劇場公開日 2025年8月8日

アイム・スティル・ヒアのレビュー・感想・評価

全126件中、41~60件目を表示

4.5明るい色調と暗い色調のギャップが緊迫感をうむ

2025年8月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

癒される

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かな

4.5闇と光が拮抗する時代と場所を描く

2025年8月20日
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鑑賞方法:映画館

本年アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞した作品である。他のノミネート作が「ガール・ウィズ・ニードル」「エミリア・ペレス」「聖なるイチジクの種」「Flow」と秀作揃いの中で堂々たる受賞だと思う。昔と違って国際長編映画賞と作品賞の同時受賞もできる。日本公開はかなり遅く今頃やっと実見したが、作品賞を受賞してもおかしくない出来だった。
ブラジルを軍事政権が支配していた1971年。軍ないしはその影響下にあった政府組織によって拉致され拷問の上殺害されたルーベンス・パイヴァ氏とその家族の物語である。
ルーベンスとエウニセの夫婦には四女一男の子供たちがいる(他にお手伝いさんと犬が一匹)だからこれは何十年にもわたる家族の物語であると位置づける解説もある。長男であるマルセロ・パイヴァ氏の著作が原作であり「家族」という視点が入ってくるのは確かである。ただ、物語の9割以上はルーベンスの拉致直後の時点に割かれ、家族の25年後の姿とさらに20年後の姿は短い尺で加えられているのに過ぎない。だから、本作は、家族の誰よりも、夫を拐われ自分も一時は監禁されて危ない目にあった妻のエウニセがまだ幼い子供たちを抱えながらも戦うことを決意するまでの経緯が中心になっている。
映画の冒頭、リオデジャネイロの海岸に住んでいるパイヴァ一家の日常を描く。裕福で友人たちにも恵まれ子供たちも明るく元気な幸せな家族である。それだけにやがて姿を現す闇の勢力のもたらす衝撃度は大きい。ルーベンスを連行する者たちは武装はしているものの制服姿ではなく一見、町のチンピラにしか見えない。リーダーは名前だけは名乗るものの所属等は明らかにせず、行動の目的も明かさない。ルーベンスの連行後にも家に居座り、妻や娘も一時的に連行する。彼女たちは頭巾をかぶせられて何処かの施設に連れ込まれ意図が不明な尋問を受ける。彼らが法的に不当であることを十分に承知しながら行動しているのは明らかであり徹頭徹尾、不気味で非人間的である。どうしようもない闇の深さが感じられる。
つまりこの映画は光と闇の対立と、その狭間にはまり込んでしまった人間の運命を描いている。もちろんブラジルの旧軍事政権に対する告発、遺族への補償をせよという主張はあるのだけど、これはどこにでも起こり得る、たぶん、今も世界のどこかで進行している人間社会の様相についての精緻な考察であるといってもよいかもしれない。

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あんちゃん

4.0国家権力による暴力

2025年8月20日
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泣ける

悲しい

怖い

日本の第二次世界大戦中も、軍による圧力で政府の意に反する思想を持つ人々が弾圧された。
どの国も軍が力を持つと武力で市民を弾圧していく様子が怖い。
幸せな一家の暮らしが一瞬で奪われる。

母は強い!

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いちごのチョコレート

5.0犬と同じように粗末に扱われた主の家族の場面対比

2025年8月20日
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悲しい

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てつ

3.5かなり重い家族愛の作品

2025年8月20日
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1971年ブラジルのリオデジャネイロに住む仲睦まじい一家の姿から2018年までの政治情勢と一家のその後を史実に基づきドキュメンタリ調で描かれた力作です。
軍事独裁政権下の非常な現実と残された家族の喪失感、さらに夫の行方を探し続ける妻の姿には胸を打たれます。
政治批判映画ではなく家族愛をテーマにしているのでどのシーンも身近に感じられて軍事独裁政権下の恐怖を感じました。
おススメ度は高いですが、娯楽作品ではない重い作品なので心してご覧ください。

