「特典冊子は鑑賞後に」ブルータリスト ふぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
特典冊子は鑑賞後に
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214分とインターミッション込みの長尺とフィルムで撮影された本作はまるでラースローが実在の人物であるかのような錯覚を覚える。
そして特典としてもらえる冊子は映画の結末を象徴するようなものになっていてなかなか粋である。
本作のラストで展覧会があるがそこで配られた冊子のようになっており、「建築家ラースロー・トートの創造」という内容自体は少ないがコミュニティセンターの特徴などが書かれている。
ブルータリストというタイトルには1950年代に見られるブルータリズム建築というコンクリート打ちっぱなしで近代的なデザインの建物のことを言うのだそうだ。
確かにコミュニティセンターのデザインはそうなっているが、それとは別の意味でbrutal-istという意味もあるのではないかと思う。
難民は受け入れるがろくな支援もない政府、資本に物を言わせて母親の名前のついた巨大な建築物を作ってしまうヴァン。その壮大な建築物に過去のトラウマを反映してしまう主人公でさえもその一人である。
また、打ちっぱなし特有の無骨で荒々しく、時に冷たい無機質な感じが本作に登場する人物の感情を表しているようである。
15分というインターミッションは何かをするには少々少ないが前編からの意識が離れない程度の時間であり、また後編が始まる数分前から後編の最初のシーンに繋がる駅の環境音が聞こえ出す。ここから流れるように後編が始まるので絶妙な時間になっている。
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