「「美は美であって、それ以上でも、それ以下でもない」」海の沈黙 映画大好きアラフィフママさんの映画レビュー(感想・評価)
「美は美であって、それ以上でも、それ以下でもない」
大人のための静かな情熱の深く重厚な映画。
という印象。
鑑賞後の余韻で傑作と気づきました。(←翌日追記)
以下、個人的な偏った推し感、脱線も含みますため、あらかじめご了承ください。
(ちゃんとしたレビューをご覧になりたい方は、他の正統派レビュアー様をご参考なさることを推奨いたします!)
まずは内容はともかく、なにはともあれ、わたくしめ、モッくんこと本木雅弘さんの長年(小学生の頃から)不動のファン。令和的に言えば “推し”。the昭和アラフィフの私にとって、選択肢は「観るでしょ!!」の一択でした。
暖かく快晴の本日、幸い滞りなく仕事も終えられ、晴れて初日鑑賞が叶いました。
金曜の昼下がり、観客席を見渡すと・・
私のような同世代モッくんファンであろう女性が多いと思いきや、ご高齢のお兄様お姉様率高めで驚き。そうか、原作者の倉本聰さん推しでいらっしゃるのね!と自分を納得させました。
メインキャストは個人的にストライク!
モッくんはもちろん、キョンキョンに萌え、ビーバップ仲間徹=仲村トオルさん、湘爆のヒロインよし子=清水美砂さん・・昭和ツッパリさりげなく奇跡のコラボ状態に内心興奮!(私だけ?笑)、そして不揃いの林檎たちな中井貴一さん・・世代的にツボすぎる絶妙な人選に萌えました感謝。
モッくん推しの方へ(モヤモヤしないために)心の準備情報と致しまして先にネタバレ申しますと・・
モッくん、なっかなか登場しませーん!!!
昨年、2023年9月公開「BAD LANDS」W主役なはずの山田涼介くん登場の遅さっぷりを思い出し「でたよこのパターン」と内心失笑。
粛々とした重厚感のある展開に引き込まれつつ、モッくん(竜次w)の存在を匂わせつつ、そろそろ出る?もう出る?を内心繰り返し、徐々に集中半減、時計をチラチラ見てしまいました。
14:20開始(予告15分弱あり)からほぼ丸1時間後の15:20頃、謎の天才画家津山竜次こと、本木雅弘様、ようやくご登場!!
キターーーーーー♡♡♡(> ਊ <)♡(♡∀♡)
かなりのお預けプレイ、成功?笑
(若松節朗監督っ!もったいぶり過ぎですってば!!)
上映時間は112分。主役登場は後半からという・・まさかのサプラーイズ?な事実を受け入れ、気長に待つスタイルの作品です。
モッくん=津山竜次・・○山 竜次?・・聞いたことある名・・
あぁっ!ロバートの秋山竜次さんが浮かんでしまい、じゃない方芸人、もとい、男前芸術人の竜次やん!!と内心また失笑。
(色々嬉しくまた脱線、集中しなきゃと反省)
闇の天才画伯竜次を“津山先生”と呼び、長年リスペクト&支援してきたフィクサーである燻し銀なスイケン役の中井貴一さんと、キョンキョン率が高く、孤高の主役を引き立てるに相応しい豪華贅沢なツートップ助演起用に感動。
(中井貴一さんは本作品の軸となる重要な配役、さすがの好演。最近ではTVドラマ・トラベルナースでの配役も絶妙、唯一無二な名優さんですね!)
ちなみに大御所画伯・田村氏の妻・安奈役のキョンキョンは、草彅剛くん主演(2024年5月公開)「碁盤斬り」ぶりのご登場。今年は貫禄ご婦人役が続いたものの、やっぱりあの可愛い声は健在♡
(火を灯すと目から涙を流す仕組みの芸術的お手製キャンドルをお土産として入れた紙袋を手渡しするシーンはグッときました。意図的に触れた指先、見つめ合うも去りゆく切ない二人に感情移入。涙)
そして贋作事件を追う美術鑑定の権威・清家役の仲村トオルさんは、半年前(2024年5月)公開の「あぶデカ」町田透ぶり。つい最近な印象。けどやはりベースは39年前のビーバップ仲間徹!笑
にしても謎めいた牡丹役の清水美砂さん。
美しかったー!でもって死ぬの早すぎ!! 残念。
遺体で判明、実は全身タトゥー女。実は彫師でもある竜次に堕ちた彼女のエロス、色気、素敵でした。もっと見たかったなぁ。
(バーテンダーあざみ役の若き女優・菅野恵さん・・誰?って感じでしたが好演。けど個人的にはもう少し清水美砂さんの出番を増やしてほしかったw)
石坂浩二さん扮する安奈の夫・田村は日本を代表する大御所画伯なのに絵を描くシーンはゼロ。大学教授感(偉そうw)が強く、画家には見えず。けどあえてそうしたのか!と、終盤に納得。伏線回収。
ストーリーは立て続けて2人も亡くなりサスペンスと思いきやサスペンスではなかったり、脇を固める人物背景描写に物足りなさを感じたり(もっと知れたら重く深そうなのにと感じさせられたり)、若干ツッコミどころや要望事項はありましたが、尺もありますしね。スピンオフ特典的な補足ドラマがほしいと感じさせられたのは・・実は製作側の狙い通り? 特に人物背景は公式メモリアルブック本やプログラムを読むとより深まるのではないかと思いました。うまいな!
(不覚にもプログラムを買い忘れましたがw)
とにかくモッくん最高でした。
病魔に蝕まれやつれても苦しそうでも水没しても死にそうでも、どんな場面でも、どんな角度からも、ブレず尊き男前モッくん。素晴らしい熱演。イケオジすぎ。もぉ無敵ですわ。眼福。感謝。
大スクリーンで愛しきモッくんを拝め、推しとして誇らしく再認識できた時点で上映終了前に既に満足な自分が居ました。
この場を借りて暑苦しめな推し活報告となりましたが笑、もちろん内容も刺さりました。
自身の人生においての“愛とは”、“美とは”、そして大切なものは何か、本物とは、価値観、価値とは、・・改めて向き合い、気づきの機会を与えて頂けた価値ある作品であったことは確かです。
ただ観るも良し、哲学的に観るも良し。
決して「こうあるべき」を押し付けず、観る側に自由な選択肢を与えつつ、鑑賞後の心に余韻、お土産をご用意くださいました。
気づかなくても良し、気づけば深く響き続いていく。
これぞ倉本聰さんなのですね。敬服です。
(日本の侘び寂び感、海外でも称賛される予感大)
「美は美であって、それ以上でも、それ以下でもない。」
「愛は愛であって、それ以上でも、それ以下でもない。」
モッくんの推し活として臨んでみたら、倉本聰さんのファンにもなってしまったという嬉しい結果オーライな副産物。
深く切なく、様々な愛と美、素敵な作品でした。
また観ます。ありがとうございました!