劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 : 特集
同僚の「モノノ怪」ファンにあまりにもオススメされるので、最新作をミリしらで観たら不覚にも秒で沼にハマったし、シリーズ全部観たくなって大変なことになった話 ~「一緒に話したいから観て」→大好きなやつでした、までのドキュメンタリー~

ある日、同僚からこんな誘いを受けました。
「ねぇねぇ、もしよかったら……本当にもしよかったらでいいんだけれどさ。きっと好きになると思うから、この作品観てみない? あ、本当に時間があったらでいいんだけれど」
あまりにも控えめなオススメの一方で、その瞳の輝きが尋常ではなかったので、なんだか気になって観たのが「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」(3月14日公開)でした。

「モノノ怪」の名前は知っていましたが、シリーズはどれも未見の初心者。いきなり劇場版の第二章から観るという挑戦的な入り方をしたのに、魅惑的な映像世界、現代社会と通ずるストーリーの虜になって……。

今ではめちゃめちゃ「モノノ怪」について語りたくなっていますし、大げさじゃなく、毎日の楽しみが一つ増えた感じです。同僚よ、あの時誘ってくれてありがとう。
この記事では、筆者がミリしら(1ミリも知らない)の状態で「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」を鑑賞した“ドキュメンタリー”を記述していきます。皆さんも、もしお時間があれば……。本当にちょっとでも興味が出たら、きっと映画好きの皆さんならこの気持ち理解してもらえると思いますので、よければ劇場に行ってみてください!
【未見から沼にどっぷりハマるまでのドキュメンタリー】同僚の「モノノ怪」ファンにあまりにもオススメされるので、観てみたらとてつもなくすごかった…

私と「モノノ怪」の出合いから、語らせてください!
[モノノ怪との出合い]名前だけは知っていた、気になる存在 ファンの同僚に、控えめに、しかしアツく紹介され…「第二章は特にオススメ」の言葉を信じて観てみた

同僚に声をかけられたのは、次の新作は何を観ようか悩んでいたタイミングでした。同僚からは「これ、実は第二章なんだけれど、第一章より入りやすいと思うんだ」(ボソッ)という説明がありました。
え、未見の人に第一章じゃなくて、あえて第二章をすすめるなんて、そんなことある!? 「ハリー・ポッター」を「秘密の部屋」から観る的な!?と驚きつつも、「絶対好きだと思う。もし観てくれたら鑑賞後はいっぱい語ろうね」と最初は控えめだったのにどんどん熱くなっていく同僚の様子に“ただならぬ魅力”を感じ、とりあえずその言葉を信じてみることに。

どうやら、前作「劇場版モノノ怪 唐傘」の公開時には20~30回鑑賞した人もいるほど人気作らしく、調べれば調べるほど興味が出てくる蠱惑的な存在に。なるほど、同僚は前作でどっぷり「モノノ怪」沼にハマったようです。
[モノノ怪を実際に観た①]開始2秒で「ファン以外は難しいかも?」が覆った! まず極彩色の世界観と“和紙テクスチャ”に心奪われ沼に一気に全身ドボン

正直に告白します。独特でかっこいい世界観なんだろうなとは思っていましたが、クセがあって、もともとのファン以外は難しい作品なのでは?という印象もありました。
それが開始2秒でびっくり。まず炎が映るのですが、赤、オレンジ、青だけじゃなくてさまざまな色で表現していて、炎とはこういう色だという概念がぶち壊されるところから始まります。

触りたくなる和紙みたいなシワのある映像に驚き、見惚れて、圧倒されて。個人的には、舞台となる大奥に漂う“空気”の表現方法が印象的でした。

穏やかじゃないときは紫色の煙、女性たちだけのシーンではピンク色の煙が漂っています。さまざまな新感覚を連続で浴びて、すぐに「たぶん好きだ」と思いました。鑑賞を進めるうちに、この好きの気持ちは「たぶん」ではなく「確実」に変わっていくことになります。
[モノノ怪を実際に観た②]共感度がつきぬけてる!人間ドラマに圧倒された… 今まで知らなかったことを後悔&今観られたことに感謝