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Yoji

3.5思っていたのと違いました

2025年8月19日
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今日は立て続けに実話ベースの映画を鑑賞してきました。
こちらも実話が基になっているので仕方がないのかもしれませんが、期待よりは心に響かず…ちょっとうとうとしてしまいました。自分のコンディションも悪かったです。

ブラジルの軍事政権については、今回初めて知りました。比較的最近のことで余計に驚きました。

死亡証明書の発行での満面の笑みと祝杯をあげる姿は、彼女の長年の闘いを想像させるのに十分でしたが、正直心がついていきませんでした。現在も遺体が見つかっていないということで、もう諦めるしかないのでしょうね。

色々と違うのは承知の上ですが、横田めぐみさんのご両親の状況に重ねてしまいました。

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SING SING

4.0恐いねえ。

2025年8月19日
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鑑賞方法:映画館

ルーベンスの遺体は見つかっていないがリオデジャネイロの何処に埋められてる可能性が高い。ルーベンスが「俺はまだここにいるよ」ってことだな。
政権に批判的な者には情け容赦無いなあ。
ブラジルに限ったことじゃ無い、かつて日本にもそんな時代があったし。

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あらじん

4.5奪われてはじめてわかる人権の尊さ

2025年8月19日
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知的

難しい

幸せ

一見、民主主義国で憲法により人権が保障されている自由な国、今の日本で暮らしていて自分の人権が保障されていると日々実感しながら暮らしてる人は少ないと思う。
大半の人が自分の生きたいように生きることができる、自分の意思が権力により抑圧されてると感じてる人間は比較的少ないのではないか。
でもマイノリティの人々となると話は変わってくる。例えばLGBTの人々などは生きていくうえで様々な不自由を感じているだろう。

人は自分の人権が侵害されて初めて人権がいかに尊いかがわかる。たいていはマイノリティの人権が侵害されるため、人権侵害は他人事のようで社会ではなかなか問題視されにくい。

民主国家でない独裁国家でも国家に従っていれば安泰な生活を送れる。しかしそんな国家に逆らえば途端に人権は蹂躙され幸せな暮らしは奪われてしまう。
ブラジルの軍事独裁政権下、韓国の朴正煕軍事独裁政権下にも似た開発独裁の下で飛躍的な経済発展を遂げてブラジル国民の生活は潤った。
そんな経済発展に酔いしれる国民の中で民主主義を否定する軍事独裁政権に立ち向かう人々もいた。

これはかつてブラジルでリベラル派の政治家として活動していた人間とその家族の物語。
彼は軍事独裁政権に逆らう活動家を支援していたがために秘密警察に連行され帰らぬ人となる。そして事情を知らなかったその妻も長きにわたり拘留される。彼女は自分の幸せな家族の生活が奪われ、夫を奪われたことから人権の尊さに目覚めて法科に進み弁護士となり独裁政権と戦う。

長きにわたる戦いの末に夫の死亡証明を取り付けることができた。行方知れずで生死不明の夫、少なくともこの故郷のどこかの地に眠っていることだけは明らかとなった。
このリオの海岸沿いのどこかに眠る夫の亡骸は末娘の抜けた乳歯のようにいずれその在りかがわかるだろう。

夫を奪われたことから、幸せな家庭を破壊されたことから人生をかけて残された家族を守り国家権力と戦った主人公の女性の物語は現代にも通ずる物語だ。
本作の企画を監督が進めていたのがまさにブラジルのトランプとの異名を持つボルソナロ大統領就任の時期であり、彼はかつての軍事独裁政権を賛辞していた。
民主主義で自由の国であるはずのアメリカが独裁者トランプにより独裁国家に陥る危機になるのと同様、このブラジルもかつての独裁国家に成り下がると懸念しての本作の公開となった。
欧州でもいま極右政党の台頭により民主主義の後退が懸念される事態に。この日本もまた例外ではなく先の参院選では人権を否定する極右政党が躍進した。

