「元木さんの役になりきる凄さ!」海の沈黙 megumamaさんの映画レビュー(感想・評価)
元木さんの役になりきる凄さ!
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圧倒されたのは元木さんの役になりきる凄さです。彼はいつも自分を空っぽにしていて、役の全てを自分の中に入れているのだろうと思いました。そして中井貴一さんも流石です。リュージが美を求めて生きてきた壮絶な人生、「番頭」さんがいてくれたことで観客の多くが随分救われた気持ちになったと思います。
キョンキョンは難しい役だったと思います。父親が重鎮だった美術界で、誰かの栄華のために利用されている存在である自分を受け入れて生きてきたのでしょう。冒頭のシーンで「誰か男性が」と言われて「そんなふしだらな女ではない」というシーンは、自分を解放できていない人を象徴するためかも知れませんが違和感を感じました。最後に、やはりこの人の傍では生きられなかったと思いなおすシーンの表情も。意図的に抑えていたのでしょうが、リュージへの思いも仮面夫婦である夫への思いも、その複雑な思いがイマイチ伝わってこなかった気がします。
倉本先生の美への思いは伝わりました。贋作であってもその絵に魂を揺さぶられると言って自死した人の思いが強く残りました。でも、美のために(?)人が死ぬのは何故?と思ってしまいました。
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