劇場公開日 2025年8月8日

「納得の傑作」アイム・スティル・ヒア ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 納得の傑作

2025年8月9日
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鑑賞方法:映画館

アカデミー国際長編映画賞も納得の傑作!
平和な生活の中で抱くちょっとした「違和感」から、突然の夫の連行。理由もどこに連れて行かれのかもいつ帰るのかも知らされず、自宅には男たちが居座る。
自分たちも連行されお互いの様子も教えられない。家に戻っても幼い子供たちには言うことも出来ない。そのうち連行したことすら否定する。夫の車は返還されたのに。
韓国映画やナチ映画を参照するまでもなく、戦前の日本の特高も含め、独裁政権のやることはいつも同じだ。
自分たちに都合の悪いことを語らせないようにしようとし、それがかなわないなら消す。そしてそれをすべて否定する。
特に説明も無く妻の視点で語られることで、それがどれほどの恐怖なのか、人権の蹂躙なのかが痛みをもって伝わってくる。
リオを引き払うときの無力感。だからこそのその後の決意と活動だと思うと複雑な思いも抱いてしまう。
これが実話だというのだから酷い。酷いし凄い。
全日本人が観て独裁政権化に備えるべきだと思いますね。

ぱんちょ