「厭戦気分漂う、英雄のいない戦争映画」戦場 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5厭戦気分漂う、英雄のいない戦争映画

2025年5月3日
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鑑賞方法:その他

第一次世界大戦は犠牲多く成果乏しい戦争だが、イタリアにとっては苦難の歴史でしかない。戦争が長引き、厭戦気分が漂うなかで、自傷者が多く、感染症も広がる現実をよく描いた原作であり、映画であると思う。多くの死者、負傷者、病人を前にして倫理観が問われる二人の軍医の心情を暗示するのも上手い。戦争というのは、やり切れない現実を前に、ダラダラと続くのだなと想像させてくれる。エンディングはよく分からなかったが、変なオチを付けるよりはよいか。

Boncompagno da Tacaoca