「来週の課題作品」トラップ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
来週の課題作品
M・ナイト・シャマラン、作品ごと評価に波はありますが、新作が公開されれば取り敢えず無視は出来ない監督の一人。ただ、前作『ノック 週末の訪問者』があまり好みでなかったのと、今作もIMDbやRottenTomatoesの評価が低いようなので「これは配信待ちかな」と劇場鑑賞候補作品から外してありました。ところが、毎週聴くラジオ番組で本作が「来週の課題作品」選ばれたために急遽復活。貯まっていたポイントを使い、丸の内ピカデリーで鑑賞です。公開2週目の日曜の午前中、いつもの如く空いてはいましたが思ったよりは入っていた気がします。
で、観た感想ですが、、「やっぱり配信待ちでよかったな」。。。
おそらく、プロットレベルでは面白い作品になりそうなのですが、いざ脚本となるとアイディア不足なのか?全体を通して、クーパー(ジョシュ・ハートネット)が自分に迫る危機に気づいて採る行動が悉く行き当たりばったり。なのに、たまたま声をかける相手や手に取るものがピンポイントに都合よく機能していき、流石に「いよいよ」な状況になると「どうしたらそれが可能なのか?」が解らない動きで危機を突破していきます。別に「映画的な嘘」を一切否定したいわけではないのに、わざわざプロファイラーとの知恵比べみたいな構造にするから反って気になってしょうがないし、何なら(そのプロファイラーが)状況と物語を展開していくためだけの存在にしか見えません。
それにしても、今作を観る限りクーパーはフィジカル、メンタル共に強靭だと言うことは判るのですが、実はまだ隠された異能があるのか?そうじゃないとあまりに説明がつかないことだらけ。ちなみに本作、観ようによっては続きがあるような終わり方をしますが、次作にてシャマランの大技「実はこうでしたa.k.a.後出しじゃんけん」が出るのか?いっそのこと出てくれた方が「(今後も)観続ける動機づけ」になる気がするほど都合が良すぎて呆れます。
と言うことで、ここまで「腐し一本鎗」になってしまいましたが、ジョシュ・ハートネットの演技(特に顔芸)はとても素晴らしく見応えがあります。勿論、本作でもお約束通り監督本人が(がっつり)出ていますし、娘のサレカも大活躍(と言うか、それありきで作ったのでしょうけど~)。私は彼女のアーティスト活動を全く知らなかったため、エンドクレジットで名前を見て「あら?」と思いマリオンのエレベーターを降りながら即検索。まぁ、音源のダウンロードまでは至りませんでしたけどねw
と言うことで、厳しい評価となってしまいましたが、次作以降も諦めずに鑑賞し続けます。