劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミクのレビュー・感想・評価
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素晴らしい出来のファンムービー
プロジェクトセカイ(以下プロセカ)の物語やキャラクターが好きな人にとっては最高の出来。
正直全く期待していなかったので思わず眼がしらが熱くなるような素晴らしいものが出てくるとは思ってもいなかった。
とりあえず2回見たが、2回目の方が細かいところに気づきがあって楽しめたと思う。
ただし、プロセカを全く知らない人が楽しめるものではないので注意が必要。
いうなればドラえもんの事を全く知らずに大長編ドラえもんの映画を見に行くようなものなので、作品を知らないけど見ておこうか、という人は最低限各ユニットのキーストーリーは読んでおくべきだろう。
以下若干ネタバレ含む
プロセカの物語というのは基本的に夢を追いかける主人公たちをミク達バーチャルシンガーが応援する、という流れなので、歌えないミクを皆が助ける、という構造にしたのは素直に感心した。
物語的にはよくある話と言えばそうなのだが、プロセカの世界観におけるバーチャルシンガーの設定を考えるとこの逆転構造は劇場版でしか出来ないものだろう。
後モブの登場シーンが多いのも面白いと思った。
プロセカの世界観はセカイの存在以外は意外と現実的な話が多いので、主人公たち以外にも同じような境遇にいる人は多いはず。
じゃあその人たちのところにはミクは来ないのか?みたいな疑問が多少解消できた気がする。
全体の感想としては、作中でとあるモブが発した「ちょっと元気出た」というのが一番しっくりくる。
ビジュアル◎、ミクの出番✖️
タイトルなし(ネタバレ)
生粋のファン向け作品なので、プロセカ未プレイユーザーにとっては意味不明な内容だったと思う。まあファン向け作品なら変にそこに尺取らないのは正解とも言えるけど、「誰かの強い『想い』が『セカイ』と呼ばれる異空間を作り出すことがある。セカイの風景はその想いを持った人によって千差万別である」「作中5つのユニットが登場し、それぞれ5つのセカイを構築しており、さらにそれぞれ違った姿と性格のボカロが住んでいる」「歌えないミク(以後、バツミク)も誰かの想いから生まれたセカイに生きていて、〇〇という想いを伝えたい・・・」という世界観の大前提の説明くらいはするのが親切な脚本かなあと思う。多分、その説明があるだけでアニメ映画好きな人なら何となくストーリーを掴めると思うし、プロセカユーザーにとっても、改めてその大前提の説明があるとないとでは、初見時の理解に大きな差ができると思う。序盤が冗長だったと感じる人が多いみたいだけど、それはキャラの切り替えが多いからじゃなくて、バツミクという存在がどういう立ち位置なのかクライマックス近くまで不明でただのプログラムバグみたいに感じられるからだと思う。
と、否定的な部分を先に書いたけどラストのライブシーンは本当に良かった。「壁にぶつかったり夢を諦めた人達の背中を押したい」というバツミクのセカイの想いを5ユニット&バツミクがそれぞれがインスパイアして全く異なる解釈の楽曲で歌い上げる。伝えたいことは同じはずなのに、表現によってここまで違いがでるのかと、ボーカロイドというよりもはや音楽という文化に対して感動を覚えた。作画も序盤は割とキャラの顔が崩壊していた分、ライブ中の作画解放は凄まじく、いいものが見れたなあと思えた。
クライマックスは本当に素晴らしいし、映画としてのメッセージ性も最高。だからこそ、そこに至るまでの過程がファン向け作品だとしても少し雑すぎたなあというのが総括です。
思ってたモノでは無かった
ミクの歌が1曲・1回だけで物足りなかった!!
