「ブラジル-アメリカ- そして日本」アイム・スティル・ヒア　La Stradaさんの映画レビュー（感想・評価）

　1970年代、軍事独裁政権下のブラジルで、身分も名前も名乗らぬ男達に自宅から拉致されたまま帰らぬ反体制派の夫の行方を探す妻と家族の実話に基づく物語です。自由に物が言えると言う事の大切さとそれが成立し得る危うさが身に沁みる作品でした。

　嘗ては、言論の自由を何より重んじていると思っていたアメリカで、今やいとも容易に言論と学問の自由が踏みにじられ有無を言わせぬ国外追放がまかり通っています。アメリカの後を追うのが日本の流れとすれば、強権大好きな総理が生まれようとするこの国でもそんな日が到来するのは最早妄想ではなくなって来ました。