私は憎まないのレビュー・感想・評価
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憎しみは有害な病だ。しかも伝染して広がる
ガザからイスラエルの病院に毎日通うパレスチナ人産科医師の自宅がイスラエル軍に砲撃され、3人の娘が目の前で惨たらしく死んだ。娘の一人は頭が吹き飛び、壁に脳が飛び散った。しかしその直後、血まみれの服のままで彼は「パレスチナとイスラエルは共存すべきだ」と訴えた。その強さは一体どこから来るのだろう。そして、その出来事の直後、彼の悲痛な叫びはイスラエル中に偶然生放送された。イスラエルの人々はそれをどう聞いたのだろう。「戦争だからそれも仕方ない」なのかな。
医師として彼が取り上げたイスラエル人の子がパレスチナ人の彼にやがて銃を向けるかも知れない。それでも、彼は「憎しみは有害な病だ。しかも伝染して広がる」と語る。そして、「その解毒剤は教育だ」と訴える。その訴えと祈りはどこまで届くのだろう。
私は人類史上希(まれ)な時代と国に生きているのかもしれない。
映画として評価というよりも
題材が題材なだけに
映画としてどうこうというよりも
人間の難しさを見たような気がする。
おそらく軍人として砲弾を放っているほうも
なにかを信じて正義だと本気で思っているのかもしれない
が、それが同じ人間として捉えた場合
正しかったのかは疑問
人種、宗教、生まれた場所
育った環境、さまざまな要因によって
生物学的には同じ人間なのに
複雑な分断が起きるというのは
なんとも滑稽で悲しい話だなと感じる。
分断は分断を産むし
憎しみは憎しみを生む
目には目を、歯には歯をという
有名な経典があるが
歴史を振り返れば
それはもしかしたら未来を見据えた言葉ではないのかもしれない。
やられたら同じ分やりかえして
それで終わり
のように簡単にはいかないんだろうなと。
人間は過去の出来事に囚われてしまうけど
とらわれるのではなく、
過去から何を学び未来へ繋げるのか
というところが人間の最大の課題なのかもしれないと思った。
素晴らしい精神力に圧倒!でも・・
主人公のことは知らなかったけれど、聖書考古学との関係からイスラエルに興味を持っていて何が起きているか知りたかったし、貴重な機会と思ってトークショー付きの回を観ました。
実際の報道番組が使われていてリアルで、攻撃される中で家族を思う様子に、苦難の中で最後まで子どもを守ってくれたキリスト教徒の母が重なって、涙が出ました。家族が殺されて憎むのではなく、その死を人生を意味のあるものにするため、今も力強く進み続ける姿が本当に素晴らしいと思いました。
ところで、家族を攻撃したのはハマスだとイスラエル兵が主張し、反論したと思うのですが、ハマスではないとする根拠が、翻訳のせいか、よく分かりませんでした。ハマスを信頼しているということなのか、直接サインを貰ったけれど質問出来ませんでした。
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