「軍事政権下における悲劇」アイム・スティル・ヒア ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
軍事政権下における悲劇
クリックして本文を読む
冒頭から幸せそうな家族を印象づけるルーベンス一家が
映し出され、よもやこれから悲劇が起こるとは
父親を除いて誰も予期していなかったであろうと思う。
というのも、父親が仕事以外のこともやっていることは
観客にはわかるからだ。
ある日突然、政府から連行されるルーベンス。
そしてエウニセ自身も連行され何日も拘束され、
テロリストの顔写真を見せられて、知らないか?と
問われる毎日。これは気が狂いそうになるだろうと思う。
エウニセの精神力たるや感嘆の域だ。
後日譚でルーベンスは殺されていたことがわかるが、
子供たちが「パパが帰ってこないといつ思った?」という
会話をするのが切ないし、子どもながらに自分の気持ちと
折り合いをつけていたことが実に悲しかった。
子どもたちを大事に育てながら、
軍事政権の犯罪を明らかにし戦うエウニセの姿に
猛烈に感動した。
フェルナンダ・トーレスの演技に脱帽。
70年代のブラジルの色味、音楽、ダンス、車なども
本作を魅力的にしている要素だと思う。
こういうことは、もうあってはならない。
歴史から学びたいものだ。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。