オオムタアツシの青春のレビュー・感想・評価
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いくつかの不満な面
確かに『向田理髪店』『いのちスケッチ』と比べてみおとりする感は否めない。地域の祭りが取り上げられるのは、佐々部清監督作品の『大綱の恋』や『六月燈の三姉妹』を想起するところもあるが、それほど強く関連づけられるわけでもない。
主人公が最初に一緒に店をやるはずだった相棒が最後にまた顔を出してくれても良いのではないかと思った。菓子の修業をして、金融機関担当者には気に入られるけれど、女の子には気安くだめ出しをされ、その後、地元菓子店の味を研究するのは、後手後手にもみえた。女の子が最初にいじめに遭ったけれど、その後はどうだったのだろうかと不審に思った。格闘技を習得して撃退しようと思ったのだろうか。喧嘩に使うのはルール違反だから、試合でいじめっ子のボスを打ち負かすという設定があったら良かったかもしれない。若い男性が過去の前科を嫌がらせに使われるのは、本業の事務所と焼き鳥屋だったが、菓子屋でみつかったときにはそこまでわかっていなかったのだろうか。保護司が関与する局面とは切り離されていたのだろう。様々な分野での監修がなされていたが、更生面での監修もあったら良かった。陣内孝則氏が侠気と頼りなさを発揮する役柄を演じるのは、『すうぷ』にも似ていた。死ぬ場面があっさり過ぎた。
「オオムタアツシ」とは特定の人物名ではないことがわかった。女の子が取りもつ縁で、夕日がきれいな街でもあることが確認できた。シャッター街の運営も大変そうではあるけれども、新参者の女性から言われる前に、年長者から率先して言い出してほしいくらいであった。
現在(いま)を生き抜く必死さが伝わってくる感動作
大牟田市を舞台にしていますが、ご当地ムービーではなさそうですね。世代が違う4人が織り成す感動作で、何度も目がうるんでいました。
背景に人物が浮き出ているように感じる箇所がありましたが、許容範囲です。
4人には病気や悩み、知られたくない過去があり、それを克服しようとする必死さが伝わってきました。日菜子役の奥野楓ちゃんが天使のような可愛さで、1型糖尿病を患っているだけでウルウルきました。
「失敗は成功のもと」を感じ、得るものがある力作です。
オオムネウスシな青春
ポスターを見たときは、陣内さんがオオムタアツシで老いらくの青春の話かと。笑
冒頭の怪我、事故ならいいけどいぢめっぽい言い方だし、命に関わるレベルだから知らせた方が…
しかしこれは以後一切触れられない。
序盤は亜美の洋菓子店開店を中心に進み、コミカルな会話も楽しい。
中盤からは男性ふたりの過去が見え始め、不穏な気配が、という流れ。
静男の元議員は映画としてはやや珍しいが、奥さんの病死でチープに振り戻ってやや残念。
司の方は少し厄介だけど、あの手の嫌がらせ程度なら動画撮って通報で済む気がする。
亜美の“地元の味”への話も、「個性を足す」と言いつつ何もなく、全体的にちょっと薄味。
日菜子の父についても、あれだけ?
最後、静男は入院してるだけで戻ってきたところで終わり、と思ってたので悪い意味で驚いた。
わざわざ教えてくれた半グレ君はビミョーに親切。
しかしあの段階から司が焼き鳥屋を切り盛りしてるのは、技能的にも権利的にも疑問。
糖尿病は意味ないし、格闘技も余計だったかな。
演技も悪くはないのだけど、特に突出したものまでは感じなかった。
陣内さんを佐賀出身にして博多弁を喋らせたのは謎。
日菜子役のコはかわいいし、子役に多くは求めないが、常に同じペースで話すのは気になった。
色々やったけど掘り下げが浅く、ご当地映画的な魅力も出てないので全方位に半端な印象。
雰囲気はよかったので、要素を絞って前半の空気で通してくれてたらなぁ。
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