「エロティックスリラーではない!」ベイビーガール ノブさんの映画レビュー(感想・評価)
エロティックスリラーではない!
映画の日ということで鑑賞してきました。
ニコール・キッドマン主演のエロティックスリラーという言葉に惹かれて。
しかし、スリラーという要素がどこにあったのだろうか?
ニコール・キッドマン演じるCEOロミーのマゾヒストな性癖を見抜き、その願望を満たすインターンの青年サミュエルとの単なる歳の差不倫を描いたに過ぎないのでは。
そして、アントニオ・バンデラス演じる夫ジェイコブも悪い意味でいい人過ぎる。
皆さんがレビューで書かれているように、結末も含め中途半端に思いました。
こういう話を映画的エンタメに昇華させるにはもう少し狂気じみた演出が欲しかったなあ。
サミュエルをもう少し変質者っぽくするとか、サミュエルとの関係を知った部下エスメに性的に支配されるとか、夫ジェイコブが嫉妬深い性格で妻ロミーの素行を調べるとか、何か振り切ったものが欲しかった。
マゾヒストの描写もミルクを犬のように飲むのが限界とは。。
地位も金も幸せな家族もある欲求不満な人妻が、若いイケメンに手を出し性的快楽を満たされ一時的に彼との関係に溺れたが、結局また元のさやに納まったって感じでした。
まあ、ロミーの脳内にはサミュエルが居座り続けているわけですが…。
あと、サミュエルとの関係をネタにロミーを支配しようと近づいたジジイを一蹴するところは良かったです。
さすがに誰でもいいという訳ではなかったんだなと。
そして、現在57歳で実績もあるニコール・キッドマンがこういう性を描いた役を身体を張って演じきったことは凄いなと感心しました。
髪型のせいで私の頭の中で時々中島みゆきさんが重なりましたが。