「抑制の効いた演出がリアリティを醸し出す」火の華 ダイナマイト関越さんの映画レビュー(感想・評価)
抑制の効いた演出がリアリティを醸し出す
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以前、母親がベトナムから帰還した息子を起こそうと身体に触れた途端、訓練の条件反射で、その母親の首を絞めていたというPTSDに悩んだ元アメリカ兵の話を読んだ事があるが、それと似たシーンが出てきた時、主人公の苦しみを理解する事が出来た。
別の作品である「爆弾」と同様、過剰な演出は無く、全編、抑制の効いた演出がリアリティを感じさせてくれる。
又、洋画、邦画問わず、最近主流の説明台詞や伏線回収といった分かりやすい構成を取らず、見る側の想像に委ねる、削ぎ落とした手法の作品は久々で、楽しめた。
こうした内容について、色々、言ってくる者が多くなった最近の風潮に抗して、こういう作品が作られ、公開される時代が永遠に続く事を願うばかりだ。
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