劇場公開日 2024年10月4日

花嫁はどこへ?のレビュー・感想・評価

全106件中、21~40件目を表示

4.5インドじゃなきゃ成立しない話

2024年11月4日
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鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞284本目。
耳がでかくて目が世界一鋭いアミール・カーン製作。監督はなんと元奥さんだそうです。気まずないんか。
花嫁を取り違えると聞いていたのでてっきり顔も知らない花嫁が単身婿のところにやってくる途中で入れ替わる話かと思いきや、ちゃんと顔見知りの上で間違います。このくだりはインドでなければ無理で、取り違える経緯はイスラム圏内でもギリギリできそうですが、その後の見つからさぶりは広大なインドでなければ成立しないと思います。その後の話もインドが長年抱えている問題に端を発しており、なるほどと膝を打つ結末でした。

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ガゾーサ

4.0見失って見つけたもの

2024年11月4日
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鑑賞方法:映画館

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幸せ

行きつけの劇場で1か月遅れの公開となった本作。レビュー評価も上々で、時間もあったので鑑賞してきました。インド映画にしては、ダンスも荒唐無稽なアクションもなく、歌は控えめで尺も普通でしたが、インドらしさを満喫でき、内容も素敵な良作でした。

ストーリーは、嫁ぎ先に向かうために列車に乗った花嫁プールは、一緒に乗った花婿ディーパクが偶然隣席に座ったもう一人の花嫁ジャヤと取り違えて二人で降りてしまっため、見知らぬ駅に一人取り残されるはめになり、間違われてしまったジャヤもディーパクの家で世話になることになり、二人の花嫁は予期せぬ生活を強いられる中で自分の生き方を見つめ直すというもの。

インドの結婚にまつわる慣習を全く知りませんでしたが、私財をなげうってでも娘に持参財を持たせ、それによって妻の価値が値踏みされ、しかもそれが夫側の財産となることに、前時代的なものを感じます。設定が20年以上前のようなので、今ではどうかわかりませんが、日本もかつてはこんな感じだったように思います。名古屋の嫁入りは愛知では有名で「娘三人あれば身代(しんだい)潰れる」と言われていました。私の地元でも、子どもの頃は紅白幕で覆われた嫁入り道具満載のトラックを何度も見かけましたし、近所に嫁入りがあればお菓子が配られました。

本作は、そんな古い結婚観に疑問を投げかけ、女性の自立と解放を鮮やかに描く痛快作品です。古い慣習やしきたりに従順に従い、そこに疑問を抱かないプール。逆に、自分の生き方を捻じ曲げられることに納得がいかないが、抗う術のないジャヤ。この二人が、それぞれの価値観に一石投じる人々との出会いを通して、自分の生き方を見つめ直す姿が眩しいです。

そんな二人の姿に触れ、自分の固定観念を改める周囲の人物の描き方もなかなかのものです。中でも、嫌味な悪徳警官のマノハル警部補の鮮やかな逆襲に溜飲が下がります。ラストで、少し逞しくなったプールと、晴れて自分らしく生きる道を選んだジャヤが交わした、「あなたのおかげで見つけてもらえた」「あなたのおかげで自分を見つけた」という言葉が、とても印象的です。

主演は、ニターンシー・ゴーエルとプラティバー・ランターで、どちらも役柄ピッタリの演技に魅了されます。脇を固めるのは、スパルシュ・シュリーワースタウ、ラビ・キシャン、チャヤ・カダムら。

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おじゃる

4.0インドと女性

2024年11月3日
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鑑賞方法:映画館

プール役の方が可愛くて、一方でジャヤ役の方は凛とした美しさがあって、この2人のおかげで華やかな印象。

署長さんや、屋台のおばちゃんや、脇役もいい味だしてる。

ファンタジー映画として、微笑ましいインド映画として、視聴させていただきました。

そう、これはファンタジーです。

映画の中でも、できるだけマイルドに、花嫁が焼死とか、警察ほど怖いものはないとか、描かれてますが。

小生、数十年に亘りインドという国と縁を持ち、住んでたこともある身としては、あくまでも私見ですが、まあ、女性が決して一人で出歩いてはいけない国ですよ。

良い方も勿論沢山いますけどね!

