「待望のアーミル・カーン作 その巧さ」花嫁はどこへ? yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
待望のアーミル・カーン作 その巧さ
癖の強いボリウッド作品において、最も外国の人がとっつき易いのがアーミル・カーンの作品ではないでしょうか?登場人物は一般的な人が多く、急展開な恋愛やフラッシュモブのようなダンスがほとんどなく、そして何かしらのメッセージ性を持っているあたり、そんな気がしていて、本作も楽しみにしていました。
まず設定が面白いし巧いですよね。新生児の取り違いはまだなんなとなくわかるけれど(『そして、父になる』のように)、花嫁を取り違えるってどういうこと?と、思うのですが、映画に描かれている風景がインドの日常的な結婚の慣習であるのあれば、ありえなくはないのか、と納得してしまいます(映画の設定は20年ほど前の時代だったので、現在は全く異なるのかもしれません)。
そして登場するこれまたキャラの立つ人物たち。境遇や性格、思想などが異なり、それぞれに思い描く幸せの形が異なるのも興味深いです。ここには、その幸せを享受出来ない社会であるというメッセージも見て取れるのでしょう。
ラストには意外な人物の心温まる行動にニヤりともホロりともさせられ、見事でした。
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