「◇黒装束の闇鍋会」エストニアの聖なるカンフーマスター 私の右手は左利きさんの映画レビュー(感想・評価)
◇黒装束の闇鍋会
闇鍋(やみなべ)とは、それぞれ自分以外には不明な材料を複数人で持ち寄り、暗中で調理して食べる鍋料理。江戸時代には、闇の夜に野外の小川で網を打ち、かかったものを見ずにそのまま鍋に入れて食べる度胸試し的「闇夜汁」という料理もあったようです。
<カンフー&ロシア正教&ブラックサバス> それぞれ黒を基調としたダークな世界観で統一されて感じます。まさに何が飛び出してくるのか、予測不可能な闇鍋。そして、供されるものについては必ず食べなくてはなりません。
冒頭の古典的ワイヤーアクションから、秒殺で"あちらの世界"へとトリップ。荒唐無稽のハイテンポな展開は、有無を言わせず理性的理解を飛び越えていきます。
イメージはタランティーノ「キルビル」xニコラスケイジのおふざけ演技。中盤のカタコンベ(地下納骨堂)シーンで減速しつつ微睡ませておいて、後半は「悪魔」としての女性の登場。おや?恋愛ものだったのか。と軽い驚きへとハマり込みます。
ひねりにひねった変則的な舞台設定とどこか懐かしいローファイな世界観。虐げられた閉鎖的土壌だからこそ育まれる強かでシニカルな笑いが、私を新鮮な気分にしてくれました。
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