初見です。人間のキャラが多いですが、みな見た目や性格が同じような印象でした。ライブ前の台詞の読み合いは、まるで同じ人が1人で喋っている感じで、脚本家が未熟な印象でした。人間たちの曲は近年よくある早口J-POPで苦手でした。内容が抽象的過ぎる気がしました。荒廃したディストピアの東京をミクが飛び回って、歌の力で打ちひしがれた人々を救っていくような話が良かったです。人間たちの曲が多く、ミクは可愛いですが1曲だけでケチ過ぎる気がしました。アフターライブで桜が舞い散って期待しましたが、「千本桜」の披露は無くガッカリしました。世界の初音ミクさんの映画でまたとない機会だと思いますが、ゲームに寄り過ぎたのか曲をケチったり、本編前後のお知らせに注力して勿体ぶった作りだと思いました。予告編でミクの歌を聴いて泣けそうでしたが、泣けませんでした。
とても良いミク映画
人によって評価が変わる作品
ゲームはサービス開始時からプレイしているプロセカユーザーで、映画は6回視聴済み。
自分としては迫力のあるライブパートとミクさんのかわいさで満足できる作品だが、そうでない人にとっては厳しい作品という認識。
個人的には以下の通り。
楽しめる人
・プロセカユーザー
・ミクが好き
・ライブで盛り上がりたい
・ボカロの小ネタを見つけるのが好き
・ライブパートが良ければ細かい点が気にならない
楽しめない人
・プロセカ未プレイ(キャラの情報が頭にない)
・ライブよりストーリーの面白さや作画の綺麗さを目的としている
この作品はソシャゲが原作の作品だが、
・20人いるオリジナルキャラクターをなるべく平等(バンドユニットのLeo/needが出番多めなので「なるべく」程度)に出す、見せ場を作る
・ミク含め6ユニットのライブパート+アフターライブという要素があるため本編時間が長く取れない
・原作アプリの対象年齢が4歳以上でありメイン層が学生であるため難解、過激なストーリーは厳しい
といった制約がある。そのため上記制約を踏まえたらよく収められたといった感想。ストーリーがダレるというのも全キャラ見せ場を作るためには致し方なし。
それもあってか「セカイとは何か?」「作中世界における初音ミクの存在感はどれくらい?」「彼ら彼女らの想いって何?(特にLeo/needの「ばらばらになった」や25時、ナイトコードで。の「消えたいと思った」あたり)」を説明せず話を進める。
でもこれはプロセカファン向けなので仕方がない。おそらくこの作品は新規獲得を狙ってのものではないので。
正直なところ、作画はユニットによってクオリティに差があるしストーリーも良く言えばわかりやすい王道、悪く言えば陳腐。
でも愛着あるキャラクター達が「閉ざされた窓のセカイのミク」のために奔走し、「音楽」によって想いを届けようとする姿は、「閉ざされた窓のセカイのミク」が歌う姿は観て良かったと思えるもの。
プロセカユーザーか、映画に何を求めているか、それによって評価が分かれる作品だと感じる。
週替りアフターライブが楽しい
好きだけど色々惜しい
総評としては、「プロセカファンじゃなくても、ボカロファンなら一度は見てもいいかも。ただ、プロセカファンじゃない人は予習しないと後半以外は余り見どころがなく、プロセカファンも鑑賞特典やコードが不要なら何度も観るほどではないかな?もちろん、見れば楽しいけど。」ってとこです。
VOCALOIDは製品を使ったことがあり、キャラクターとしても好き、プロセカもライトにやってる人間の感想です。
劇場版「プロセカ」であり「VOCALOID」ではないので仕方ないのですが、全ユニットを関わらせるために、同じ展開を何度も繰り返します。終盤の部分は良いとして、この前半部分に70分以上かけるのは正直ダレるなと感じました。
映画自体、CDやシリアルコード等の配布でリピーターを稼ぐ前提になってるので、これならいっそ、Side 〇〇ユニットみたいな感じで前半を6つに分けて、後半のみ共通部分にして70分上映でよかったんじゃないかと思うくらいです。
実際、アフターライブなどは週ごとに変える作りになってるので、もういっそ本編もそれでいいんじゃない?と思います。
(商業的なことは素人なので、採算が成り立つのか、制度的に可能なのかは分かりません。)
なまじ本編がだらだらと繋がってるので、上映前やアフターライブの前の説明が凄く浮いてしまい、現実に引き戻されて覚める感が半端ないです。この辺はもう少し本編と一体感を持たせて欲しかった……
