「ワクワクが止まらない!観るまでがクライマックス!」トラップ yukihaさんの映画レビュー(感想・評価)
ワクワクが止まらない!観るまでがクライマックス!
巨大アリーナは、彼を捕らえる為に仕組まれた究極の罠・・・ハリウッド映画ファンとしては
最高にワクワクする設定で期待感しかない中の鑑賞。
M.ナイト・シャマランさんは常に新しいことに挑戦している監督でその発想力は当代随一だと思います。
今回も素晴らしい設定でストーリーの展開も悪くなかったし、ジョシュ・ハートネットも最高だったのですが・・・
とても重要な部分がご都合主義というか、力技すぎるという
印象・・・。
特に気になったこと(ネタバレ)
・気の良い従業員に罠のことを教えてもらう?
まー、口の軽いそんな人もいるだろし、あるかもしれないが、もう少し他に知る方法を考えられなかったのか。
・娘がステージにあがれるたった1人に選ばれる?
声をかけたスタッフが偶然、歌姫の叔父?(シャマランさんの本当の娘らしい)、白血病の話をすぐに信じる・・・
何万人の中から娘が選ばれる・・・うーん。
これは唯一の脱出方法に関わる、いわば展開の重要ポイント!せめて10人ぐらいがステージにあがれて、温情プラスでもう一人とかではダメだったのか・・・そうしても後半の設定につなげることは出来ただろうに。
・歌姫がそこまでやるのか?
世界的アーティスト、レディ・レイブン。正義感が強く、勇気のある好感の持てるキャラだが・・・さすがに他人のために命をはりすぎでは・・・残忍なシリアルキラーと話をするだけで怖いと思うのだが、しかもセレブ・・・。
これは蛇足ですが、
・警察との駆け引き?そんなにあったか?
プロファイリングのおばあさんはいたが、トミー・リー・ジョーンズのような凄腕捜査員との攻防を期待していた・・・シャマラン先生ならそんな定番はしないのか。
なんとなく良い人と思われる工夫や嘘が天才的にうまいという説明はあったけれども・・・
ハリウッド映画に細かいことを言うな!は無論承知のうえ、
私は看過できませんでした。
エンタメでも、こういう作風なら大事なところは
リアルさを追求しないと見る気が失せてしまう。
初期の作品が凄すぎるし、そこそこヒットするから、
この人の脚本に意見を言える人が周りにいないのではとさえ思ってしまいます。巨匠あるある。
主役が優しいパパでありシリアルキラーというのは斬新だし、ラストの妻のやりとりもそうきたか!という良いところがたくさんあるだけに、この映画を才ある人にリライトしてもらっていたら(していたらゴメンなさい)傑作になっていたのではと。
いろいろ書きましたが設定は天才。昨今のハリウッド映画に欠けている「観るまでにワクワクさせてくれる」映画本来の魅力を与えてくれる貴重な存在なので何とかぶちかましてほしいと願うばかりです。
しかし、ジョシュ・ハートネットは雰囲気のある
良い役者ですね。それだけでも価値はあったのかも。