「カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画・・・に見えるけど実は、」エストニアの聖なるカンフーマスター Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画・・・に見えるけど実は、
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多分10人中9人は「監督は一体全体何がしたいんだ??」となる映画なんだが、とりあえずカンフーする修道士のおじいちゃんたちが可愛いので観て損はないです。
長老役の役者さんはファイトコレオグラファーらしい。どうりでスタント使ってないのにあんなに動きが軽やかなはずだ。おじいちゃん格好良い。
カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画…に見えるけど実は内面的修行の話である。
<以下ネタバレあり>
餃子を投げ合うシーンを見ながら「一体何を見せられているんだ…」と思いつつ、ふと長老の助言や修行の内容にデジャビュを感じる。あれだ、本質的なテーマはパウロ・コエーリョの「星の巡礼」と同じなのだ。あの本もキリスト教の修行の話でありながら突然野犬と闘ったり穴を掘ったりする話だった。一見何やってるのかよくわからないが、つまるところ、序盤で長老が言うように「謙虚」が話のテーマである。
この話の主人公ラファエルは実のところ何も成し遂げてない。長老の助言にもろくに従ってない。それにもかかわらず彼に触発されイリネイは自分の嫉妬心と向き合うことになるし、リタは本音をぶちまけ自分を解放するし、長老は後継を決めることになる。結局ラファエルは神様が寄越した触媒なのだ。
「星の巡礼」もそうだが、自分が手に入れることを諦めて初めて手に入れる資格を得ることがある。謙虚さによって道が開かれるのだ。
修道士役は地元の人たちを起用したらしい。ちょこちょこ一列で動いたりバケツリレーする様がなんとも可愛い。
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