劇場公開日 2024年10月4日

「愛の試練系のコメディ」花嫁はどこへ? 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛の試練系のコメディ

2024年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年。キラン・ラオ監督。20年以上前のインドの農村。結婚したばかりの夫婦は混雑する電車に乗り込んで新郎の実家へ。その間新婦はベールで顔を隠したままだったが、実家についてみると、花嫁は入れ替わっていて、、、という話。花嫁の取り換えから起こる社会派コメディ。
女性蔑視がまかり通るインド農村の様子を「コメディ」に仕立てるのに20年かかったということか。愛の試練が試されるドラマ(夫婦はもとに戻れるか)を基本としつつ、ありとあらゆる女性差別(夫の名前を言わない、顔を見せない、外で働けない、大学に行けない)が描かれる。しかも、それが日常的に賄賂を受け取る警察の腐敗と同じ程度に笑いのネタとして消費されている。もちろん、それぞれの差別には差があって、「夫の名前を言わない」は笑い飛ばされている軽いネタだが、「女子は大学にいかない」はほとんど笑いの様子がない深刻なネタだ。
期待した群舞はなかったが、単純なキャラ造形とゆったりとしたわかりやすく泥臭い展開はインド映画らしい。

文字読み