言えば「美」とは何かと言うことが
テーマとコメントしていたが、倉本聰が表現しようとしたものはそれなのか?

バンクシーの作品もオークションなどにかかると自分などはやはり金額だけで、価値を
判断してしまっている。
でも、知らないから物差しがそれしかない。

画家が刺青師と言う設定は必要だったのかとか色々疑問符もつくけど、最後まで面白く
鑑賞出来た。

ただ、倉本聰の最盛期の作品も知っているだけに、歳をとって説教臭くなってしまった
ように思ってしまった。

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☆ムーミン

2.5これは時代に搾取されたジェンダーの浪漫

2024年11月26日
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役者の演技は良かった。

芸術とは何か
絵画の力・美とは何か

権威が支配している構造に対して実力や自分の表現を大事にして作品を生み出すことを
人の作品のキャンバスにぶつける
自分の彼女に同意もなく彫物を押し付ける
結局は力で支配しようとする。

感情と行動を混載して作品にする主人公津山竜次
魅力的には見えるけど
この人が一緒にいたらDV体質で幸せを分かち合う
つくり合う対等な関係にはなれない。
狂気に満ちた作風🟰芸術的に優れた作品としたのは頂けない。
津山の思いが自分の親だけしか向いてない。
自分の満たされなかった思いから自立していなく
後の人は道具の様な認知

だから田村夫人のキョンキョンはずっと会わないでいられたんだよね。

この映画の魅力は役者
映画もモッくんとキョンキョンとしか見えない
この2人でなかったら
すごく嫌な人物、2人に見えた。
キャストの勝利
中井貴一演じるスイケンと名乗るマネージャーはホントに作品を愛したのだろうけど
先生と言うところでやっぱり主従関係
人として対等な映画が観たいな

今までの世の中がウンザリだから

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gomako1933

3.0ニコラシカ、ご一緒したいですw

2024年11月26日
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今週の2本目、気になる作品は数本あるものの、どうしても「今、劇場で」と言うほどの熱意にまで至る作品がなかったのですが、今年90歳になる倉本聰さんの原作・脚本はやはり観ておくべきか、と思い直して劇場へ。サービスデイのTOHOシネマズ日比谷、11時20分からの回は私の予想をはるかに超えて驚くほどの客入り。なお客層の大半は私(53歳)よりも上に見える方ばかりで、あまりサービスデイは関係なさそうです。
で、観終わった私の本作に対する印象は「枯れない高齢者(おとな)向けのロマンティックファンタジー」。倉本さんの所々現実味のない設定や展開の脚本に、若松監督の思い入れが溢れる超濃厚な演出は、その世界観に没頭出来て「心底美しい」と感じられればハマれるのでしょうが、正直なところ私は終始「無感情」。つまらなくはないのですが、生きる世界が違う人たちの話であり、その上リアリティーが感じられないとなれば、如何せん感情は動きようがありません。
とは言え、見どころがないわけでなく、何と言っても豪華な俳優陣の渾身の演技はとても素晴らしく、皆さん強く印象に残ります。特に展開上、重要な役割となる人物を演じる清水美砂さんは必見。清水さん演じる「牡丹」の普段のさばけた感じと、愛する人への艶っぽさのギャップについついそそられます。(ニコラシカ、ご一緒したいですw)一方、観ていてやや混乱しそうになったのが石坂浩二さん。演技は抜群にお上手な上に、「田村修三」と言う役にはピッタリのキャスティングなですが、どうしても石坂さんの実年齢が周りのキャストの皆さんと比べ突出して高く、観ている最中もつい、役柄上の関係性に戸惑いを感じてしまいます。石坂さん、とってもお若く見えますが実年齢は83歳ですからね。。単体でははまり役でも、他とのバランスはやや悪いと言わざる得ないかな、と感じます。
と言うことで、「本木さんと小泉さんの32年ぶり共演」など話題に事欠かない本作。レビューは少々ネガティブになってしまいましたが、あくまで好みの問題で作品を否定する意図はありません。現在53歳の自分が子供のころから見てきた方々を、今もこうして観続けられている幸せは正に「人生の醍醐味」。やはり劇場で観て良かったと思っています。感謝。

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TWDera

5.0よくわからない場面が

2024年11月26日
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2度観てきました。清水美砂さんにしびれました。

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mame