「美しい映画であり、涙も出た…が」花まんま きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい映画であり、涙も出た…が
流れるようなストーリーでスッと心に入る感じは心地よく、ラストに向けては涙がこぼれ出た。
けど、いまいちスッキリしない…なんというか、美味しいんだけど肝心なとこを市販の調味料に頼っちゃったスープみたいな…
要はもうひと手間あってほしかったなぁ、と。
具体的には、話の軸であるフミ子と繁田家の関係をもう少し身近なこととして感じたかった。(憑依とか生まれ変わりとかだけで済ませず)
例えば、太郎がカラスと喋るくだり(あのシーン好きw)のような、あり得そうであり得ない科学以上超常現象以下のゾーンでまとめられていると、「いやいやそんなこと…あるかも…」てな気分に終始浸れて別方向でも楽しめた気がする。
まぁ原作があるので難しいだろうけど…
もう一点少しモヤっとしたのが、客観的に見て俊樹の言っていることはすべて『ド正論』なのにたくさん責められてしまうところ。
もうちょい俊樹派がいてほしかった。
良かったのは式閉会後にフミ子が繁田家の記憶を無くすシーン。きっと賛否あると思うけど個人的には『忘れたふり』だと解釈。
「これからはそれぞれの道を歩きましょうね」というフミ子なりの優しさであり、それがラストの『花まんま』に繋がっている、と。
ただ、そうなると太郎さんのこれからが大変だろうなぁ…それだけしたたかな人ということだから(笑)
冗談はさておき、とにかくラストはきれいに締まる見事な着地でした!
出演者の方々はさすがの安定感!
特にファーストサマーウイカさんの演技が良かった!
亮平さんの関西弁がちょっと怪しかったかなw
前述のような物足りなさはあれど、全体的にはよき1本だと思います。
人が人を思う気持ちって美しいものだなあとあらためて感じさせてもらいました!
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