シングル・イン・ソウルのレビュー・感想・評価
全4件を表示
束縛したいと思う若年期の恋愛の先にあるのが、精神的自由が共存する大人の恋愛である
2024.10.28 字幕 MOVIX京都
2023年の韓国映画(103分、G)
ある企画で出会った塾講師と編集者の恋愛を描いたラブロマンス映画
監督はパク・ボムス
脚本はイ・ジミン&パク・ボムス
原題は『싱글 인 서울』、英題は『Single in Soeul』で、「ソウルの独身」という意味
物語の舞台は、韓国のソウル
「街の本出版社」の編集長を務めているチュ・ヒョンジン(イム・スジュン)は、新しい企画として「Single in the City」を立ち上げることになった
ジンピョ代表(チャン・ヒョンソン)の大学の後輩のインフルエンサーであるパク・ヨンホ(イ・ドンウク)に「ソウル編」を書いてもらい、顔を出さない作家ホン・ミナに「バルセロナ編」を書いてもらうというもの
それぞれは「シングルライフ」を満喫していて、そのライフスタイルに関するエッセイを集めていくことになるのだが、ヒョンジンは妄想癖が強い女性で、シングルライフには否定的な立場を持っていた
編集部には、校正を担当するユンジョン(イ・ミド)、装丁を担当するイェリ(ジ・イス)がいて、インターンのビョンス(イ・サンギ)という個性派揃いの職場だった
また、ヒョンジンは行きつけの書店員ソヌ(ユン・ゲサン)が自分のことを好きだと勘違いしていて、大学の先輩で「本の読めるカフェ」を経営しているキョンア(キム・ジヨン)からその妄想癖を呆れられていた
物語は、「初恋」をテーマにしたエッセイの執筆が始まるところから動き出す
恋愛を通じて、どうしてシングルライフに到達したのかという入り口の話になっていて、ヨンホは大学時代のホテルで出会ったホン・ジュオク(イ・ソム)と恋仲にあった
だが、彼女は作家になりたくて努力し、ヨンホとの関係が次第に薄れていってしまい、自然消滅的な形で、その恋は終わっていたのである
映画は、「バルセロナ編」の初恋エピソードの校正に入ったビョンスが、「二人のエピソードには似通ったところがある」と気づき、そのエピソードが「同じもの」であることが判明する様子が描かれていく
ヨンホの元カノは顔を出さない作家ホン・ミナであり、その名前はペンネームだった
そして、お互いが初恋に関して感じていたことには微妙なズレが生じていたことがわかる
どちらが本当のエピソードだったのか?
そして、その答えは「封印されたヨンホのクローゼット」の中に眠っていたのである
いわゆる「恋愛の記憶の上書き」というものがヨンホの中で起こっていて、作家になりたかったのもヨンホだった
ジュオクは作家活動ののめり込んでいくヨンホから距離を置き、とうとうバルセロナへと行ってしまう
彼女はそこで作家活動を始めて、ヨンホよりも先に作家になってしまい、さらに再会がしづらくなっていた
そして、ヨンホのことが心配だったジュオクは、大学の先輩ジンピョを通じて企画を通してもらい、ヨンホと再会を果たそうと考えていたのである
ちょっとおしゃれなラブロマンスで、初恋の痛手と、ヨンホ自身の女性ウケの悪さというものがシングルライフへの扉を開けていた
自分に言い訳をするような感じで「自分に投資するのは悪くない」と思い始めるのだが、ジュオクへの未練も作家への未練も断ち切れていない
そんな弱さを隠すことに精一杯になっているのだが、恋愛依存症の妄想癖を持つヒョンジンと関わることによって、その考え方が変わってくる
ヒョンジンも妄想の世界で生きていけば自由になれると考えていたのだが、父(チョ・ヨンジン)の新しい恋人キョンソン(ユン・ダキョン)から「自由でいられる相手を見つけた」と言われてしまい、現実でも諦めなければそのような恋愛があることを突きつけられてしまう
とは言え、父とキョンソンの年齢を考えると、ヒョンジンがそこに到達するのは随分と先の話で、ある程度の年齢になると感じる「恋愛を超えた人生の伴侶の必要性」というのはまだ現実的ではないのかもしれない
いずれにせよ、40代以上だとキョンソンたちの価値観がわかる感じで、特に離婚経験、死別経験などがあるとイメージがしやすい印象
ヨンホやヒョンジンの世代だと、まだ結婚と恋愛の相関関係に悩んでいくのは普通のことのように思える
初恋は実らないというけれど、それは恋愛の存在の方が自分や相手よりも大きいからであり、その大きさを求めてしまう自尊心とか承認欲求には抗えない部分があるからとも言える
そう言った意味において、恋愛経験者あるあるのところがあるので、そういった通過儀礼を済ませていない人にとっては響かない話なのかもしれません
考えてしまう君のこと。
少し優しくされ気に掛けられると私のこと好きなんじゃないかと勘違いする出版社に務める編集長ヒョンジンと、それなりに女性とは付き合ってきたけど度々フラれ自分の為に金を使う、楽しむと切り替えたインフレンサーでもありカリスマ塾講師で作家志望のヨンホの話。
「初恋」をテーマにインフレンサーでもあるヨンホに執筆を依頼したヒョンジン、仕事、プライベートと一緒にいた2人に特別な感情が芽生える。
妄想癖のヒョンジンと、お一人様をを楽しむヨンホだったけれど、仕事、プライベートで付き合い新居の内見、飲みと距離が縮まるなか、内見案内人はNON STYLE石田?に見えちゃったり、飲みの席で少し空気読めない無礼講な彼、見た目とはギャップの歌ウマなネタ枠な彼には笑えた。
このヨンホには超ド共感で!1人買い物、食事、お出掛けと1人最高!と常々思ってる私ですが、内心この生活に慣れすぎて人とは一緒にいられなくなるのではという焦りも…と、ちょっと脱線(笑)
王道ラブコメ!
ラブコメ好きとしては、最初いがみあっていた二人がだんだんと距離を縮めていって……という王道ストーリーに「これだよこれ!」と興奮しました。
いきなり化粧に口出したり内見に来たり、距離縮めるの早すぎない!?とは思いましたが…
飲み会から二人逃げ出し、路上でキスしそうでしないシーンは素晴らしかったですね。
これぞラブコメ、こういったシーンを見るためにラブコメを摂取しています。
主人公の周囲のキャラクター達もキャラが立っていて愛おしかった。
ヒロインが写り込まないように写真を撮っていたのに、最後にヒロインが写り込む写真で二人の未来を匂わせるラストも最高でした!
全4件を表示