日本もかつては百年前に制定された治安維持法の下での軍事独裁政権により多くの国民が拷問されて殺された。その被害者たちにはいまだ何ら補償もされておらず加害者が処罰されていないのもこのブラジルの独裁政権下の状況と同じである。

本作が世界的評価を得たのは、いま世界中で同様のことが起きようとしていることへの不安から、かつての過ちを振り返る必要性に迫られてのことであろう。

日本のかつての悪法、治安維持法を賛辞したカルト政党が今回の選挙で躍進した事実。まさに再び我々の人権が脅かされる事態に陥るかもしれない。
普通に人権を享受できていることが当たり前であると思えない時代が再び到来するかもしれない。

今現在平和と思われる生活が所詮かりそめのものであり、何かのきっかけで民主主義から独裁国家へとカードが裏返るようにたやすく転覆する危うさを感じる。そうでなくとも民主主義のこの国では信じられないような冤罪事件で人権が蹂躙される事態も起きている。

だからこそどんな時代であろうともつねに権力に対して訴えねばならない、「私はここにいる」と。けして権力の横暴により我々の人権がなきものにされてはならない。

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レント

5.0軍事政権下のブラジルのヒリヒリするような空気感が封じ込められた美しくも重厚なドラマ

2025年8月19日
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1970年のブラジル軍事政権下のリオで突然夫を連行されてしまった妻と子供達の物語。時代背景的にはスペイン産アニメ『ボサノヴァ 撃たれたピアニスト』と通底しているのですが、失踪の謎を追っていく『ボサノヴァ〜』とは違って、こちらは全く異なるアプローチで軍事政権下の過酷な現状を直接見せることを極力排除しサウンドトラックに語らせる。昭和歌謡もそうでしたが70年代はヒットソングが世相を反映していたのでその歌詞とメロディが時代を語るに任せて、その時代を生きた一つの家族は淡々と暮らし続ける。登場人物が多くを語ろうとしても主人公は遮る。残酷な描写は何もない。それがゆえにそこにある虐殺行為がくっきりと浮き上がる。この辺りは『関心領域』に近い感触はありますが、こちらは主人公はあくまでも現実と戦い続ける点が異なります。ずっしりと重い作品ですがサウンドトラックと風景がとにかく美しいのでやはりスクリーンでの鑑賞向き、70年代のリオの眩い風景の再現は見事ですし、曇天のサンパウロの日常がスクリーンに映し出されることはこの国では稀なので激しく郷愁に駆られました。

ところでもうこれ前から言うてることですがラテン系映画に英語のタイトル付けるなっちゅうねん。これは英題をカナ表記してるだけのやっつけ仕事なのでもうちょっと粋な邦題にしてたらもっとヒットしたんちゃうかなと思います。とはいえ主人公の目線だけがこれから起こることを暗示しているポスターは素晴らしいです。

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よね

4.5母であり父になったエウニセ

2025年8月18日
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める

4.0ブラジルサッカーは隠れ蓑

2025年8月18日
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怖い

お気楽な国、ブラジル。日系人が苦労し頑張った国、ブラジル。垣根涼介サウダージのブラジル。コーヒーとサンバのブラジル。しかし、こう言う黒歴史があったとは。どの国にも権力による暗黒政治があるのはある意味普遍的なことだが、本作でブラジルにも民主化前に、こう言う時代があったとは。勉強になりました。

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Cabe

3.5説明があまりないので

2025年8月17日
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北枕寝二

2.5Torture

2025年8月17日
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ブレミンガー

4.0自ら車を運転して出頭したルーベンスは、そのまま帰ってこなかった。

2025年8月17日
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詠み人知らず

3.5南米の歴史に学ぶ、強くて硬派な作品

2025年8月16日
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『アイム・スティル・ヒア』は、そのタイトルのとおり、静かな闘志で連帯し、決して暴力に屈しない、自分のしなければならないことを全うする主人公とその家族を描いた、強くて硬派な作品でした。
日本だと家族ものの側面でセンチメンタルになってしまう場合もあると思いますが、そこはラテンアメリカの持つ明るさや強さを打ち出した、そういう独特な味わいのある、優れた作品でした。