次に引き込まれたのは、なんといっても物語!
あらすじ
舞台となるのは、“天子様”の世継ぎを生むために女性たちが集められた大奥。葛藤する女性たちの情念から生まれたモノノ怪に立ち向かう主人公・薬売り(CV:神谷浩史)の闘いを描きます。
前作のモノノ怪「唐傘」との壮絶な戦いから程なくして、再び大奥に現れた薬売り。大奥の最高職位・御年寄となった大友ボタン(CV:戸松遥)は、規律と均衡を重んじて厳格な采配を振るいます。その結果、天子の寵愛を一身に受ける叩き上げの御中臈・フキ(CV:日笠陽子)との間に亀裂が生じていました。
天子の正室である御台所・幸子が産んだ赤子の後見人選定が進められるなか、状況を一変させる事態がフキに訪れます。やがて、突如として人が燃えあがり消し炭と化す人体発火事件が相次いで発生(モノノ怪、おそろしすぎる)!
薬売りはモノノ怪を斬るため「形(かたち=モノノ怪になった妖の名)」「真(まこと=モノノ怪が生まれるきっかけとなった事件の、伏せられた真実)」「理(ことわり=モノノ怪となってしまうほどの深い情念、晴らしたい恨み、届けたい気持ち)」の三様を突き止めるべく、大奥に巣食う闇へと足を踏み入れていきます。
劇中で描かれる、女性にとっての「子を宿す」「子を持つ」こととは、実際に子を持つ持たないに関わらず、さまざまな意味で現代を生きる私たちにも重くのしかかってくるものです。あまりにも重いので、それに息苦しくなる時があります。

自分の人生がうまくいかないときに友人の出産ラッシュが続き、おめでたいことなのに「どうして私だけ」と落ち込んだり、子どもを作ることを当たり前のように他人から勧められたり……。

本作ではあるキャラクターが妊娠をし、周囲から嫉妬の目を向けられます。大奥のなかで子を宿すということは、ここで生きていくためにとても重要なことである一方、私利私欲のために動こうとする人たちに惑わされる危険性も。
それでも前に進もうとする母としての姿や、周囲の複雑な思いが明らかになっていく展開は、日常で感じていた“苦しさ”を形にしてもらったようにも感じて、私個人としては、少し心が救われるような感覚になりました。

女性が共感できる作品ではありますが、実は男性にこそ観てほしい作品でもあります。会話だけではなかなか伝えきれないこの苦しみ、重みを知ってほしい、理解してほしい……そう思う瞬間もありました。

前作でもそうでしたが、いろんな生き方・考え方・視点の女性たちが出てくるので、きっと誰かの生き方に「これは私だ」と重ねて観ることができると思います。
[モノノ怪を実際に観た③]きっと心躍る、天才的にかっこいいアクション! 映画館の大スクリーンで観てほしい最大の理由

何より伝えたいのは、この重みのあるストーリーが展開する一方で、感覚的に“ただただ楽しい”場面もいっぱいあるということです。
特に薬売りのアクションは超かっこいい&テンションが爆上がり。「ここでこの音楽って……天才か!?」(本当に天才です)と思うほど飛びぬけた音楽センスに、スタイリッシュな映像。観ているだけで心臓がドキドキしてきて、体を揺らしたくなるくらい心が躍るんです。絶対に大スクリーン&映画館ならではの迫力の音響で体感してほしいです!

美しい映像、華やかな大奥の世界――美しい女性たちの姿とは裏腹に、そこに渦巻いていた情念はすさまじいの一言。切なさと爽快感が混ざり合ったような結末は「良かった……」と胸がじんわり熱くなる感じがあって、確かに「モノノ怪」初心者も入りやすいな~と納得しました。
今は私も次の「モノノ怪」初心者におすすめしたくなっています。
[モノノ怪にハマった結果]これはもう“恋” 日常に「モノノ怪」がいてくれたら幸せ、これ私が大好きなやつだった――!

すっかり「モノノ怪」の世界に飲み込まれてしまって、こうなるともう、この女性たちの物語を絶対に最後まで見届けたくて仕方ありません。

今はアニメシリーズや前作を繰り返し観たり、とりあえず家でずっと流したり、日常に「モノノ怪」を存在させています。これってもう恋です。全三章構成なので、続きはおすすめしてくれた同僚と一緒に観に行って、何時間も語り合う予定です~!
“記憶を消してまた観たい”と評判の前作が配信&劇場で
特別上映決定 どっぷり「モノノ怪」漬け、なんて幸せ!

「モノノ怪」に興味を持ってくれた皆さん、ここで朗報です。第二章から観てもどっぷりハマれますが、前作「劇場版モノノ怪 唐傘」は現在配信中。さらに、劇場での特別上映も決定しているんです!
●配信で「モノノ怪」漬け! 前作「劇場版モノノ怪 唐傘」&テレビシリーズが配信中!予習復習にぬかりなし
(C)ツインエンジン
Netflixでテレビシリーズや前作「劇場版モノノ怪 唐傘」が配信されています。時間に余裕のある方はテレビシリーズからの鑑賞がおすすめ。予習・復習どちらもばっちりできちゃいます。
●劇場で「劇場版モノノ怪」漬け! 前作の劇場特別上映が実施中→2週連続劇場で「モノノ怪」祭りができる

(C)ツインエンジン
「劇場版モノノ怪 唐傘」の特別上映も全国で実施中です。上映劇場は以下からご確認下さい。
「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」の公開は3月14日から。ということはつまり、2週連続で「モノノ怪」祭りができちゃうんです。絶対行くしかない。
皆さんも予習・復習を完璧にして、幸せな「モノノ怪」ライフを送りましょう!
