「自分軸で考えるのが幸せへの道」誰よりもつよく抱きしめて かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
自分軸で考えるのが幸せへの道
月菜が自分の気持に正直で、それをはっきり表明するのに感心した。
そして、見かけと違ってブレない清々しい女性。
脚本家が韓国人だからだろうか
クリニックで知り合った良城と同病の村山千春が、月菜の留守中に良城しかいない部屋に上がり込んできゃっきゃしているところに出くわして、不快を隠すこと無く相手を見据えて容赦なく千春の下心を指摘、言い訳するのをものともせず「そもそも恋人の留守中に男一人の家に訪ねてくるところがおかしいだろう」とピシャリと言い放つのは気持ちが良い。
日本人の常だと、ヤキモチ焼いていると思われないか、ヒステリーと言われたくない、などぐるぐる考えて、あそこまではっきり言わないと思う。しかも社交的笑顔一切なしの仏頂面。
何なら下心女のほうが「私、そんなつもりではなかったのに」と純情な被害者ぶって男の同情を引いて優位に立ったりする。今回もその流れになり、良城が月菜に「千春さんに謝れ」なんて言っちゃってる。良城が甘ったれで焦れったい。そんなこと言うくせに、ジェホンに抱きしめられている月菜を見たらあからさまに落ち込んでみたりするのだから。
いくら病気とは言え、あれだけ過度の潔癖症の人と同棲するのは私なら無理。
でも月菜は自分が一緒にいたいと思うから一緒にいる。だから良城の犠牲ではない。それが徹底している。
留守中に千春を部屋に入れたことに不満を表明するのも、「私があなたのせいでどれだけ我慢していると思っているの」という恩着せがましいことではなく、「愛する人に触れることもできないのを我慢している私の気持ちを分かって」なところにブレない彼女の一面が見える。
ジェホンさんは男として魅力的だし善い人っぽいけどまだよくわからないし、あそこでいきなりフランスについては行けないでしょう。
二人の男の間で葛藤する月菜が選択したのは、「自分の道を行く」こと。
重度の強迫性障害の男に合わせて生きるのも、フランスでシェフを目指す男に合わせて渡仏するのも、他人の人生に追随するでしかなく、自分自身を活かすことではない。
ジェホンとの別れ際に、実は2年ものあいだ月菜を思っていた彼の心を聞かされても、月菜はブレない。別れを告げて自分の道を歩く決意を曲げない。清々しい。
二人の男ときっぱり別れて1年後、再会した良城は強度の強迫神経症から抜け出した模様。
月菜は知らず知らず、彼のイネイブラーになっていたのかも。
良城が甘えているように見えるが、恋人同士なら、多少甘えて甘えられる関係があるのが心地よいし絆の証のようだと思う。
良城は自分の無意識の月菜への甘えに気づくごとに修正しようとしていて、月菜を大事に思ってはいたのだ。
4人の気持ちが複雑に交錯、「正解」はその人次第な難しい作話、印象的な場面も多く、脚本がよくできていると思う。
お互い自立できたところで新しい関係を始める
大変良いハッピーエンドだと思いました。
大人しそうで清楚な佇まいの村山千春がいかにもな下心女で、こちらも「清々しい」くらいの「嫌な女」で良いぞ~、と思いました。
常に「絵本」が指針を示しているのがポイント。
入場者特典で、2冊の絵本プレゼントはなかなか豪華だと思います。
でも、そもそもあんなにヒマな絵本専門店で、二人もバイト雇わないよね、とツッコんでしまう私もまあ、自分に正直なんでしょう。
原作未読、三山凌輝は難役だったと思うけど演じきって素晴らしい。久保史緒里も自然体で良かった。AKBなの!?
主人公が自分の道を選んだところがよかったです。
穂志もえかさん、帰ってテレビつけたらCMにも出ていました。売れっ子だったらスケジュール調整できないからハリウッド作品にも出れなかったろうし、何か転機になるか分かりませんね。
ヨシくんは本当に女心を逆撫でする天才ですよね。私もそんな男とは別れた方がいいよって思ってしまいました。病気とは別のところで男としてありえない。とか。
韓国脚本だからでしょうか、、、そんな何度も同じ失敗するの?とか思ってしまった。
共感ありがとうございます。
同病の彼女も憎めない、同じ苦しさを共有出来れば・・そんな風に思っちゃいますよね。賛否出来ない程潔いのが親友、怪しいの言い方が最高でした。