ストーリーとしては、極めて王道な展開で、予告編だけで結末まで予測できるものですが、この映画に関しては、そこが良いんだと思います。意外な展開とか独自の解釈は、VOCALOIDのファンもプロセカのファンも望まないので。
作画は、ユニットによって若干質や特徴が異なり、「動画として動く」ぶんには問題ないですが、グッズ類はその切り抜きを使っており、静止画として商品とするには、正直残念な出来だと思います。
(動画は仕方ないとして、グッズのイラストの描画クオリティを上げれば、映画自体の評価も、更に良くなったかも。)
音響は「普通」、音楽をテーマとする映画としては正直物足りない感じでした。
プロセカ好きな方以外はやめておきましょう
自分はライトユーザーですが、正直眠気との闘いになるぐらい話の進展が遅く、観るのが辛い感じが否めなかったです。
中々話が進まなくて、前半パートほぼ無くても良かったかと
映像は綺麗で曲もよく、その点を考慮してあまり評価を下げたくなかったため星3です。
作品を知っていてキャラクターが好きな方以外にはオススメしません。
キャラクターも魅力的でテーマも良かったので、もう少し上手くできたんじゃないかなと思いました……
ゲーム→アニメ映画化にしては良い出来
今回は簡潔に。まず、プロセカの前提知識が無いと正直言って楽しめない。
先にゲームやホームページを見て、予習しておくべし。
本編については、序盤が5ユニット同じ展開が続くので、だいぶ退屈に感じると思う。
平等にしないと人気格差が生まれてしまうので、仕方ないのかもしれないが、もう少し削っても良かったのでは無いか、と思う。
テーマやストーリー性については、現代社会において、まあよくあるっちゃある話だが、やはりシンプルイズベスト。
良い社会風刺的な映画になっていたと思う。
その上、この映画の観客層に向けてのメッセージとしては尚良かった。
ただ、もう少し説明を多くしても良かったのでは無いかと思う。
前半の少しダレてしまう部分を短くして、もっと説明を増やすべき。
特に、映画をよく見ない人からしたら、最後のあのセカイで崩れてきたものは何か、すら分からない人もいるであろう。
そのような人向けに軽い説明を、そしてあまりプロセカを知らない人向けにも軽い説明を、その代わりに前半をもっと簡略化出来ていたら、素晴らしい映画だったのでは無いか、と思う。
しかし、ゲームをアニメ映画化というものは、非常にハードルが高いとされている中、この出来はものすごく頑張ったのだなと感じた。
特にライブ映像などの、プロセカならではのシーンはそれこそ音響環境が整っている映画館で見るべきだと思う。
映画として見れば、少し問題点もあるが、ゲームの延長線上のストーリーとしてみると、傑作だなと感じた。
気になる方は是非、予習を済ませた上で、劇場でご覧になってはいかがか。
p.s. 初週しか無いみたいだが、本編前の初音ミクによる舞台挨拶のシーンで、撮影OKタイムでは無いにもかかわらず、シャッターを切る人が多すぎる!
年齢層なのかは知らないが、もっとマナーを守るべきだと思う。
ユニットによって作画が違う
同じ映画内だと思えないくらいユニットによって作画のクオリティが全く違うことが気になった。
ニーゴとビビバスの差が特に酷過ぎる。
ニーゴ>>レオニ>モモジャン>>>ワンダショ(女子はかわいい)>>>>>>ビビバス(全員酷い)
お気に入りユニットとそうでもないユニットなのだろうなと察してしまって集中できなかった。
出番の差などは5ユニット×バーチャルシンガーもいるので変に間延びするよりかは偏りがあって仕方ないとは思うが力の入れ具合くらい統一して欲しい。残念。
話が全然進まない。映画作品として観るのは辛い。
プロセカ大好きな娘の付き添いで鑑賞。
長い。話が全然進まないので長く感じるのかと思いきや、終わってみると140分も経っていました。上映時間は105分と記載されていたのに。
上映前の一般的なCMに加え、プロセカ本編以外に最初と最後に付け加えられている場面があったからですが、そこも含めた上映時間を記載してほしいです。その後の予定があるので。
本編の話に戻りますが。
プロセカメンバーの単なる日常と、同じことばかり言っている違う世界のミク。話が進まなさすぎて単に映画として観るのは辛く思いました。
人物や出来事への深掘りもなく、ずっと浅いまま。
終盤のライブの場面は私も楽しい気分になれましたし、その後の感動場面で中学生の娘は涙を溢していましたが、そんな娘でも1回観たらもう充分とのことでした。
ミクファンというより、あくまでもプロセカファン向け
初音ミクと巡音ルカが好きなので公開初日に見てきました。
