「素晴らしい色彩に包まれながら、死というものを見つめ直す映画」ザ・ルーム・ネクスト・ドア Toruさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい色彩に包まれながら、死というものを見つめ直す映画
病に侵され安楽死を望むマーサ、そして再会したかつての親友イングリッド、前半はニューヨークの病院や自宅を舞台に二人が語り合い、後半は自らの意志で安楽死を臨むマーサとともに、森の中の美しい家へ。そこで二人が過ごした数日間を描いたドラマ。
余命宣告を受けたことで感じる死生観を見事に描いており、自分に置き換えたらと思うと、台詞それぞれが重く響く。
多少現実離れしたストーリーながら、自分自身が納得して、自ら美しく死を迎えるということに対しての憧れを抱かせる。
舞台となる家、衣装などにこだわりが感じられ、マッチした音楽とともに、洗練されたスクリーンに没入できる。
マーサを演じたティルダ・スウィントン、親友イングリッドを演じたジュリアン・ムーアが好演。万人向けの映画とはいえないが、自分自身の死生観に被る点も多く、実際人生の終盤に入っていることもあって、先日観た「敵」と同様、自分自身が歳を取ったが故に深く感じるものがあった。
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