「ホロコースト・サバイバーの苦難の人生を描く一級の風格を備えた名作」ブルータリスト Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
ホロコースト・サバイバーの苦難の人生を描く一級の風格を備えた名作
総時間3時間35分だけど体感2時間ぐらいに感じるほど引き込まれた見事な演出とストーリー展開
途中15分あるインターミッション(休憩)が久しぶりに劇場で味わえ懐かしく新鮮、やっぱり3時間を超える作品にはこれがあるとありがたいな
ブラディ・コーベット監督がこだわった70mmフィルムで撮影された映像とビスタビジョンの画角を余すことなく映し出したスクリーンの重厚で美しいこと、惚れ惚れしました
一部限定のIMAXでは観られなかったのでシネスコサイズに上下カットされてしまうのかもと心配しましたが、ちゃんとビスタサイズの画角だったので安心しました
エイドリアン・ブロディさんとフェリシティ・ジョーンズさんの演技が素晴らしかった
超高難易度と言われるハンガリー語での会話や訛った英語、そして人生の浮き沈みや新天地での絶望感を体現する神がかった演技に強烈なインパクトを受けました
そしてそんな彼らを呑み込む資本主義国家の象徴とも言えるハリソンを演じるガイ・ピアースさんがお見事!円熟味を増し、めちゃくちゃ渋い初老の“独裁者”を凄みたっぷりに演じ、これまた強烈な印象を残します
作品を通して建設されるブルータリズム形式の“マーガレット・ヴァン・ビューレン・コミュニティセンター”はエイドリアンさん演じる主人公ラースロー・トートが自らの生涯の象徴として生み出したもの
それが明らかになった瞬間、全てのパズルが嵌まったような心打たれる感動と納得感に包まれました
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