が、初音ミクは出るには出るものの、お話の中心はあくまでもプロセカのキャラクター。ミクがちゃんと歌うのはクライマックスの一曲だけ(そこは感動しました)
しかし、プロセカを知らない身からすると少々辛い視聴でした。5グループ20人超の知らないキャラクターが会話しているのを延々と見させられるのは苦痛でした……。殆ど掘り下げもいため感情移入も出来ず、しかも5グループの間に接点もほぼなく「本当にこれ全員出す必要あったのだろうか」と終始頭を捻っている内に終わりました。
プロセカをやっていて予めキャラクターを知ってる方なら非常に楽しめる映画なんじゃないかなと思いましたが、ボカロだけ目当てで行くと痛い目を見るかも知れません。
完全にプロセカファン向け
初音ミクは2007年8月のデビュー時からの付き合いです。
その頃、もろニコニコ動画に新時代の可能性を感じる学生で、貼り付いていました。
これぞ0年代のラストに自然発生的に生まれた我々の文化、ダイナミズム、誇り…
というわけで、「初音ミク初の映画化」という触れ込みだったので楽しみに見に行きましたが、かなり思っていたものと違っていました。
本作は「初音ミクやボーカロイドが好きな人向け」の要素は非常に薄く、「アプリゲーム『プロジェクトセカイ』の、アイドル的バンド的なキャラクターたちが好きな人向け」の要素が非常に強い作品です。
プロセカなんのこっちゃな人にはかなり辛い、プロセカも初音ミクもなんのこっちゃの人には滅茶苦茶辛い、そんな感じ。
「現役プロセカファンだけが喜ぶプロセカファンのためのファンムービー」が企画の第一義であり、「人生のどこかで初音ミクやボーカロイドにお世話になった」程度の人はほぼまったくターゲットレンジに入っていません。
2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のような「ちょっと知ってる程度の人でもOK、誰が見ても面白い」では作られていません。内容的にも、文化的にも。スラムダンクの映画と比べても、遙かに原作知識を前提として作られている作品に思います。
その点は、足を運ばれる前に、特に同行者を誘う場合には考慮に入れた方がいいと思います。
また、本編時間はデータ上105分となっていますが、実際には上映前アナウンス・アフターライブ前と後のアナウンス等含めて、完全終了まで135分かかりますので注意が必要です。(初週のみミクの舞台挨拶があるが、それが無くても130分パッケージ)
前述の通り「ゲーム内のあのキャラやあのキャラが、アニメで動いていること」を楽しむファンムービーなので、ストーリーはあってないようなものです。まず全ユニットの歌唱がノルマにあり、それを達成するために小学校の15分の学芸会台本的なド王道で行きます。なので本筋は超が付くほどわかりやすいのですが、各ユニットやゲームオリジナル設定の「セカイ」&ボカロたちの立ち位置などの説明は一切省くので、原作を知らない人にはかなりのわかりにくさがあると思います。
プロセカで活躍する5つもの平行世界の音楽ユニットたちをそれぞれ見せないといけないので、場面転換が非常に多く、テンポはぶつ切り感高め。終盤はたっぷり音楽と映像を楽しめますが、そこに至るまではかなり長く感じます。話自体に意外性がないのと、物語自体がなかなか侵攻しないのが原因かな。
以下ちょっとズレたツッコミ。
終盤のライブシーンはすごいなと思いつつも、歌というよりダンス全力なのがどうも最古参ミクファンとしてはピンとこなかったりします。ミクが1枚絵で一切踊ってなかった頃からのファンで、ミクが踊り出してそれどうなん?とか思い始めた原理主義者なので。
そして、本作の内部テーマである「あきらめるな、くじけるな、自分らしく行け」的な5バンドのメッセージエールですが、同方向性であえてダンス作画を無くしてバンド演奏シーンとして勝負した『ぼっち・ざ・ろっく』(劇場総集編)なる作品があってしまい、そちらの方が歌としても心に響く演出としても上手いなと感じてしまいました。本作の5バンドは皆すでに仲間もいて実力もあっての成功者たちで、「他人の辛さを想像して、歌ってみた」ぐらいのエールなので。ぼざろのぼっちちゃんの、本当に這い上がってきた過程を描きながらの迫真性とはちょっと遠かったかな。そしてあっちは単体で原作まったく知らなくても誰でも楽しめてしまうので…