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肉玉ぶっかけうどん

4.0久しぶりに良いインド映画に出会えた

2024年10月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

個人的に大好きなアーミルカーンがプロデュースしたという作品
(アーミルカーンには役者で参加してくれると良かったんだけど)
話としてはそんなこと実際にあるの?何にも知らないってさすがに無理あるだろって序盤の突っ込みはあるが、話が進むにつれ、そこは気にならなくなる。
2人の花嫁のうち、1人は怪しい挙動を繰り返しており、犯人目線で話が進む。
彼女の暴露する話になるかと思いきや、途中の伏線を上手く回収しながら良い方向へ話を上手くまとめた感じ。あの警官役もいい味出してた。
アーミルカーンらしい、ハートフルな結末に納得。
久しぶりにインド映画で楽しむ作品に出会えてよかった。
お勧めです。

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葉秋

3.0そんなインドの代表に叱られちゃったことがある(多分)日本のジェンダーギャップってどうなんでしょうね

2024年10月29日
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たしか北京の女性会議でお叱りを受けたことがあるような記憶。

最近も、女性差別撤廃条約批准して以降ウン十年以上ほぼ放置されてる件がやっと動き出す……かのように思われてた日本は総選挙になって結局また棚上げ(?)だとか。

日本のジェンダーギャップのどこがどうマズイか、というとサヨク系メディアや活動家のイメージがあってなぜか叩かれがちだ。

が、それはどちらかと言うとJ事務所の、日本人ならみんなが知ってた性加害が外国メディアによって白日の下にさらされたときの国際企業の対応の方が近いものがある。

人権に疎い商売は国際通商の場で許されない。まぁライバル企業を蹴落とすための道具って側面もあるのかもしれず、踏み絵みたいなもんで、各々の伝統とか歴史とかあんまし関係ないんだろう。

例えばこの映画にあったような、インドでは夫の名前を口にしてはいけない、って外から見れば「はぁ?」だが気が付かないだけそんな風習は日本にもいっぱいありそうだ。

インドだってせめて女が自分ですることしないことを選択できるようにしておかないと国際社会の場での発言権が縮小していく(もちろん日本も)。

とは言え、インドの現在の現実がこの映画の結末みたいならまだいい。聞こえてくるニュースは著しい人権侵害やら暴力やら。

「人権」なんてどっかから借りてきた言葉がなくても健康と幸福が保証された世界であれば世話はない。

この映画はつまりはファンタジーなんでしょう。カーストどこ行った?

外からどう見られるかが相当意識されてる映画のように見受けられ、これ、インド国内での興行はどうなんだろう。

可愛らしい映画だけれど、カラフルな装いの裏がこんなもんで済むわきゃないんだろうな、とも想像できるのだ。

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たちつてとん

4.5取り違えられた2人の花嫁

2024年10月28日
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幸せ

萌える

思いがけない人生の行方を描く、
スカッと爽やかで温かいインド映画、
面白かった

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褐色の猪

5.0とにかくプールがかわいくて~♡

2024年10月27日
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鑑賞方法:映画館

花嫁が入れ替わるなんて、なんとも奇想天外な事件だけど、
ベールで顔を覆う風習のあるインドなら、もしかしてあり得るかも?!
と、ハラハラドキドキ、たまにムカッとしつつ、
ラストは、ホッとして、ニッコリな作品でした。

屋台女主人や警察署長や、花婿などなど、
花嫁の周りの登場人物たちが、どのキャラクターも濃くて魅力的だし、
プールとジャヤ、女性の自立がテーマだが、それぞれが違う方向性で、
でも互いに上手く絡んでいくストーリーは、素晴らしかったです。

いやぁ~、それと、とにかくプールがかわいくて~♡
とくに声!
耳に心地良くて、ずっと聞いていたくなってしまう。
彼女を観ていると、とても優しい気分になれて、ずっと、笑顔で観ていられました~。

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hkr21

4.5カーンさん、さすがです。

2024年10月27日
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このカーンさん、救いのある結末になるので好きです。

