「つい最近の知るべき歴史」アイム・スティル・ヒア alvoさんの映画レビュー(感想・評価)
つい最近の知るべき歴史
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試写会にて鑑賞。
もっと重いストーリーを覚悟していたが、家族の力強さに焦点があたっているためそこまで後味は暗くなかった。
70年代なんてついこの間、なのに軍事政権下のブラジルでひどい人権侵害、暴力、理不尽に従っていた頃の話。でも国民は明るく音楽をかけて友人を招いて日々パーティー、踊ったり海で楽しく泳いだりな毎日。ブラジル人の明るさと強さを感じさせる不思議な対比。
しかし反政府派は暗躍しており、不条理に捕まった人たちを解放させようとさまざまな運動をしている。そしてその中の過激派が海外の大使を誘拐して釈放を迫っている。
だからこそその活動を疑われた元議員のパパが秘密裏に捕まり、そのまま帰ってこなくても、誰も何もいえない。口座からお金も出せない。そんな中、仲間から裏の活動を知り、覚悟を決める妻、そして五人の子どもたちを守りながら真相を究明する人生へ。おそらく40代くらいの女性だろう、なんと逞しいことか。ベローカ、エミリア、ナル、バビウ、マルセロ、覚えたくなる名前たち。
悲しい顔をするよう言われたのに笑顔で撮った家族写真。彼らの逞しさと覚悟が伝わってくる。二十五年をかけての執念と結果、エンドロールの実際の写真を見て胸いっぱいになった。
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