「見てくれている人は沢山いる、カラスを含め。」花まんま movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
見てくれている人は沢山いる、カラスを含め。
また、有村架純ちゃん秘密を抱えてしまったのね、と鑑賞。今回は優しい秘密で、とても良かった。
鈴木亮平は婚約者中澤くんが標準語を話しているトラック車内で関西弁、つられながらも頑張っていました。
序盤は鈴木亮平の慣れない関西弁を、その他有村架純やファーストサマーウイカが母国語としてサポートしているようにどうも聞こえてしまったが、話が進むにつれて、内容に引き込まれて気にならなかった。
前世というかカルマというか、妹が産まれた瞬間に亡くなった女性の記憶が、幼い妹の中に入ってしまい、
その後両親を亡くした兄妹の中では、必死に妹の面倒を見る兄の気持ちを慮り、妹は女性の遺族が住む彦根での記憶はあるものの遺族との文通にとどめ、婚約後最期の挨拶に出向いていた。
婚約者には打ち明けていたが、婚約者はカラスと会話する研究者。だからかその他大勢が信じなさそうな話でも、真実として受け入れてくれた。
結婚式直前に文通の事実を知ってしまった兄。
亡くなった両親の代わりとして必死に様々犠牲にしながら働いて稼いで妹を大学に行かせて育ててきた。
その結果として、謎の前世の遺族から、父親というものを知れたなどと妹が話すのだからやるせなさで腹立たしいのは仕方がない。
それでも、幼馴染として兄妹の奮闘をずっと見続けてきた駒子に、「頑張ってきたのはあんたひとりなんかい?!」とピシャリとされて、兄妹を多くの人々が支えてくれてきたのだと目が覚める。
その中には遺族も含まれるのだからと、式直前に東大阪から彦根まで大慌て、式に遺族にも出て貰えるよう奮闘する。
大役、家族代表スピーチも終えて、お見送り。
妹からは、記憶にあった女性の記憶が抜けていた。
きっとお父さんとバージンロードを歩けたことで、女性の無念は晴れて成仏したからだろう。
忘れたんかい!じゃあ午前中の奮闘なんだったんだ?!となりそうなところだが、妹以外のメンバーは一生覚えているだろう。そして、新郎の学者の大先輩にあたる京大の教授が女性の遺族にいる。
きっと2家族はずっと続いていくんだろうなと思わされた。
彦根花室の広大なつつじ園を舞台に、2家族の思い出の記憶を、花でこしらえたお弁当、花まんまが繋いでいく。
清太と節子がもし違う時代にいたらこんなかな?
などと思わせる関西の兄妹の兄から妹への深い深い自己犠牲を伴う愛情と責任感。
表現するには鈴木亮平がぴったりだし、有村架純のちょっとしたふてぶてしさと可愛らしさも妹役にぴったりだった。
周りを囲む関西弁メンバーも良い。
アジアンのもう片方の方もどこかでお元気にしてるといいな。