インドでさえ、こういう考え方があるのか、と。

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かし

4.0心底、間に合ってよかった

2024年10月27日
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鑑賞方法:映画館

今週公開の作品がいずれも(個人的な印象として)微妙なラインナップ。それならと、見逃している作品から高い評判を聞くこちらの作品を、行きやすい劇場で都合のいい時間帯の条件にあった本日日曜の午前中、ヒューマントラストシネマ有楽町にて会員割引で鑑賞です。公開4週目ですがまぁまぁな客入りで、確かに評判の高さがうかがえます。
インド映画は久々な私。嫌いなわけではありませんが、無意識にどれを観るかの選考から外しがちなのは確かで、この作品についても今週、数週遅れで聴いたラジオのポッドキャストで町山さんが取り上げていたことで気づき、その数日後に今度は宇多丸さんが、ラジオのコーナーの課題作品候補の一つであった本作を「宇垣さんが良いと言っていた」と紹介しているのを聴いて、ようやく調べて今日の鑑賞に至りました。
で、観終わっての感想は「心底、間に合ってよかった」。終盤はもう泣くのを堪えるので必死なほど感情を揺さぶられました。実にシンプルな展開で大枠では「こうなるのだろう」と判るのですが、見せ方はしっかり不安さや怪しさを感じさせてくれるため全く飽きないどころか、その丁寧な描き方に感嘆します。
古くからの慣習や既成概念の内にある「差別的」で「時代遅れ」な考え方を、単に「悪」として扱いそれに反発するのではなく、どの立場にも納得の合理性で「この方が良いよね」とポジティブに浸透させていきます。その結果、始めは知らない者同士で訝しがって見ていても、いつしか笑い合い、更には打ち解け合えるる間柄となっていて、観ている側にもその幸福感が伝わってきます。勿論、その要因はジャシャ(プラティバー・ランター)とプール(ニターンシー・ゴーエル)という「とあるきっかけ」で入れ替わった二人の花嫁、いやさ「女性」たち。育ちも性格も異なる二人ですが、女性ならではの「高いコミュニケーション能力」で相手の信頼を得、居場所を得るばかりか、周りにどんどんといい影響を与えていきます。一方、どうしても「システム」の中で考え、生きてしまいがちな男性陣。女性の言い分など聞く機会すら作ろうとせず、時に無言のうちに存在すら否定することも。この点、程度の違いこそあれ決してインドと言う「お国柄」の話ではなく、我々も気を付けていかなければなりません。感動してるだけじゃいけませんな。
いやはや、本当に素敵な作品でした。間に合わなかった方は配信でも悪くはありません。でも、もし間に合うようなら是非劇場で。絶対観て損はありませんよ。

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TWDera

5.0想像以上の出来栄え☺️

2024年10月26日
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泣ける

笑える

楽しい

私のインド映画史上最高傑作ですね♪
主演のプラティバ・ランタは段々綺麗に見えて来まして、終わる頃には絶世の美女でした😂

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マルキド花菱

4.0ナイス警部補

2024年10月25日
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幸せ

えー話やなあー
20年ほど前のインドの田舎の結婚って
いまだに良く知らない人と結婚する風習なんですね
最初の方はちょっとダラダラで
これどうやって解決するの?って感じでの展開
怪しい動きのジャヤが印刷屋さんと出会って
そこから結構急展開
後半はとても楽しく観れました
なんと言っても警察官とマンジュおばさんが
助演男優賞女優賞です
ディーパク一族もみんないい人で
幸せな家庭を築いていけそう
ぜひ観てほしい映画です

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かちかち

3.5期待通りで大満足。

2024年10月25日
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幸せ

萌える

日本で公開されるインド映画はハズレがありませんね。選択の手間が省けます。踊りの無いリアルな心温まる映画でした。

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ankh

4.5自分のハンドルは自分で握るのさ

2024年10月24日
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泣ける

楽しい

幸せ

取り違えられた花嫁たちはそれぞれ花婿との絆を深められたり、自分の夢に向けて突き進むことができたりした。エェ話や~そして、周りにも影響が与えられた。片方のお婿さん一家が善い人たちで良かった。自分の利益を求め続けた警察官は1周廻ってMVPに相当するくらいのヒーローっぷりだった!

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印刷局員

4.5時代設定の妙❕

2024年10月21日
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インドの国内情勢、特に男女間や家族の力関係や学業、就労についてどうなっているのか全く分からないのですが、本作の舞台は2001年ですから、2024年のインドよりは古い価値観が支配しているのだろうということは推察できます。
その時代であっても、おかしなことには声を上げる存在であった二人の花嫁、そしてそれに巻き込まれながらも力を貸していく周囲の人々、全てが胸を打ちました!
あの警部補ですら、胸クソキャラだと思わせつつのラストの爽快感ですからねぇ~。
なんだか登場するほとんどの人たちが善人で、この手の作品は観終えた後に心がじんわり温かくなるのが最高です。
日本だってまだまだプライバシーに頓着せず人の身上に土足で踏み込む人や古い価値観に凝り固まる人が少なからずいるのですから、身分制度などが根強い国はもっと生きづらいのだとは思いますが、それでも変わりつつあることを示してくれた素敵な作品でした。
それと、ストーリーとは関係ないのですが、作品中お母さんのことを「アンマー(アンマ?)」と呼んでいたと思うのですが、沖縄の方言でもお母さんは「あんまー」と呼ぶので、意外なつながりにビックリでした。

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ニコラス

4.0アイラブユーは世界共通

2024年10月20日
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いいなぁ〜インド映画。

贔屓目かもしれないけど、なんというか邪念がないというか。

純粋なんだよね〜描き方が。

純粋に嫁を想い続け、家族が結束し、人を信じる。

なんか、底抜けにいい人ばかりみたいに描かれてるけど、まあ、希望を込めてというとこか。

そるでも、最後はホッコリ涙したくなるハッピーエンド。

インド映画、大好き♥

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ミツバチば~や

4.0すきっとする!

