「彼女の存在はどんな意味をもったのか。」花まんま laikaさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女の存在はどんな意味をもったのか。
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突拍子もない話だけと、幼少期の様子や繁田さん家族との関わり方が丁寧に描かれていて、自然に物語に入り込むことができた。
鈴木亮平の演技も相まって、リアリティーを感じられてよかった。
キヨミが成仏して、キヨミの記憶がすっぱりなくなってしまった。30年ずっとキヨミと生きてきた主人公は、それ自体がアイデンティティになっており、家族のあり方や価値観、人格形成の一部になっている。
そのへんが今後ちょっと心配。
うっすら覚えているけど、キヨミさんの存在が自分からいなくなったのを感じる…みたいな曖昧なかんじでよかった気もする。
後で、引き出物になんで自分は花まんま(プリザーブドフラワー?)を選んだのか?
写真を見返してるときに、バージンロード一緒に歩いてるオジちゃんは誰なの?
と自分で自分を疑い始めてしまいそう。
細かいこと言うのはやぼかもしれないけど気になった。
それはそれとして、くすっと笑えるところもあり、人情を感じられるところもあり。映画全体が花まんまのようにあたたかく美しいものになっていたと思う。
結婚式のスピーチは熱演で聞き入ってしまって、泣いた。
兄は妹を1人で育てた、ただだた立派な男…というわけではなく、それを言い訳にして苦手な勉強逃げてきたズルさもあり…人間色んな側面をもって生きている。
キヨミとその家族の存在は、妹と兄にとって、どういう意味をもったのか。
人間のあたたかさにまっすぐ向き合う内容でとても良かった。
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