「良かったけれど「観たかったのはそこじゃない。」 描かれていない二人で協力して特別な関係を築く過程が無いから、他人にはわからない二人の特別な絆に説得力が無い。」誰よりもつよく抱きしめて ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
良かったけれど「観たかったのはそこじゃない。」 描かれていない二人で協力して特別な関係を築く過程が無いから、他人にはわからない二人の特別な絆に説得力が無い。
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評価の高さに、また、「ミッドナイトスワン」の監督と知って、不安を抱きながら鑑賞。
良かったのですが、「観たかったのはそこじゃない。」
健常者と障がい者の二人が(この表現は嫌ですが他に浮かばなかった)、互いを愛するが故に数々の苦難を乗り越えて同居して、他人にはわからない絆を結んでいくところが観たかった。
他人にはわからない、二人だけの日常の幸せを共有したかった。
本作では、告白してOK、いきなり現在の倦怠期になってしまう。
それを抜きにしては、まさに突然現れた赤の他人のイケメン外国人に、良城と二人で築いてきた生活のすべてを、一般論の世間の価値観だけでことごとく否定された月菜の気持ちは表現できない。
自分が好きになった相手と共に過ごした大切な時間を全く尊重せずに、その相手がいる前で否定するような男に素直についていくわけがない。
「ミッドナイトスワン」でいったら、あの二人が生活を始めて大切な関係を築く過程を描いていないようなもの。
新たな恋敵がイケメンで外国人でしかも海外に一緒に行かないかと誘うという、一昔前のトレンディドラマかというベタすぎる展開には引いた。
あまりにおとぎ話すぎる。
多分、そこに要点を置かず、ラブストーリーだけ欲しかったのだろうけれど、単なる背景の一部として障がいが使われているように見えてしまう。
だったら障害を描かず別の話にすればいい。
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