「狂気じみて理解が難しい」海の沈黙 プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気じみて理解が難しい
................................................................................
画家・石坂の絵画を集めた展覧会が開かれる。
主催者は各美術館や個人の所蔵物を借り集めて来たが、
石坂本人がそのうち1作品を、これは贋作だと言い出す。
主催者側の意向を無視してそれを世間に公表した石坂。
その作品を所蔵してた美術館の館長は責任を取って自殺。
やがて石坂の過去を知る者からの怪電話が来て・・・。
とサスペンス風な香りがしたが、そうでもなかった。
若い頃、石坂と本木は同じ師についてた。
本木は天才過ぎるが故に、奇抜な行動が多過ぎた。
例えば師匠の絵を塗りつぶした上に自分の絵を描いた。
その絵「海の沈黙」は各賞を受賞するも、闇に葬られた。
また師匠の娘と交際し、刺青という芸術を彫ろうとした。
才能を妬んだ石坂らの暗躍もあり、本木は破門となった。
本木は「海の沈黙」を塗りつぶした上に上記の贋作を描いた。
才能の差は明らかで、贋作の方が優れた作品だった。
石坂の嫁で本木の元カノの今日子が本木のもとを訪れる。
本木は病気で余命宣告されてて、ビミョーな雰囲気に。
で最後は狂ったように最後の作品を仕上げ、急に死亡。
................................................................................
中盤くらいまではサスペンス風で面白かった。
途中からは才能ある画家の贋作を巡っての是非というか、
社会派ドラマみたいな展開になっていった。
そこまでは良かったが、最後の方はよう分からんかったな。
天才で独自路線過ぎるが故に理解も共感もできんというか、
本木が結局どうしたいんかがよう分からんかった。
どんどん狂気じみて来る本木の演技は見所やけどな。
ただ自分とは全く関係ない世界の出来事過ぎて、
心情もよう分からんし、分かりたいとも思わんかったな。
あと中井貴一の役名って何で「スイケン」なの??
「清家」かとも思ったが、後で調べると「スイケン」。
酔拳を思い出してもて、気になってしゃーなかったな。