「Samilla」ハイパーボリア人 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Samilla
「オオカミの家」コンビがお送りするこれまたインパクトの強い絵面が上映時間いっぱいに繰り広げられるので71分と短い上映時間のはずなのに長い時間置いてけぼりにされました。
ストーリーはあらすじを読んだ感じ、ある程度チリの歴史を知らんとなという事で簡単にチリの近代史あたりを調べたんですが、中学高校の授業じゃこんなの触れた覚えがないぞレベルで知らない情報まみれでした。
大学で世界史専攻していたらこういうのも知れたのかな〜と思うと大学で学び直したい事って結構多いなとしみじみする時間がありました。
でもこれをどうやって映画に落とし込むんだろうとこれまた悩みが増えてしまいました。
いざ今作を観て、そして観終わった後にこの作品の半分も理解しきれなかったんじゃとボヤボヤしながら劇場を後にしました。
カオスな映像に気を取られていたら、ゆったりと隠密にストーリーが進んでいくもんですからとてつもなく厄介でした。
チリの政治家などを登場させつつ、彼らの所業悪行を余す事なく映画に詰め込み、そこにメタ的視点からの心理だったり、監督たちも劇中に登場したりと考える場面は多いんですが、情報量の多さにパンクしてしまった感が「オオカミの家」と同じくらいあって集中力のゲージがぶっ壊れて知ったのが惜しかったです。
映像はアナログの連発なんですがとにかく凝り具合が凄すぎました。
手作り感満載の小道具が起動していない時間帯が無かったんじゃってレベルで小道具で溢れており、シーンの切り替えもちょっとだけごちゃついているのも良い味出していますし、糸で引っ張って動かしてみたり、ゲーム的演出をしてみたかと思いきや一気にダークな面も見せてくれたりと、映像はカオスが極まっており字幕を観ながら映像を見ても何がどうなってるのやらとこんがらがるのが面白かったです。
キャラクター造形も中々に奇妙なデザインが多く、それによって観る側を強烈に不安にさせてきますし、突然ドン!と見覚えがありそうなのに見覚えのないビジュアルが襲ってくるもんですからじんわり心臓に悪いやつまみれでした。
相性はやっぱし良くないなとは思いつつも、圧倒的映像表現は素晴らしかったですし、今後の作品も映像のクオリティに重きを置いて観に行くんだろうなと思いました。
次はある程度その国の歴史を知るべきだなと反省もしつつですが。
鑑賞日 2/12
鑑賞時間 16:25〜17:50
座席 K-11
※「名前のノート」併映