劇場公開日 2025年4月25日

「家族を超えるもの」花まんま こりすさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0家族を超えるもの

2025年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

癒される

前田哲監督が初めて、直木賞原作の短編「花まんま」を読み、映画化を熱望してから17年たって、やっと実現したという今作。東大阪の下町が舞台の、兄妹ふたりが、寄り添って生きてきた30年を、現在と過去を行きつ戻りつしながら、関西弁が母国語(!)の鈴木亮平と有村架純が紡ぎ出している。その辺にいそうな、工場で肉体労働で汗を流すあんちゃんに、ちょっと気の強いぺっぴんの妹。周りを取り巻く人情味あふれる俳優たちも、関西のお節介で人好きな空気感を上手にすくいあげている。

妹のフィアンセ、風変わりな動物学者に鈴鹿央士、行きつけのお好み焼き屋の看板娘役のファーストサマーウイカも、それぞれがこの兄妹の間柄を尊重し、周縁から見守っている。そんな4つ巴の平穏な日々に、ほんの少しの亀裂が入る。最初は小さかったその亀裂は、兄妹の子どもの頃の記憶を呼び覚ましていき、幼い頃見ていたと思った景色は、まったく違った色を持ち始める。

誰しも持っているであろう、家族への想い。守りたかったり、支えてもらってきたことへの感謝だったり。割り切れないような複雑な想いも含め、自分自身が育ってきた在りし日を、もう一度別な目でふりかえりたくなる、そんな視点を与えてくれる物語です。

いまや日本屈指の演技派となった鈴木亮平をはじめ、関西弁で強気な反面、繊細な演技を見せる有村架純、そして名バイプレイヤーの酒向芳、キムラ緑子、六角精児の描きだす、時の流れも圧巻です。つい、日常に流され、自分を見失いがちな人にこそ、ぜひ見て欲しいなと思います。

こりす
こりすさんのコメント
2025年5月4日

seiyoさん

今年は蹴上に行かれた方も、ツツジがまだ1分咲きだったと残念がっていました。去年の今頃、撮影していたそうなんですが。俳優さんがその人物を生きた、素晴らしい映画でしたね。心の奥底にじんわりしみました。

こりす
seiyoさんのコメント
2025年5月4日

こんにちは。
共感コメントありがとうございます。

ツツジの情報もありがとうございます。

北関東あたりなら
見に行きたいと思いましたが、全部遠いですね。

seiyo
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