「もっと上映館増やして!」花嫁はどこへ? TSアラヨットさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと上映館増やして!
レビュー点数がめちゃ良かったので気になり、前日にチケットを取りましたが、既に残りわずかでした。宣伝してるわけでも話題になってるわけでもないし、上映館少ないのに何で? あまり期待し過ぎるとイマイチに思うパターンも多々ありますが、この作品に関しては本当に期待通りというか、それ以上の面白さでした。今年は例年以上にハズレのない鑑賞体験が多いのですが、まぎれもなくベスト5に入るくらいの良作でした。
お話の骨格は、いわば「吉本新喜劇」にあるパターンというか、「んな、アホな」とつっこみたくなる展開なのですが、出演者が皆適役で、誰一人知りませんけど、上手い・かわいい・美しい・おもろい。なにより、コメディ要素とミステリー要素をちりばめた脚本が素晴らしい。女性の権利や生き方について、主張している部分があるのですが、そこをメインに訴えるのではなく、ユーモアと暖かさでポジティブに表現しているうえ、どうなることやらと目が離せない展開が続き、最後は愛しい気持ちにあふれて涙が止まりませんでした。
インド映画は先日「ジガルタンダ ダブルX」を観て、意外な展開に驚き感動したばかりですが、ホントにひとくくりにはできない幅広さと奥行きがあると思いました。やたら集団ダンスシーンが出てくるとか、似非ハリウッドアクションとか、あまり良い印象を持ってない人はぜひこの映画を観てほしいです。2時間ちょっとでインド映画にしては短めですし。大阪では上映館が非常に少ないので、「RRR」みたいに口コミで増えてロングランしてほしいと願うばかり。でも、一方で自分だけのお気に入り作品にしておきたい気持ちにもなる、そんな「愛しい映画」です。