「「愛憎渦巻く」の言葉にふさわしい作品」劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 サイレンスさんの映画レビュー(感想・評価)
「愛憎渦巻く」の言葉にふさわしい作品
かつて評判を呼んだアニメ『モノノ怪』の
劇場版三部作、その第二作。
この三部作いずれも舞台は大奥。
愛憎込められた異常な空間として描かれている。
ある者は愛、ある者は地位、ある者は名誉、
様々な欲が交差して禍々しい世界観を作り出す。
モノノ怪という作品が特殊なのは
主人公はポスターにも描かれている『薬売り』ではなく、
その都度登場する人間たちだということ。
オムニバスドラマのようなもので
薬売りはあくまで探偵役といっていい。
もしくはいわゆるストーリーテラー的な
立ち位置なのかもしれない。
全体的にとてもよく出来ており、
三部作の中間とはいえ一本の映画として
よくまとまっている。
世界観が魅力的で美しい。
キャラも愛しいキャラは愛しく
醜い人間はしっかり醜く思えるので
感情移入しやすい。
前作『唐傘』より話はわかりやすい。
愛を知り、愛を憎み、愛に涙する作品。
欠点を強いて挙げるとするなら
まとまっているとはいえ三部作なので
前作の予習があった方が話がわかること、
バトルシーンがあまりに激しすぎて目で追えないこと。
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