あとこれは私が歳を取っただけにも思いますが、作中の普通の高校生ガールズバンド2組がどちらもアイドル路線(坂系とシャニマスMV系)なのはちょっと目と耳に馴染みにくかったです。その衣装どっから出てきた!?とか、そもそもの彼女たちの心が歌ではなくアイドルダンスやMV映え全力というか。今ってそんな感じなのかな。いやそんなわけねえだろ。やっぱり、『ぼざろ』とか『ふつうの軽音部』みたいなテンションの方が嬉しいな。もちろん、本作の世界観だからと言われればそうですが、やっぱりそれを受け入れるのには一つハードルが生じていると思います。ラブライブはスクールアイドル同好会、アイマスはアイドル事務所、とセットアップして初めて坂的な「みんな一緒のダンス歌唱」は可能になるわけで。
ミクたちの喋りがあえてボカロベタ打ちなのも、コンセプトにこだわってちょっと特異な領域まで行ってしまっている感じ。ボカロ1年目からのファンでも、カイトでうろたんだーとか歌ってた私でもそれは別に嬉しくなかった。カイトがベタ打ちでしゃべるととてもきつい。
上映後のアフターライブも、等身大で実在性を出したかったのはわかるけど、本編のクライマックスですごいアニメ絵ライブを見せられた後なので見栄えは悪く、ちょっとどう反応したものかという具合。そしてなぜミク+あまり目立っていなかった1ユニットなのだろう……と思ったら、なんとアフターライブの2組や各アナウンスは週替わりなんですね。でもとなると2週目以降はミク&他ボーカロイドたちののアフターライブは無いわけで……なんかどうあがいても半端な感じ。
上映前アナウンス、アフターライブ前アナウンス・後アナウンスも、正直体験としてのテンポ感は大きく損なっていたと思います。要所要所でラグが発生する、もどかしいゲームを遊んでいる感じ。これまで週替わりで変わるとされてもなぁ…。映画って、入って座って見るだけで、シームレスに100%を与えてくれるお手軽さがすごい魅力だと思います。欲張った企画構成が、オールインワンパッケージの強みを失ってしまっている感じを受けました。
総じて、全体的に作り手側がコンセプトをノリノリで通して、しかし細部の詰めまで手が回らなかったのかな…という印象にとどまります。
できれば、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』みたいな、前提知識ほぼ無しで誰でも物語を追うだけでキャラを理解し大満足に楽しめる、普遍性の高い物語作品であってほしかったな。
とにもかくにも、現役でプロセカが大好きな人向け。見に行くなら、プロセカ好きで集まって見に行けば楽しいと思います。
プロセカとボカロのファンムービーとしては良作
よく出来たファンムービーです。世界観やキャラを知ってる前提で話がどんどん進むので、プロセカもボカロも知らない人だとせいぜい⭐️3評価でしょうね。
ミリしらだけど興味本意で見に行く人や付き合いで見に行く人は、映画を見る前に映画の公式HPで最低限の情報は軽く見ておきましょう(キャラの名前はともかくあらすじとメインキャラの容姿はざっくり覚えておいて損はありません。それだけでもまあまあマシになるはず。)あと後半に津波災害に似た演出があるので苦手な人は注意。
本作を簡単に言えば、何かを諦めかけている人たちにもう一度前向きになってもらうために奮闘する主人公(ミク)とそのミクと友情を結び助ける仲間たち(プロセカのメインキャラ)が頑張るお話です。挫折中のモブたちのセリフや行動は割と攻撃的でキツめ。
メインストーリーの随所にプロセカやボカロにまつわる小ネタが散りばめられていて、ファンを喜ばす構造になっています。
扱うテーマ自体は普遍的なものであり、それをプロセカという世界観の中で「初音ミク」という存在を通して描いています。個人的には「初音ミクの映画でもありプロセカの映画でもある」という印象。
ソシャゲ原作のアニメという事もあって登場キャラがかなり多く、かつそのキャラたちの出番が公平でないといけないなど少なくない制約がある中でほぼ破綻なく物語を収束させた脚本の手腕は見事と言っていいと思います。主人公のミクは様々な表情を見せてくれてそこに息づく感情をしっかり表現出来ている作画も良かった(その代わりモブなどの作画はかなり残念気味)。
本編終了後にある「アフターライブ」というのは後日談的な要素を含むライブの事で、ライブ自体はVtuberや初音ミクのライブに近い感じです。応援上演だとここが1番の盛り上がりポイント。ペンライト振っていいし声も出せるので雰囲気は映画館というよりライブ会場に近いです。
(蛇足)
私だけかもしれませんが、1回目より2回目の鑑賞の時の方が楽しめました。噛んだ方が味が出るタイプかも(ただし鬼リピするほどではない)
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