「歴史上の事実にびっくりするけど...」アイム・スティル・ヒア yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
歴史上の事実にびっくりするけど...
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今年度のアカデミー国際長編映画賞受賞作品。1970年 ブラジル軍事政権下で起こった民間人ルーベンス・パイヴァの強制逮捕による失踪事件と、彼の行方を追った妻 エウニセ・パイヴァの半生を描いています。原作は彼らの5人の子供の末子 マヌエル・パイヴァによるノンフィクション。
ブラジルにそんな軍圧の厳しい時代があったことすら知らなかったのですが、この作品で描かれていたようなことが、現実として起きていたことにとにかく驚かされます。
一方で物語の展開は、予想していたようなものとは違いました。事件をきっかけに、エウニセは家族の生活も自身の生き方もがらっと変わるのですが、行方不明の夫の捜索にどのような行動を取ったのかはあまり描かれません。
作品の終盤では事件から25年後、さらに18年後の描写があります。物語を締めくくるには必要なパートではありますが、この部分への展開はやや唐突感があり、全体の流れからすると異質に感じました。むしろこの間に何があったのかに、聴衆は興味を持つかなと思いました。
アカデミー主演女優賞にノミネートされたエウニセ役のフェルナンダ・トーレスさん。晩年のエウニセを演じたフェルナンダ・モンテネグロさんはトーレスさんの実母とのことでした。鑑賞中はずいぶんそっくりな役者さんを当てたな、と感心しましたがそういうことだったのですね。
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