イン・ハー・プレイス

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映画レビュー

3.5なに言うとんねん

2024年11月13日
iPhoneアプリから投稿

タイトルは、
イン・ハー・プレイス、
原題は、
El Lugar de la otra.

Lugarは場所、
otraは英語のother、

別の場所、他の場所。

もらいタバコ、
歩きタバコ、
拘留中でも、
裁判所でも喫煙。

まるでタバコの煙が視界をぼやけさせるように、
観客の常識や価値観を揺さぶり、
時代や文化の相対性を問いかけてくる。

メルセデスがマリアの家で、
まるで自分の家のように振る舞う姿は、
現代の私たちからすれば度を超えた行為に思える。

しかし、映画は決して彼女を非難したり、
当時の社会状況を過度に美化したりはしない。

むしろ、メルセデスを通して、
当時の社会のゆるやかな倫理観や、
個人のアイデンティティの流動性を描き出している。

南米特有のマジックリアリズムのように非現実的な要素を含んでいるわけでもなければ、
シュールなリアリズムのように日常を歪めて描くわけでもない。

パトリシオ・グスマンの正反対のカウンターというわけでもないだろう、
しかし、
どこか現実と非現実の境界線が曖昧で、
観客を不思議な世界へと誘い込む。

自分を捨てられる場所、
本当の自分、

リアル・メルセデス・イン・ハー・プレイス・・・

なに言うとんねん、
そこに愛はあるんか・・・

あいふる

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蛇足軒妖瀬布