自分の道 欧州ジャズのゆくえのレビュー・感想・評価
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映画の邦題、ネガティブ過ぎないか?!
作品序盤、ナレーションで「ジャズ音楽はアメリカからの世界への贈り物」としながらも、すかさず「ジャズのルーツは欧州」とも。矛盾しているように聞こえても、実は正論。
単純に黒人音楽と思われがちなジャズだが、少なくとも純粋な黒人音楽ではない。
アフリカ系の独特のリズム感と、同じくマイノリティだったユダヤ系やイタリア系のクラッシックの素養とがフランス文化を色濃く遺すアメリカ中部で融合した成果がジャズ。
先日見たばかりの『Back to Black エイミーのすべて』でジャズへの認識に違和感があったので、ちょっと強調したくなる。
ユーロジャズにとってフリージャズの登場がアメリカの模倣という呪縛からの解放に繋がったという認識は今更ながら新鮮で興味深い。
映像ではなかなかお目に掛かれないB・パウエルら巨人の演奏が見られたのは眼福だし、映画出演ではヨタヨタしていたD・ゴードンの矍鑠たる佇まいがカッコイイ。
人名の発音にこだわりがあるのか、一部に一般とは異なる字幕表記がみられたが、そんなことより物故者はその旨を表示して欲しかった。
観賞後にココ・シューマンさんについて調べたら、五年以上も前に他界。彼の苦難の人生がジャズの欧州での位置づけを物語っているようにさえ思える。合掌。
ヨーロッパ的カッコよさ
アメリカから渡って来た音楽に衝撃を受けながらも、その影響から脱して戦後に独自の道を歩んで来たヨーロピアン・ジャズの歴史を振り返るドキュメンタリーです。僕は黒くコッテリのジャズが好きなのですが、それをアートの形にまで洗練させた各国のミュージシャンもやっぱり素敵です。
「『マイルスと結婚すれば』ってサルトルが言うのよ」とジュリエット・グレコが語る姿なんてパリでしかあり得ないカッコよさですよね。痺れるぅ~。
数々のミュージシャンの古い映像が観られたのも嬉しかったのですが、若き日のニールス・ぺデルセン(デンマークのベース奏者)がバド・パウエルと演奏している映像なんて無茶苦茶眼福でございました。
ジャズ映画祭に惹かれて、急きょ見てみました👀 当初はアメリカのを模...
ジャズ映画祭に惹かれて、急きょ見てみました👀
当初はアメリカのを模倣していたもの、差別を受け,退避して
徐々に独自になってゆく様子。
産みの苦しみ、当事者のインタビュー、丁寧に綴られていました。
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