2024年10月20日
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幸せ

かわいらしくて考えさせられて最後はスッキリする、素敵な映画でした。

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おきん

4.02本目

2024年10月20日
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泣ける

幸せ

途中だれ気味なところはありましたが、最後はしっかり諸々回収してくれて、ウルッとホロっとスッキリ爽快😆

どこぞの内山拓也(まだ引きずっています😁)の作品とはこうも真逆だとメチャクチャありがたみも2倍にも3倍にもなりますね(笑)

それにしても、あの存在感抜群の警察おやじがまさかの裏のMVPだとは🤣

これを観た後に、胸糞悪い警察官が登場する内山拓也のあの作品(しつこいっすね(^^ゞ)だけは絶対観ない事をオススメします😉
せっかくの爽快感を全部帳消しにしちまいますので😌

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おたか

5.0インドの闇を照らす、強く美しい女性の生き様

2024年10月19日
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幸せ

萌える

2001年というから今から23年前、インドの田舎の婚礼の際に花嫁がベェールを被ったまま義実家へ嫁ぐという風習のせいで、取り違えられた花嫁二人が巻き起こすコメディタッチのヒューマンドラマ。ちょっとサスペンス要素もあります。

現代のインドのその地域においてどうなってるかは存じ上げませんが、女性の社会的地位が総じて低く能力のある方々がそれを発揮できず埋もれていたり、その中で特に家庭内でのお嫁さんの自由が束縛されている描写が、違和感なくストーリーに溶け込んでおりました。

二人の花嫁さんはどちらも美しい容姿ですが能力や性格などは対照的に描かれてていて、かたや見た目は花嫁然として可愛らしく一通りの家事などはこなすが、おそらく彼女はこれまできちんとした教育の機会を得られたと思えず、いろんな面で依存的です。もう一方は勉学に励むうち自立した考えを持ったと思われ、自らの能力で率先してリーダーシップをとるタイプです。

それぞれの置かれた立場は違い、ストーリー上遭遇する至難のレベルも種類も全く別物ですが、彼女達が頑張って苦難に立ち向かう姿は美しく光り輝いてみえました。彼女らに感化された周囲の女性達が人生の輝きを取り戻す様も大変結構でございました。

逆に言えば、その光に照らされて浮き上がるインドの闇は暗喩レベルでも相当悲惨なもので、一部の悪習は今でも残っているのでは・・・と嫌な想像をしてしまいます。

最後は意外な結末で、日本人の倫理観からするとちょっとびっくりですが、巨悪?は滅ぶべし・・・なのであの強引さはむしろ好きです(笑)。

ぜひ、ご覧になってください!

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やまちょう

4.0愛の試練系のコメディ

2024年10月19日
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2024年。キラン・ラオ監督。20年以上前のインドの農村。結婚したばかりの夫婦は混雑する電車に乗り込んで新郎の実家へ。その間新婦はベールで顔を隠したままだったが、実家についてみると、花嫁は入れ替わっていて、、、という話。花嫁の取り換えから起こる社会派コメディ。
女性蔑視がまかり通るインド農村の様子を「コメディ」に仕立てるのに20年かかったということか。愛の試練が試されるドラマ(夫婦はもとに戻れるか)を基本としつつ、ありとあらゆる女性差別(夫の名前を言わない、顔を見せない、外で働けない、大学に行けない)が描かれる。しかも、それが日常的に賄賂を受け取る警察の腐敗と同じ程度に笑いのネタとして消費されている。もちろん、それぞれの差別には差があって、「夫の名前を言わない」は笑い飛ばされている軽いネタだが、「女子は大学にいかない」はほとんど笑いの様子がない深刻なネタだ。
期待した群舞はなかったが、単純なキャラ造形とゆったりとしたわかりやすく泥臭い展開はインド映画らしい。

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文字読み

4.5待望のアーミル・カーン作 その巧さ

2024年10月18日
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幸せ

癖の強いボリウッド作品において、最も外国の人がとっつき易いのがアーミル・カーンの作品ではないでしょうか?登場人物は一般的な人が多く、急展開な恋愛やフラッシュモブのようなダンスがほとんどなく、そして何かしらのメッセージ性を持っているあたり、そんな気がしていて、本作も楽しみにしていました。

まず設定が面白いし巧いですよね。新生児の取り違いはまだなんなとなくわかるけれど(『そして、父になる』のように)、花嫁を取り違えるってどういうこと?と、思うのですが、映画に描かれている風景がインドの日常的な結婚の慣習であるのあれば、ありえなくはないのか、と納得してしまいます(映画の設定は20年ほど前の時代だったので、現在は全く異なるのかもしれません)。

そして登場するこれまたキャラの立つ人物たち。境遇や性格、思想などが異なり、それぞれに思い描く幸せの形が異なるのも興味深いです。ここには、その幸せを享受出来ない社会であるというメッセージも見て取れるのでしょう。

ラストには意外な人物の心温まる行動にニヤりともホロりともさせられ、見事でした。

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yutes79