個人的には、80年代に劇場で見て衝撃を受けた『サンチャゴに雨が降る』や『ナイト・オブ・ペンシルズ』といった、やはり南米の圧政を描いた作品を鮮やかに思い出しました。
1970〜80年代の南米は悲劇と激動の歴史があります。
エヴァ・ペロンの時代の後に到来する、1970年くらいからの一時代は、、「汚い戦争」と言われていたアルゼンチンの暗黒時代です。
(この「汚い戦争」を描いたのが『ナイト・オブ・ペンシルズ』という映画です)
チリも、ピノチェト政権下での民衆がこれでもかと激しい弾圧を受けていた時代です。
ブラジルはチリやアルゼンチンよりはマシだったようですが、70年代〜80年代にかけては軍事政権下での言論統制あったようです。

この映画で見る、主人公の夫が突然軍部に逮捕され二度と会えなくなり、自身も12日間拘留・尋問される場面は、激しい暴力少なめでも本当に恐ろしく描かれていて、「何をされるかわからない」恐怖に戦慄します。
その恐怖を乗り越えて、最愛の夫の最期を確かめようとする、権力の横暴に最後まで立ち向かおうとする、主人公の強さに胸を打たれます。

一つだけ注文をつけるなら、前半の家族の楽しい時間を描く部分が少し冗長で、ここはもう少しコンパクトにして、全体を2時間弱くらいにしても良かったのではないかと。

つくづく思うことですが、どこの国でも、軍隊が力を持つと民への抑圧や暴力が避けられず、悲しい歴史が作られてしまいます(日本の戦時中もそうだったように)。
歴史に学ぶことを忘れずにいる必要があります。

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mayuoct14

4.5恥ずかしながらブラジルの軍事独裁政権については無知だったのでこの話...

2025年8月16日
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恥ずかしながらブラジルの軍事独裁政権については無知だったのでこの話が実話ベースだというのに驚かされた。

そして今世界ではその過去と同じような流れが各地で出来つつある中(日本も例外ではなく)、エウニセが集まったマスコミの前で訴えたメッセージが重要なんだなと柄にもなく考えさせられた。

犬好きな人は注意が必要ですけど多くの人に観てもらいたい作品です。

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teraox

5.0タイトルなし

2025年8月16日
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実話ということもあり、悲しかった。5人子どもがいる大家族とか日本ではもうレア。最後に実物写真が出てくるが、元政治家の父親はそっくり。母親は実物のほうがもう少し美人で穏やかな感。でも女優はうまかった。
子どもたちの世界を守る気丈な母親。
いつ父が逮捕されたと分かったか、後に子どもたちは話し合う。家を移ったとき、父の服を売ったとき。
原作となった母の手記には、家の思い出が書かれていたのだろう。
本当に仲のいい素敵な家族だった。ユーモアと知性があった。そして時代の空気。まだケータイの時代ではないし、レコードである。音楽と8ミリがある。親も子も左翼の世代。
出来事は歴史のトラウマだけれど、この意味でその悲しみを乗り越えていく家族は明るく、特に母は力強い。

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Emiri

4.0「コーヒー好き」

2025年8月16日
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知的

今年246本目。

冒頭子供が「コーヒーどう?」。いい映画になりそうな予感。ブラジルの何十年前の軍統治下で起こった出来事をずっと映す作品。それでも光が見えるのは家族が集まると必ず写真を撮る、美味しい物を食べる、ここがあるから家族の絆を感じる事ができます。

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ヨッシー

3.5ある日突然

2025年8月15日
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kawa

3.5歴史上の事実にびっくりするけど...

2025年8月15日
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怖い

驚く

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yutes79