「「愛憎渦巻く」の言葉にふさわしい作品」劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 サイレンスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「愛憎渦巻く」の言葉にふさわしい作品

2025年3月14日
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鑑賞方法:映画館

かつて評判を呼んだアニメ『モノノ怪』の
劇場版三部作、その第二作。

この三部作いずれも舞台は大奥。
愛憎込められた異常な空間として描かれている。
ある者は愛、ある者は地位、ある者は名誉、
様々な欲が交差して禍々しい世界観を作り出す。
モノノ怪という作品が特殊なのは
主人公はポスターにも描かれている『薬売り』ではなく、
その都度登場する人間たちだということ。
オムニバスドラマのようなもので
薬売りはあくまで探偵役といっていい。
もしくはいわゆるストーリーテラー的な
立ち位置なのかもしれない。

全体的にとてもよく出来ており、
三部作の中間とはいえ一本の映画として
よくまとまっている。
世界観が魅力的で美しい。
キャラも愛しいキャラは愛しく
醜い人間はしっかり醜く思えるので
感情移入しやすい。
前作『唐傘』より話はわかりやすい。
愛を知り、愛を憎み、愛に涙する作品。

欠点を強いて挙げるとするなら
まとまっているとはいえ三部作なので
前作の予習があった方が話がわかること、
バトルシーンがあまりに激しすぎて目で追えないこと。

サイレンス