劇場公開日 2025年2月21日

「劇部分とインターミッションの構造は天井から射す光のメタファーー?」ブルータリスト よしてさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5劇部分とインターミッションの構造は天井から射す光のメタファーー?

2025年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

覚悟してみてきましたが、215分という長さをほぼ感じさせない作品でした。

ユダヤ人建築家が戦後アメリカでどのように生き抜いたかを描く作品で、迫害から自由の国に渡り、新天地でも厳しい扱いを受けるものの、最後は目的をやり遂げた男の話としてとらえるのが正しいのでしょう。
家具屋の職人として再出発してから建築家としての資質を見込まれ、軋轢を生みながらも大きなプロジェクトを動かす。一癖二癖もあるキャラクターたちが織りなす濃厚な物語は、ひと時も飽きさせるものではありません。

また、大規模建造物や広大な石切り場など印象的な映像はその壮大さや美しさだけでなく、その制作過程を考えるとそれを作り上げたスタッフの苦労がしのばれ、観るものを圧倒します。

215分という上映ですが、前半100分・インターミッション15分・後半100分とキッチリ分けられているのは建築をテーマにした作品として意識されたものかもしれないなと感じております。インターミッションは、劇中の建造物の象徴的な部分である、コンクリとコンクリの間のガラス部分のようにも思えてきます。

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よして