「良い作品だと思う。でも観ていて、何かが足りないと感じた。」海の沈黙 いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
良い作品だと思う。でも観ていて、何かが足りないと感じた。
結局、主人公は母性或いは父親・母親を求めていたんだと感じた。漁村で生まれ育った主人公は、海を身近に感じ愛していた。その一方で両親を奪った海に執着している。迎え火は遭難した両親への助け火で、彼はその絵を描き上げることがら唯一の目標だった。入れ墨にしても、母の肌に描くことが、目的だったような気がする。
刺青には官能性・エロスが必要だ。だがこの作品にはそれがない。なぜ、主人公を体で温める際、全裸で陰毛を見せたって、何らおかしくない。監督の力量不足と考えた。でも、良い作品だ。私はてっきり、今東京都美術館で回顧展が開かれている田中一村がモデルと思っていたら、間違っていた。応仁の壺事件から倉本聰はヒントを得て、書いた作品だそうだ。加藤唐九郎がモデルか。
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